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王子を言い負かそう!

3日目②


「ついでにこの機会にミモザと考えておきたいことがある。

 不敬罪の対策についてだ。」


「ぶっ」


 突然の王子のぶっ込みに吹いてしまった。


「5日後の判決では残念ながらこのままではミモザは不敬罪で重い刑罰が執行されてしまう。

 そこでだ、この1週間私が掛け合った結果アカード侯爵家がそなたを養女として迎え入れてくれるという。

 すぐに手続きして、貴族の子女として裁判に臨めば平民である今の身分よりも罪が減免される。

 さらに、私との婚姻も身分上可能になる。

 どうだ?良い案であろう?」


「ぶふっ」


 え…罪が軽くなるのは魅力的だけど、王子とは結婚したくない…。


(しかもアカード侯爵家って…)


(あまりいい噂は聞かない侯爵家だな。

 体面は保っているが、鉱山事業に失敗して内情は火の車って聞いたぞ。

 金策のためか麻薬密造疑惑も出ている家だ。

 お前に手を貸す位だ。分かってると思うが泥の船だぞ。)


(ひぃーー、やっぱりぃー。)


 アベルたんが貴族情報を耳打ちしてくる。

 てか、私ですら耳にするレベルのそんな情報すら得られてないなんて、王子として大丈夫?


「殿下、僭越ながら発言させていただきます。」


「シュタインか、許す。」


「アカード侯爵家は先の鉱山事業の失敗で多くの負債を抱えている貴族家です。

 いくら高位貴族といっても、そんな所に養女となっても、ミモザ殿が王妃になる障害となってしまうのではないでしょうか?」


 シュタインさま、ナイスパスです!


「そんな事は分かっている。

 その負債分を私の個人資産で負担することでミモザを養女にするということで話がついているのだ。

 婚約の審議に進むまでに借金が完済できていれば問題なかろう。」


 …アベルたんのいう麻薬密造は掴んでないんですね。


 てかそんな侯爵家に肩しれしたら、第一王子は廃嫡ルートになりませんか?

 もしかしてこれが俗にいうストーリーの強制力なるものですか!?

 何としても養女を避けないと。


「殿下にそこまでして頂く価値は私にはありません。

 今後は慎ましく過ごすつもりですので、殿下は身分の釣り合った良い方を見つけてお幸せになって下さい。」


「…ローザスに何か吹き込まれたか?」


 えーーー、何言ってるのこの王子!?


「いっ、いえ、ローザスさまは関係ありません、私の意思です!」


「1週間前と言っていることが違うぞ。」


「考えを改めただけです!」


「やはり、あの性悪め。公爵家で引き取るといった時にもっと強く止めていれば…。」


「違います!話を聞いて下さい!」

 本当にこの王子は話を聞かないな!


「やはりローザスはミモザに何か手を…」


「リエト殿下!!」


 どうしたアベルたん、声大きくてびっくりした。


「どうしたアベル?」


「ミモザ嬢をかけて僕と決闘をして下さい。」


「えええええええええええ」


「…なんだと?」


 アベルたんが私の肩を抱いてきて耳元でささやく。

(あのバカ王子から逃れたかったら俺に合わせろ。

 こっちを無視するわ、姉様を侮辱するわ限界だ。)


 …アベルたん、激おこですね。分かります。


「ミモザ嬢が心変わりしたのは姉様のせいではありません。

 一緒に過ごすうちに僕たちは惹かれ合ったのです。

 ですので原因は姉様ではなく僕たちにあるのです。」


「なんだと!?どういうことだ、ミモザ!」


 ええええ!何その設定!


 うわ、当たり前だけど王子めっちゃ怒ってる。

 もうシスコンのアベルたんを信じるしかない。

 唾をのみこんで覚悟を決める。


「アベルた…さまのいうとおりです。

 私はこの一週間、アベルさまと共に過ごすうちにアベルさまと恋に落ちてしまったのです。

 リエト殿下には不誠実なことをしてしまい申し訳ございません。

 ですので私はこの責任をとって大人しく一生を独りで過ごす覚悟を決めました。

 殿下とは結婚はできません。」


「ミモザ!!」


「殿下の恋人を奪ったこと、ただで済むとは思っていません。

 この度の決闘を受けて頂き、もし私が敗れたときは、私もミモザもそれなりの罰を受けましょう。

 もし勝った場合は私たちの自由にさせて頂きたいのです。」


「アベルさま!」


 感極まった風に肩を抱かれたままアベルたんの目を見つめる。

 私の演技、こんなもんでどうでしょう?

 及第点というように強く見つめ返される。

 良かった !



「…そんなに見つめあって……分かった。決闘を受けよう。」


「明後日、学校の闘技場でどうでしょう?」


「分かった、受けて立つ。」


「では、これにて御前を失礼させて頂きます。」









 馬車に3人で乗り込むと、ずっともの言いたげだったシュタインさまが口を開く。


「やはり、お二人はそのようなご関係だったのですね…。」


「勘違いしないで頂きたい、シュタイン殿。

 これは僕と姉様の名誉の問題です。

 ですので、今日の午後から明日まで僕に稽古をつけて頂けませんか、シュタイン殿。」


「…おおせのままに。」


 もしかして、シュタインさま嫉妬してる!?

 メシウマです。


「あなたも練習につきあって下さいね。部屋は大体片付いているんでしょう?」


 推しの練習姿を見れるなんてのがしません!

 大きいものは返してしまったので夜片付ければ明後日に部屋は引き払える状態だ。


「はい!喜んで!!」


 少し渋い顔をして私の耳元にアベルたんが顔を寄せる。


(分かってるか?チャンスを作ってやったんだ。

 明後日までにシュタインと物への付与魔法を死ぬ気で習得するんだ。

 そして決闘ではオレにその付与魔法をかけろ。

 あのクソ王子、ボコボコにしてやる…)


(ひぃい、…善処します。)


 複雑そうな顔でコチラを見るシュタインさまに気付きつつも心の余裕が私にはない…



 あっという間に馬車は学園に着いた。

 動きやすい服装に着替えたあと練習場に集まることを約束して解散となった。



 何とか明後日までに魔法を習得しないと!

 アベルたんに殺されかねない!!!

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