ハロウィン特別編
「「トリックオアトリート♪」」
学校の帰り道に知らない女子中学生2人組に声をかけられる。
「え?えーっと…ごめんなさい…私今お菓子持ってないです…」
私はハロウィンということを忘れていたので今はお菓子を持っていない。
「「じゃあお姉さん悪戯だねっ♪」」
身構えたけど、私はそのまま口元にハンカチを当てられて体の力が抜けていくのを感じる。
目が覚めた時、体が動かなかった。
ベッドのようなものに横にされているらしい。
まず、助けを呼ばなきゃ…!あれ!?声が出せない…!?
なにこれ、口に異物感がある…?それに吐き出そうとしてもテープで止められてる。
あとは、包帯みたいなので身体中ぐるぐる巻きにされちゃってる。
「んー!!」
試しに声出してみたけど、口のテープは剥がれそうにないかも…
「あ、おきたー?」
あっ、声出したから気づかれちゃった…
「「ハッピーハロウィーンっ♪」」
やっぱりさっきの2人組の仕業だったんだ…そんな場合じゃないけど、ハロウィンのドレスよく似合ってて可愛いな…///
片方は元気そうな感じだけどもう1人は少しおとなしめ…ふわっとしてそうかも?
こんな悪戯コンビどこかにいたかも…
「ハロウィンの日はお菓子持ってないと悪戯されちゃうんだよー?」
「ハロウィンの日はお菓子あげないと悪戯されても文句言ったらだめなんだよー?」
うぅ…ハロウィンのことすっかり忘れてた…こう言われると納得…してしまう気持ちが少し起きちゃうよね…
「んんんー!」
何とか外してもらおうと思って声を出してみる。
「だめだめっ、外してあげないよー!だってこれからお姉さんは悪戯されるんだもんっ!」
「お菓子くれなかったから悪戯しちゃうんだからぁー!それから、わたしたちは魔女で、お姉ちゃんはミイラさんだからねっ!」
「もうみたと思うけど、お姉さんの身体は包帯でぐるぐる巻きのミイラになっちゃったのー!」
確かに口まで包帯で巻かれてる感覚はある。
逆に口から上は何もされてない…はず。見えないけど変な感じは特にない。
それにしてもよく喋る2人だなぁ…なんか頭ぼーっとしてきちゃった…
私がミイラならこのままぼーっとしててもいいよね…?
「あ、お姉ちゃんぼーっとしてるでしょー!せっかく可愛いドレス着たんだからちゃんと見てー?」
うん、確かに可愛いのはわかる…けど私今喋れないし、そもそも知らない子だし、どうしたらいいのよ…
「それじゃお姉さん暇そうだし、悪戯始めちゃおー!」
「まずはこれを首に付けてねー。」
あ、これ硬い…首全然動かせなくなっちゃった…そんな逃げる気もないけど、そこまでする…?
「これで逃げられなくなっちゃったね♪」
「これからの悪戯覚悟してね、お姉ちゃん♪」
あぅ…///急に両耳から囁かれたらゾクッとしちゃう…
「最初はー…お姉さんの可愛い顔に落書きしちゃいまーす!」
「わたしが鏡持っててあげるから見ててね?」
油性マジックの独特な匂いがする…って油性はだめっ!落ちないし、その顔で外歩きたくないっ!!
「んー!!んー!!!」
「はーい♪ミイラさんは大人しく書かれるのを見ててねー♪ほら、鏡で見て、恥ずかしいと思ったところがだんだん気になってきちゃうの…そう、すごく恥ずかしく感じちゃう。隠しちゃいたいくらい恥ずかしくなっちゃうの。」
耳元で喋るのやめて…///頭がふわっとしちゃう…
顔にペン先が当たる感覚がして吸い込まれるように鏡を見る。
「〜♪」
すごい楽しそうに書くのね…。おでこにミイラって書かれて、それから眉毛つなげられて…あれ…////
待って、なんかすごい、恥ずかし…学校で前書かれた時もここまでならなかったのに///み…見たくないけど、なんか鏡に目が行っちゃって…つなげられた眉毛、塗られた鼻の縁、書かれた鼻毛、ほっぺに書かれたカボチャを見ちゃうぅ。
あぅ…恥ずかしすぎて顔から火がでちゃいそう…///
「わぁ、お姉さん顔赤くなってるしあっついよー!そんなに恥ずかしいんだ?悪戯のしがいがあるねっ♪」
「んー!」
言わないで…!書かれたら恥ずかしいけど…いつもより…なんで…!?それに、恥ずかしいのに何回も鏡見ちゃう…///
「ふふふっ♪お姉ちゃん効いてるねー♪普通よりずっと恥ずかしくなってるんでしょー!なんでだろうねー?」
「じゃあ次はこのアクリル板で遊んであげるねっ!鼻が潰れてー、まぶたも巻き込んでー…きゃははっ!すっごい顔!さらに引っ張ってー♪」
うー、顔が…潰れる…鼻痛いし、引っ張られるぅ…
「お姉ちゃんの可愛いお顔が台無しだねー♪恥ずかしいねー♪ほらほら、ちゃんと鏡見て自分のお顔がどうなってるか見なきゃね?」
また耳元で声がする…と思うと、次の瞬間には鏡に目が吸い込まれていってしまう。
うぅ…私の鼻の穴…こんなにおっきく…///
も、もうやだ、恥ずかしすぎて見たくないよぉ…
「お姉ちゃんだめだよー!まばたき以外は目瞑るの禁止だよっ。」
また耳元で声がすると意思に反して目が開いてしまう。
いやぁ…もう見たくないのぉ…
「んー…」
落書きされた上の変顔で涙目で訴える。
「お姉ちゃんもう限界っぽいし、写真撮ったら終わりにしてあげよっか!スマホとってくるねー!」
うぅ、ようやく鏡から解放された…けど…これ油性なんだよね…。終わりってことはとりあえず解放してくれるのかな…
「はい、お姉さん写真とるよー!」
私は黙って写真を撮られる。というか、何もできないし…
「お姉ちゃんができないからピースだけ入れておいたよっ!ほら、これでお姉ちゃんがピースしたみたいになってるー♪」
この子、さりげなくえげつないことするよね…ふわっとした雰囲気なのに…
それに、さっきのまるで呪文みたいだった…言われたらその通りになっちゃって…うぅ///
つい思い出して恥ずかしさが返ってきちゃう…
そんな事を考えていると…あれ?2人がいなくなってる…?
奥から足音がしてそっちをみる。
「お待たせー!お姉さんにお菓子あげるねっ!」
「うんうん!すっごく美味しいんだよー!」
えっと…私食べられないの知ってるよね…?
そろそろこのテープ剥がしてほしいんだけど…
「そぉーれ!!ハッピーハロウィーン♪」
私の顔よりも大きいオレンジ色をしたパイが向かってくる。
え?ちょ、ちょっと!大きすぎるし、クリーム多い…!
「えへへへー!お姉さんの顔ぐっちゃぐちゃだねー♪」
すごい押しつけられてる…!もうなんかよくわかんないけど、息が…!鼻にクリーム詰まって…!ど、どうし…よ……う……
「あ、朝…かぁ…今日って10月31日…?」
目が覚めて大きく深呼吸する。
「まだちょっとドキドキしてる…かも///でも、夢でよかったぁ…」
夢の内容を思い出して顔が熱くなる。
「お菓子…持ってこ…///」
そう決意して布団から出る春佳だった。




