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小学二年生、8歳。家族を守るためにただいま奮闘中!!  作者: いなずま


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プロローグ

探索者たちの間には、一般人が閲覧することのできない場所が存在する。


探索者専用掲示板。


その中でも、Dランク以上の資格を持つ者だけがアクセスを許された匿名掲示板。


そこでは今日も、探索者たちが情報を交換していた。



———


195 : 名無しのCランク探索者


なぁ、博士の噂聞いたか?


196 : 名無しのBランク探索者


なに?

またそこら辺の新人探索者をモルモットにでもしてた?


197 : 名無しのAランク探索者


……博士絡みか。もう聞きとうない。


198 : 名無しのDランク探索者


Aランク探索者が嘆くって……何したのその人。


199 : 名無しのBランク探索者


↑新人か?


俺達も詳しく知ってるわけじゃないが、一言で言うならマッドサイエンティストとサイコパスを足して、さらに10倍したようなやつだ。


200 : 名無しのDランク探索者


怖すぎん?


201 : 名無しのCランク探索者


まぁ、もちつけ。

色々噂されてるが、実際に博士の姿を見たやつはいない。


ただ、存在自体は確認されてる。


博士が現れるのは決まって、探索者がダンジョン内で命の危機に晒された時。


そして——博士が現れた探索者は、全員助かってる。


202 : 名無しのDランク探索者


え?

じゃあ普通にいい人じゃん。

ヒーローじゃん。


203 : 名無しのCランク探索者


それだけならな。


他の探索者が現場に着く頃には、瀕死だった探索者は傷一つ残さず完治。

博士の姿はどこにもない。


しかも現場近くにいた探索者は、みんな似たような証言をしてる。


「変な声が聞こえた」

「鼻歌と一緒に、傷を抉ってるような音が響いてた」

「幽霊みたいな声だった」

「ゴースト系のダンジョンかと思った」

「ちびった」


んで最後には、全員こう言う。


「あれは……人間じゃない」


204 : 名無しのDランク探索者


ひえっ……


205 : 名無しのBランク探索者


探索者用掲示板がオカルト板になってるんだが?


206 : 名無しのCランク探索者


でも助けてくれるんだろ?


207 : 名無しのBランク探索者


そこが一番怖いんだよ。


博士が出た現場の探索者、全員傷一つ残さず完治してる。


欠損まで治ったって話もある。


208 : 名無しのAランク探索者


ある。


俺の知り合いだ。


腕を失った。

博士が現れた。

翌日には生えてた。


209 : 名無しのDランク探索者


………………。


210 : 名無しのCランク探索者


でも助けてくれるなら、やっぱりいい人じゃん。


211 : 名無しのAランク探索者


……だから余計に怖いんだよ。


212 : 名無しのDランク探索者


なんで?


213 : 名無しのAランク探索者


これは何度話しても虚言扱いされるんだが、俺が実際に見た話だ。


博士が消えた後のダンジョン。


血まみれの床。

その上には、完璧に治された探索者。


そして——。


その身体の上に、小さな人形が置かれてた。


214 : 名無しのBランク探索者


人形?

博士かわいい趣味してんじゃんw


215 : 名無しのAランク探索者


その人形が突然、


ギギギギッ——


って音を立てた。


次の瞬間、首だけがグルンッと180度回って俺を見た。


216 : 名無しのCランク探索者


やめろ。

やめてくれ。


217 : 名無しのAランク探索者


それから人形の口が動いた。


「お怪我はありませんか?」


218 : 名無しのAランク探索者


俺はそこで意識を失った。


次に目が覚めた時には、自分のベッドの上。


おわり。


ちな実話(ガチ)


219 : 名無しのBランク探索者


だれか……一緒にトイレ行かない?


220 : 名無しのCランク探索者


同行しよう。


221 : 名無しのDランク探索者


俺も。


222 : 名無しのCランク探索者


もう博士の話やめようぜ。


223 : 名無しのDランク探索者


賛成。


224 : 名無しのBランク探索者


ところで博士って何歳なんだ?


225 : 名無しのCランク探索者


知らん。


226 : 名無しのAランク探索者


知らん。


227 : 名無しのDランク探索者


性別は?


228 : 名無しのBランク探索者


知らん。


229 : 名無しのCランク探索者


そもそも人間かどうかも知らん。


230 : 名無しのDランク探索者


…………。


231 : 名無しのBランク探索者


やっぱりオカルト板じゃねぇか。


232 : 名無しのCランク探索者


草




———



一方その頃、その《博士》と呼ばれる存在は――。


小さな手で鉛筆を握りながら、学校の机に向かっていた。


「……ここ、もうちょっと丸くしたほうがかわいいかな」


工藤くどう紬つむぎ。


ただ今小学二年生、8歳。


彼女こそが、探索者たちから畏怖される《博士》本人だった。


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