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英雄の娘  作者: かおもじ
20/24

月と太陽と風と

腕を負傷してしまい、只でさえ遅筆なのに輪を掛けて時間が掛かってます。治るまでは更新の間隔を伸ばすか文章短めで投稿する形になると思うのでスミマセン…短めで投稿した部分は後から統合して再編集するかもです。


王都に帰る所までは描き切りたかった…

「マリー…ちゃんか、良い名前だね 。他に何か覚えてる事って…有るかな?」


 そう目の前の少女…マリーに尋ねるが、マリーは首を横に振りながらルナの質問に答える。


「マリーで良いよルナお姉さん。───さっきお姉さんに触れた時に誰かが私の事マリーって呼んでたのだけは思い出したけど…う~ん、他にも何かあった気がするんだけど、忘れちゃった…」


 マリーは暫し考え込む様子を見せたが、どうやら他に思い出せた事は無さそうだ。とはいえ理由は分からないがマリーの体に触れた瞬間あの電流が流れるような感覚が起こり、同時にマリーにも異変が起こっていた。明確な根拠がある訳ではないが、一緒に居ればまた何かの拍子に記憶が戻るのではという思いもある。その為、今は当面の問題について話をする事にした。


「じゃあマリーって呼ぶから、私の事もルナでいいよ。…うん、大丈夫。名前が思い出せたんだからきっと他の事も思い出せる。それに、記憶も大切だけどこれからのお話もしないとね」


 明るく振舞いながらルナがそう告げると、マリーは少し不思議そうな顔しながら可愛らしく小首を傾げる。


「これから?」


「うん、記憶が無いって事は家が何処からも分からないし、住む場所も無いって事だと思うから…もしマリーが良ければ、取り合えず私のお家に来るのはどうかな?マリーのお友達になってくれそうなお姉さんもいるし」


 マリーを一人でここに置いていくという考えは全く無いのだが、それでも本人の意志を確認する事は大切だろうと思いそう尋ねる。すると思案気な顔をするマリーがややもあってから口を開く。


「私何にも覚えてないし…迷惑掛けるかも?」


 そう伏し目がちに呟くマリー。エルフなので実際の年齢は分からないが…外見年齢が10歳前後の少女が、相手の負担になる事を考えて遠慮する姿に何とも言えない思いが湧いてくる。


「子供は遠慮なんてしなくて良いんだよ…マリーがどうしたいのか教えてくれる?」


 小柄な自分の体よりも更に小さいマリーに視線を合わせ、微笑みながらそう尋ねる。


「…うん、私、ルナのお家に行ってみたい。───ん…ルナは大人なの?」


 自らの意思を明確に伝え、その一言を聞いたルナは満足気に頷きながらそっとマリーの頭を優しく撫でたのだが…その後付け加えられた言葉にピタリと動きが止まる。


 先程の会話の中で不思議に思った事を質問した形のマリー。マリー視点からすればルナは少し年上のお姉さんにしか見えていない為、大人なのかな?位の純粋な疑問ではあったのだろうが…その一言がルナのメンタルに予期せぬ刺さり方をしてしまう。


「あ~、うん。大人…大人かぁ…」


 身体は15歳の女だけれども精神は32歳のオッサンだから大人…いや、32歳のオッサンでも今までゲームしかしてこなかった、社会人としての経験が皆無の人間を本当に大人と呼べるのか…?ゲームをして来た事自体に後悔は無いが、自らの事を大人だと言い切る自信も無く思わず天を仰ぐルナ。


「ルナ?」


 訝しげにルナの名を呼ぶマリーであったが、しかしてその言葉はルナには届いておらず…


「大人…かなぁ?」


 己が人生を振り返り少しセンチメンタルな気持ちになりつつ、虚空を見つめたルナはそう呟くのだった。



 △▼△▼△▼△▼△▼△▼



「よし、じゃあお家に帰ろっか!お家でもう一人のお姉さんがご飯作って待ってるからね」


 暫し遠い目をしていたルナだったが、多少メンタルが回復したのか空元気交じりにそう声を出す。そんなルナの言葉にマリーは思わず「ご飯…」と呟く。


「?…お腹空いてるのマリー?」


 それに気が付いたルナがそう尋ねると、マリーはコクコクと頷きながら返事をする。


「うん…大きな樹の所で目が覚めて、どうしていいか分からなくて暗くなるまでそのままジッとしていたんだけど…気が付いたら朝になってて、どうしてもお腹が空いたから食べ物を探して歩いていたらあの変な人たちが急に来たの」


 どうやらマリーは深王樹の袂で目を覚ましたらしく、しかも昨日からここに居た様だ。そうして今朝お腹を空かせてこの辺りをウロウロしてた時にあの亜人共に見つかってしまったようだ。


「じゃあ尚更急いで帰らないとね、子供はいっぱい食べて大きくならないと」


「ん…大人は食べても大きくならない?ルナは大きくなる?」


 間髪入れぬ返答には微塵の悪意も無い。しかしまたしても意図せぬカウンターをルナに突き刺すマリー。


「グフゥッ…」


 なんだろう、肉体の成長の話だろうか。内面の成長の話だろうか。フィジカルの話ですよね?そうですよね?コドオジとかそういう話じゃないですよね大丈夫です分かります。


「と、とにかく、走って帰れば夕ご飯には間に合うから、急いで帰ろ!」


 口を開けば開くほどよくない流れになる気がしたルナはマリーにそう訴えかけると、「わかった、ルナより足が短いから遅いかもしれないけど…私も頑張って走るね」と、真剣な顔で言い放つ。


 その返答に思わず目が点になったルナは、一拍置いて笑いながらマリーの勘違いを是正する。


「アハハ!マリーは走らなくて大丈夫だよ。さ、私の背中に乗って。私もお腹空いたからね」


 そう言いながらルナはマリーが乗りやすい様にしゃがみ込む。ともすればルナが戦っている場面を直接は見ておらず、その小さな体に慮外の力を秘めているとは知らないマリーはルナを案じ一瞬躊躇いを覚えるが…ルナを信じその背に体を預けた。


「よし…!しっかり捕まっててね、マリーが思ってるよりずっと早いと思うからね!」


 その言葉を聞いたマリーは首に回した腕に力を込め、それを感じたルナもまた背中に回した手にグッと力を込めながら、膝を折り曲げその体を加速させ走り始める。


「わっ、あっ、凄い、速い…!」


 ルナの言葉通り、想像していた以上の速度に思わず声を挙げるマリー。後ろ手に聞こえる声をしっかり聞き取ったルナは、「大丈夫?もう少しゆっくり走る?」とマリーに問いかける。


「大丈夫、速いけど…風が気持ち良いよ!」


 正午の最も日が高い時間よりは沈み始めてはいるが、それでも遮るものの少ない高原には強い日差しが降り注ぎ暑さを感じさせる。そんな中、疾走する事で生まれた風は二人に涼しさを与え、その心地よさを全身に感じながら帰路を急ぐのであった。

過去の事故で引き籠っただけで、実はコミュ力高い系なんですよねこの主人公。


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼


この度は私奴の作品をお読み頂き誠に有難う御座います。


本作をお読み頂いた上で少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたなら


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何卒宜しくお願い致します!オナシャス!

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