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友達の秘密を守ろう!

評価、ブックマーク、いいね、ありがとうございます。

最初は何もつかなかったのですが、ここ一週間そういった反応をいただける事が増えました。

反応が分かるとモチベーションが上がりますね✨


誤字報告もありがとうございます。

初めて誤字報告の機能を使ったのですが、簡単に直せてびっくりしました。感謝です!



 いやぁ、実に充実したバケーションだった。


 聖女の力は初日に無事ゲットし、他の時間はえるるんと魔法の練習に費やした。

 えるるんは秀才らしく教えるのがうまい。

 感覚的な魔法の使い方のコツをうまく言葉にして伝えてくれるし、古い文献から聖魔法について調べて教えてくれたり、練習も単純な練習じゃなくて、楽しそうだから使ってみようと思う課題を考えてくれる。

 実に至れり尽せりだった。

 えるるんはやさしいし、居るだけで場が和む。

 おかげで食事も楽しく食べれたし、帰りの馬車はえるるんと一緒に乗ったから、来る時みたく余計な気疲れをしなくて済んだ。

 むしろ話題が豊富でおしゃべりしながら楽しく過ごせた。本当、神。


 帰りは侯爵家に先に寄ってえるるんを下ろした後、公爵家に向かう。

 馬車から降りると日は傾いていたけど、充実した気持ちを胸にるんるんした気持ちで部屋に向かおうとした。


「おい、待て」


「ぐえっ」


 女子にあるまじき声が出たけど仕方ない。

 アベルたんが私の服の襟を後ろから引っ張ったからだ。


「…ごほっ。…アベルたんひどくない?もっと普通に止めてよ!」


「…声を掛けたが、気づかないようだったからな。

 今にも踊り出しそうな足取りだったが、ピンクなのは髪だけにしろ。」


「…何か私にやたら当たり強くない?」


「まあ、お前は俺の気に触ることをしがちだからな。

 …で、何か俺に隠していることはないか?

 ミヒャエルと急に親しくなりすぎじゃないか?」


 ぎくっ。

 アベルたん鋭い…。でもえるるんの秘密は勝手に言うわけにいかないし…。


「えー…そうかなぁ?気のせいじゃない?」


「…お前、誤魔化したり適当にしようとするとき斜め上を見るくせがあるのに気づいてるか?」


「えっ?そうなの?」

 思わずまずいと思ってえるるんの顔をガン見する。


「…クセの話は嘘だが、お前わかりやすいな。やっぱり何か隠してるだろ?」


 うわーーーん、アベルたんつっこみが鋭どすぎる!


「…吐け。」


 今度は前の襟を掴まれて引き寄せられる。

 ほんと、どこのチンピラですかーー!?


「顔、顔、近いです!!」


「すぐ離してやるから吐け。」


「たっ、確かにアベルたんに隠してることはありますけど、友梨愛さんや聖女になる計画とは全く関係のないことです!

 私とえるるんの個人的な話になるので放っておいて下さい!

 プライバシーの侵害です!」


「あぁ?公爵家の世話になっておいてプライバシーもクソもないだろう?」


「うわーーーん」



「アベル、やめなさい。小春ちゃんが困っているでしょう?

 いつも紳士的なあなたらしくないわ。」


「友梨愛さん…」


 助かったー。ナイス友梨愛さん!


「でも小春ちゃん、大丈夫だと思うけど、計画に障りがあるような事は隠さないでちょうだいね。」


「はい!それは大丈夫です。私とえるるんの友情にしか関係のない話なので!」


「ですってアベル、大丈夫よ。部屋に戻してあげましょう。

 あと小春ちゃん、明日の9時に私の部屋の隣の応接室に来てもらえるかしら?」


「はい、分かりました。」


「約束ね。今日は午前中は魔法の練習をして午後は馬車に揺られてで疲れたでしょう?

 ゆっくり休んでちょうだい。」


「はい、ありがとうございます。ではまた明日友梨愛さん。」


「ええ、また明日ね。」


 えるるんも神だけど、友梨愛さんも神。アベルたんは見習ってほしいよ。


 友梨愛さんがいる隙にと思ってそそくさとその場を後にして部屋に向かう。










「アベル、あなた少しおかしいわよ。何をそんなにカリカリしているの?」


「…別に、ただ、彼女は世話を見ている公爵家よりもミヒャエル殿を優先するような言動をされるので癇に障るのです。」


「そんなことはないわ。ただ、アベルがそう感じるのであれば、それはきっと小春ちゃんではなく貴方の問題よ。」


「…姉様それは洞窟の中で言っていたことですか?それは考えすぎですよ。」


「そうかしら?…ではそう言うことにしておきましょう。

 あなたも疲れているでしょ。今日はゆっくり休みなさい。」


「…はい姉様。」









 たっぷり休養をとって体調も万全!

 約束の5分前だけど、ちょうどいいかな?と思って友梨愛さんの部屋の隣にある応接室に向かう。

 ここは友梨愛さん専用の応接室で、初めて公爵家に連れて来られた日に使った部屋だ。

 個人に応接室があるなんてさすが公爵家。


 繊細な彫刻の施されたドアをノックすると、中から返事がある。


 ドアを開けると見慣れた友梨愛さんとアベルたんの他に見慣れぬ長身の男性がいた。

 あれ?と思っているとその男性が振り向く。



 長身の鍛えられた肢体、漆黒の艶のある髪、切長の紫の瞳は強い光を湛えている。





「…しゅっ、しゅっ、シュタインさまーーーーーーーー!!!!」



 やばい、3Dの推しは尊い、破壊力がすごい、そして動いてる!

 この世界に転生させてくれた神に感謝!!


 叫んだあと固まってる私に、シュタイン様は眉をよせ訝しげにこちらに近寄る。

 あ、その表情も尊い。


「ミモザ嬢?どうされた?具合でも悪いのか?」


 そういって気遣わしげに至近距離で顔を覗き込んでくる。

 うわ…近い…美形まじ尊い。てか目が合ってる。


 顔に血が集まる感じがして目が回る。足元も覚束ない。

 やばい、もう無理かも。



 ばったーーんと景気の良い音と共に背中に衝撃がはしり、意識が遠のく。


 …我が人生に悔いはない。

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