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夏のある日のことです。おばあさんは、近所にある小さなペットショップで立ち止まりました。
大きな鳥かごにはセキセイインコが十羽、入っていました。黄色、緑、青。色とりどりのインコたちは、ぴいぴいと、楽しそうにおしゃべりしています。
「おばあさん、インコ飼ってみない? 今なら安いよ、一羽千円!」
ペットショップのおじさんは豪快に、がっはっはと笑いました。何が楽しかったのかは、よく分かりません。
おばあさんはしばらくの間、鳥かごを眺め続けました。一度ペットショップを離れたかと思うと、また鳥かごの前にやって来る、をひたすら繰り返します。そうしてやがて、小さなポシェットから財布を取り出しました。
「毎度! さあ、どのインコにする?」
おばあさんはしばらく考え、目があった水色のセキセイインコを指さしました。指をさされたインコは、不思議そうに首をかしげます。おじさんはうんうんとうなずき、豪快に笑いました。
「このインコはまだ小さいからね。一羽で飼ったら手乗りになるし、喋るようにもなるよ!」
おばあさんは水色のインコと小さな鳥かご、それから少量のエサを購入して、家に帰りました。