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自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!~平穏に過ごしたいだけなのに、周りが放っておいてくれません~  作者: ゆずこしょう
長期休暇はノヴァ辺境伯領で。

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11/14

レナード様はヘタレ王子ですね。

この国では一年に一か月ほど気温が上昇する季節がある。その間は皆、避暑地へ移動してゆっくり休んだりする期間になっている。学院もこの期間は休みになる。


今日もビアンカと一緒に美術室でお昼を食べていると、来月から始まる長期休暇の話になった。


「アナは長期休暇中どうするの?」


「私は辺境伯領に帰省するくらいかしら。辺境伯領は結構涼しいし、過ごしやすいのよね。ビアンカは?」


「私はまだ何も決まっていないわ。でも最近レナード様とお手紙のやり取りをしているし、できればどこかでレナード様と一緒にお出かけでもできればいいと思っているんだけれど……私からは誘いにくいから、誘ってくれるのを待っているの」


ビアンカが顔を赤くしながら話している姿が、とても女の子らしくて可愛かった。


「ビアンカも、もしよかったら一緒に辺境伯領へ遊びに来ない? きっとヘレナも来ると思うわ」


ヘレナは昔から長期休暇中、辺境伯領へ来ることが多かった。ちなみにヘレナの家は侯爵家で、私のお母様の妹の娘だ。同い年ということもあり、昔から仲が良かった。


「私が行ってもいいのかしら」


「全然! むしろビアンカが来てくれたら、とても楽しい長期休暇になりそうだわ! それに広大な土地が多いから、遠乗りにもってこいなのよ。それに、近くに海もあるから魚料理がとても美味しいの」


辺境伯領ということもあり、街が大きいわけではないけど、海や山など広大な土地がある。それに隣国からの行商人も多いので、街自体は結構賑わっているのだ。


「予定では三週間くらい行く予定なの。片道二日かかるから、向こうにいるのは二週間くらいね。長期休暇中の中日には収穫祭というお祭りが三日間行われるの。その年の収穫がよくなるように行われるお祭りなんだけど、とても楽しめると思うわ」


私は領地のおすすめポイントをたくさん伝える。


「無理にとは言わないけれど……少し考えてみて?」


「へぇ、面白そうじゃないか……」


ビアンカと二人で話していると、頭の上から声が聞こえる。


「えぇ、とても面白いわ!」


振り返ると、デューク先輩とレナード先輩が立っていた。


「デューク先輩とレナード先輩じゃないですか。最近あまりいらっしゃらなかったので、ついついビアンカと盛り上がってしまいました。今日は何か用事でも?」


お茶会以降、デューク先輩とお会いする機会がなかったので、何かあったのかと思っていたけれど、そうではなかったようで良かった。


「ビアンカはまだ迷っているようだけど、もしよかったら私たちも辺境伯領へ行ってもいいかい? と、言っても公務があるから一週間くらいしかいられないと思うんだが……」


レナード先輩は口に出さないけれど、恐らくデューク先輩に言ってもらうよう頼んだんだろう……。なかなか自分から口に出せなそうな人だし。


「えぇ、アレク兄様とアラン兄様もいますし、デューク様にお会いできるのを嬉しく思うと思いますわ。レナード様とビアンカはどうしますか?」


ビアンカには前もってデューク様が親戚だったことを話していた。恐らくレナード様も知っているのだろう。特に驚く様子もなく、


「俺も行こうかな」


と言っていた。


「折角ですし、収穫祭の時期に来ていただけると楽しいかもしれません。部屋はうちの実家に用意しておきますね。それなりの部屋数もありますし、足りると思います。来る日にちなど決まったら教えてくださいませ」


レナード様の隣へ行き、


「ビアンカはご自身で誘ってください」


と、こっそり伝えたら、レナード様は耳を赤くして頷いていた。


***


ビアンカ視点


運動祭後から、レナード様と文通を始めた。


と言っても、そんな堅苦しいものではなく、お互いの近況報告などをするくらいだ。


今まで異性の方と手紙のやり取りなんてしたことがなかったから、初めは緊張したけれど、今は楽しく文通をしている。


レナード様はこの国の第二王子で、銀髪に薄いピンク色の瞳をしている。


そしてかなり顔が整っていて、この国の女性達がいつも狙っていた。


パーティー会場などで何度か見かけたことはあったけど、近寄りがたかったため話すことはなかった。


それが運動祭後からは毎日のようにやり取りをしている。


そしてつい最近、遠乗りに出かけないかというお誘いをいただいた。


乗馬が趣味の私としては、とても嬉しいお誘いだった。


しかし、なかなかお互い時間が取れず、遠乗りに行くことができていなかった。


レナード様は第二王子で公務もある身だし、仕方ないのかなとも思うけれど、楽しみにしていた分少し寂しかった。


それでも毎日文通をすることで寂しさを紛らわせることができている。


最近は、ちょっとしたことで幸せを感じられるのが嬉しかった。


来月からの長期休暇はまだ何をするかも決まっておらず、家族で出かけるかどうかも分からない状態だったため、アナからのお誘いがとても嬉しかった。


でも、もしその間にレナード様が遠乗りに出かけようと言ったらどうしようと思ってしまい、なかなか返事ができなかった……


「レナード様との遠乗り、すごく楽しみにしていたのね」


思っていた以上に、自分自身がレナード様と出かけることを楽しみにしていたことにびっくりした。


あと長期休暇まで一週間を切った頃、レナード様から話があると一通の手紙が届いた。


そこには、


「休みが取れたので、一緒にアナの実家がある辺境伯領へ行って、遠乗りと収穫祭に行かないか」


というお誘いだった。


私は嬉しくなって、すぐ返事を書いた。


「是非! 楽しみにしています」


と……


アナにも、長期休暇は一緒に行きたいことを伝えた。


長期休暇まで残り一週間ほど。


今から楽しみで仕方がない。

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