言い返したくても
メールの返信をしてスマホの電源を落とした僕は、溜息をだしつつのんびりと体を起こした。
え?電源を切る必要ない? あるよ!?
絶対に鬼のように電話がかかって来るはずだし起きたてでそんなの聞きたくないよね?
正直めんどくさいし…
僕は、それから朝食を作ることにした。
昨日夜、電話を待ちながらお米を炊いている。
後は目玉焼きを作りご飯に乗せるだけだ。
「出来た! 目玉焼きかけごはん!」
僕は、これに納豆とメカブをかけるのも好きだったりする。美味しいよね?
僕は、それからご飯をかきこむように食べ学校へ行く準備をのんびりとし、ある事を決め家を出ることにする。
「今日とゆう今日は絶対に言い返そう。 僕は、アイツから逃げるために来たのにこれじゃ一緒だ」
のんびりと登校し、時刻はいつもよりちょっと遅くなったぐらいの時間。
教室に入ると浅田さんは来ているようで机の上に荷物が置いてあった。
絶対に言い返す絶対に言い返すとそう心で呟き僕も机の上に荷物を置いて屋上に向かった。
屋上に続く階段を上りドアを少し開いて見ると腕を組んで仁王立ちしてる浅田さんがいた。
絶対に言い返すんだぞ僕は! 負けるな僕!
そして僕は、ドアを開け屋上に入って行く。
「本当に申し訳ございませんでした」
僕は、走って浅田さんの元に行き即座に綺麗な土下座をして見せた。
「それで?」
「全て僕が悪いです! それにしてもずっと屋上に居たんですか!? 大丈夫ですか!?」
頭とは付けないよ? 何言われるか分かったもんじゃないからね!
このぐらいは、言わせてもらってもね?
「何が悪いか教えて貰おうかしら!? 何がずっといて大丈夫ですかよ!? 私の事をバカにしてるわね!?」
「ひっ、そんなことは無いです! 電話に出られなくて遅刻もして本当に悪いと! バカにする訳がないです!」
頭を付けなくてもこうなるんだね?皆も気をつけようね?
「早くしなさいダイビング土下座」
「……」
何!?ダイビング土下座って!?初めて聞いたよ!?
そんな恐ろしい事を出来るわけないじゃん!
「何黙ってるの? あんたは私に従う権利しかまだ上げてないの、分かる?」
「ひっ、本当にすみません! 何でも、何でもしますから」
誰なのこんな人に絶対に言い返すとか言った馬鹿な人は!! 怖すぎるよ!?雰囲気がヤバすぎるよ、鬼以上とはこの事だよ!?
「あんたさ、何でもするって言ってて私が言った事を何かした? してないわよね?」
「今1度チャンスを! 僕にもできない事だってあるんです」
「じゃあダイビング土下座は大丈夫よね? そこからダイビングして土下座するだけ、ね?」
ね?じゃないよ僕が散っちゃうよ!?
「お願いします!本当にお願いします。 パンツだってわざと見たわけじゃ無いんだし…」
「それはもう忘れなさいよバカっ! 冗談よ、ダイビング土下座何て誰が見たいのよ! 他にちゃんと考えてあるわよ!」
最初からそっちを言って欲しいよ…
浅田さんの場合怒っていたら本当に冗談に聞こえ無いんだから。
「私ね?水口君の事が好きでしょ? 協力しなさい」
好きでしょって言われても僕は、知らないよ!?
何でそれを僕に言うの!?謎すぎるんだけど!?
「そうなの…? それでどうすれば?」
「必ず付き合える様にしなさい! あんたに拒否権はもちろん無いわよ?」
意味が分からない…自分から話しかけて仲良くなればいいだけなのに何でしないんだろう?
「僕には無理だよ? 浅田さんならお似合いだし直ぐにいい返事貰えると思うよ? それに普通に話しかければいいんじゃないの?」
「でも100%じゃないでしょ? 話かけたわよ! 緊張して喋られなかったの!文句ある!? 」
そんな事を僕に言われても…
僕にはどうしようも無いと思うんだけどなあ…
「取り敢えずあんたが仲良くなりなさい! そして私もそこに入るみたいな感じが理想」
「手のひらに人って文字を書いて飲み込むときん…」
「あんた本当に馬鹿じゃないの!? 水口君の前で出来るわけないでしょ!? むしろ人前でしたくないわよ!!」
最後まで言わせて欲しかったなあ…
こんなめんどくさそうな事に巻き込まれるなんて、はあ…
「分かったわね!? 必ずよ!? 次は本当にジャンピング土下座はさせるから!」
そう言い残して浅田さんは屋上から出て行き教室に戻った。
ジャンピング土下座かあ、ダイビング土下座と何が違うのかな?同じ屋上からさせられるのに…




