救い
俺は憧れた
テレビの
漫画の
小説の
ヒーローに
強くて優しくて
誰かを救う存在
何故、自分がこんなにもヒーロー願望があるのか分からない。そんな事を、深く考えた事がなかった。それでも物心ついた頃には、俺は誰かを救いたいと願っていた。
いや、願っていたわけじゃない。
救わなければならないと、脅迫観念にも近い感覚があった。
だから、色々トラブルに首を突っ込んで来た。その最たる例が、今回の異世界への転移だろう。この世界に来てからも、随分とお節介を焼いてきた。
無茶をしようが、無理をしようが、心が叫ぶんだ。
"救ってくれ"
誰かが、俺に"救ってくれ"と叫ぶ。
誰を救えと?
俺は、その答えを持っていなかった。だから探したのかも知れない。目に映る全ての者を、絶望から救おうとした。
そして、俺は人の生きる道から外れた。
どうやら俺は、神というものに成ろうとしているらしい。言葉で聞いても、全くピンと来るものはなかったが、シェンラに言われた言葉に心が動揺しているのを感じた。
生きる時間が、限りなく永くなったという事は、元の世界の皆と同じ時間を俺は生きる事は出来ない。それならばいっそ、この世界で生きれば良いのではと考えなくもなかった。
それでもなお、俺は元の世界へと戻りたいと願う。
家族がいるから、友達がいるから、命を懸けて魔物と戦う必要もない世界だからと、理由は数え上げればキリがない
しかし、そんな想いを超えてただひたすらに、俺は"戻りたい"と願う。
しかし、俺の心を惹きつける存在がこの世界にいたのだ。
俺は、奴を許さない。
俺は、奴を滅ぼさねばならない。
そうだ、俺は奴を滅ぼすのだ。
その為の力を、欲したのだ。
神を殺し滅ぼす為に、俺はここに来たのだ。
我は、奴が奪ったものを全て奪う為に、此処に来たのだ。
我は、奴の……
こうして異世界から来た一人の男は、神へと至り、人としての自分を棄てようとしていた。
↓大事なお知らせがあるよ∠(`・ω・´)





