兄の面目?そんなのは僕にない
僕は、土下座をしたままでいる。
何度土下座をすればいいんだと考えた事かここ最近、しかし男には、せねばならぬ時があると言い聞かせた。
僕が土下座をしていると茜は、何か考えているのか黙ったままだ。
何を言い出すんだと僕が思い始めた頃、茜が口を開いた。
「じゃあ聡にいが何でも1つ言うことを聞いてくれるなら黙っていてもいいよ?」
「……それは、内容にもよるけど、そんな事で良いのなら」
僕がそう言った瞬間、茜がニヤッとした。
茜は突拍子も無いことを言い出すから不安はあるが、ここは僕が下なのでしょうがない、しょうがないったらしょうがないと言い聞かせる。
「それじゃあ、ここの合鍵頂戴! そしたら家に居たくない時とか何時でもここに来られるし」
そして、テヘッと笑う茜に悪魔めと思ったり思わなかったり。
茜がここに? もし入り浸り出したら僕が溜まったものじゃない。
「合鍵は僕が忘れたりとかしたら大変だから流石に上げられないよ?」
これで諦めてね? みたいな感じで言ったので諦めてくれるだろうと思ったよ?
次に茜が口に出す言葉を聞くまでは。
「何言ってるの聡にいは、明日は土曜日だよ? 休みだよ? 合鍵は増やせるんだよ? 知らないの? やっぱりダメにいだね」
今日は一体全体僕は、何度絶句をさせられるのだろう。
僕は、空いた口が塞がらないとは、この事なのかと思った。
「と、言うわけだから明日は、一緒に合鍵を作りに行こうね? 分かった? ダメにいに拒否権があると思わないでよ?」
「いやいやいやいや、お母さん達には渡してるしそれじゃダメなの!?」
「お母さん達が私に貸してくれないからだよ!? バカじゃないの? 考えたら分かるでしょ? じゃなきゃ言わないし。それに私は、家に居たくない時って言ったよね!? そんな時に鍵貸してとか言える訳無いでしょ! これだから聡にいはバカって言われるんだよ!!」
僕が何とか言葉を出すも、茜が怒ったかの様に捲し立てて言ってくる。しかし、ここで負けては快適な一人暮らしライフが潰れかねない。
「そうだ、お金がギリギリかもしれないから作りに行けないんだよ」
「ここの家がそんな難しい鍵の作りをしてる分けないじゃん。そんなに高くないはずだよね?」
そうなのだ。実際は1000円もかからず作れたりもした。
親と作りに行ったので知ってるけど、これでも諦めそうに無いので悩む僕に茜が追い討ちをかけるように言ってきた。
「ちょっとぐらいなら私もお小遣い出すから決定ね? もう異論は認めません。 早く買ってきたお菓子食べよ」
「いや、ちょっ」
「何? 私は異論は認めないって何も聞かないって言ったよね? 何か電話したくなってきたなあ」
「違うんだ! うん! 早くお菓子を食べようと言おうとしたんだよ僕」
僕は、小さくため息をつき買ってきたお菓子を渡した。
これで悠々自適な一人暮らしが消えた瞬間だ。幼馴染ぐらい茜が我儘になって来たとは。
そして、茜は「それなら良いんだけど」といい渡されたお菓子の袋を開けポリポリとチョコのお菓子を食べながらテレビを見始めた。
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それから茜と下らない話をしたりした時間を過ごした。
本当に大人しかったら可愛い妹何だよね? 普段からこんな感じだと良いんだけどと思ったりもした。
「聡にい今日の晩御飯は何を作るの? ピザとお寿司じゃ無いんだよね」
「決まってるでしょ? 勿論牛丼だよ?」
何でこんなに茜はピザとお寿司が食べたいんだ。
作れたら作るかも知れないが、いやめんどくさくて結局は作らないだろうけど。
「何でそんなにピザとお寿司を食べたいんだよ」
「聡にいが初めて女の子を家に連れ込んだ記念日だから?」
何気なく聞いた僕の言葉にとんでもない事を言い出した。
ラノベとかアニメなら何かを吹き出すところだがそんな事はならない現実。
「何を言ってるの? 牛丼でいいよね」とだけ苦笑いしながら言い残し料理を始めた。
妹は、その間ゲームをしながらか「強すぎでしょ! どうやって倒すのよ」と叫びながらしていた。
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そのあとは何事も無く夕食も終わり、お風呂に入った後に気づく、僕の家はワンルームなのだと。
間取りは玄関上がるとトイレとお風呂があり、その前にキッチンがある。そこにある扉を開くと部屋だ。
二人で寝るには狭すぎるベッドがあるが茜が使うだろうと思い悩む。
「聡にい何してるの? 早く寝よー」
「ちょっ、待って一緒に寝るの? 兄妹だけど流石にそれは」
「聡にいが変なことを出来るわけないから大丈夫だよ! だから早くして眠い」
これ以上何か言ったらまだ色々言われそうな気がするのでベッドに入る事にする。
茜とこうやって寝るのも久しぶりだけど、年頃なのにいいのかと色々考えつつも、疲れていたのか横になると直ぐに睡魔が来て微睡みの中へそして懐かしい夢を見ることに。
これを読んでくれてる皆様いつもありがとうございます。
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