12.3つの作戦
付箋は、一度書くと追記することも消すこともできない。チャンスは3回だが、一度でいいから1等が当たれば十分。二度も三度も当たらなくて良い。
だから、残り3枚で勝負をかけるため、3つの案を考えた。
第1案。予想した数字で自分が買うと当たらないから他人が買う。例えば両親に買ってもらう。両親にその理由を説明するのが難しいが。
第2案。付箋に42個の数字を書いて、残り8個の数字で購入する。書いた数字が当たらないなら、書いていない数字がきっと当たるはず。
第3案。他人から斬新なアイデアを募る。「もしもこういう付箋があったら、どうする?」という問いかけをSNSで行い、良さそうな案を採用して実行する。
案をざっと点検したカナ子は、苦肉の策の第3案を笑って削除する。「他力本願すんな」「自分で考えろ、ボケ」とリプライが来ること間違いなしだからだ。
そうして考えた第3案は第1案の変形だった。
第3案。他人に数字を予想して書いてもらい、それを自分が買う。他人は買っても当たらないが、自分が買えば当たるかも知れない。あとで賞金を折半になるが。
カナ子は、しばらく考えた後で、先に第2案を試すことにした。なんとなく、その案の方が当たる気がしたからだ。