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幕間 シグリートは何か間違えている

見に来ていただきありがとうございます!

シグリート王子は基本モテモテだ。


大人から子供から銀髪に青い瞳の容姿を、幼少よりをほめそやされてきた。血筋から来る立ち姿は気品に満ちているらしいし、ちょっと字を書けば誉めちぎられ、魔法の才能が見えると天才と絶賛された。


女の子も大きいのから小さいのから、「綺麗だ」「かわいい」だとよく寄ってきた。ただ、姉や妹も沢山いたため、女の子とやらは「男の子はもう~」と普段は上から目線なのに、ちょっときつくいうとビービー泣くのがちょっと苦手だった。


ともあれ、シグリート王子は女の子は基本僕の事を好きであるという認識で育ち、五歳の頃には「俺様最高」的な受け答えが確立されてしまっていた。


大人は特に有力な王子であるということで、色々下心補正を持ってシグリートに近づいているのだが、その辺の裏は子供だから読めない。






一応、母君のヒルダ妃はあまり傲慢な態度をとらないように、注意してきたが途中で止めた。


下手に子供のシグリートが賢く振る舞うより、馬鹿で傲慢な子供に見えた方が、警戒されないと踏んだからだ。ただ、馬鹿すぎると扱い安い神輿にも見えるので、余計な画策をされても困る。そのため、一点だけ王位や将来について話が出たら、条件反射で返事するように刷り込んだ。


「僕は大きくなったら兄上にお仕えするのです。兄上は優しくて素晴らしい人なので、僕がお支えするのです。」


どんなに褒め称えられても、持ち上げられても。絶対にシグリートが王位を望んでいるとか、王位に自分もつけるとかは口にしてはいけないと。


死にたくなければ(・・・・・・・・)。


他にはどんなに誉められても、勧められても知り合いでも食べ物をもらってはいけないと教えている。食べ物関連に関しては毒殺未遂が分かっているだけで、5回はあるので住んでいる宮でも食べ物やお菓子の扱いは非常に厳しく制限している。それは従者や侍女にも徹底させていた。


あとは、ヒルダ妃は勉強や剣の練習を真面目にし、従者さえつけて行動すれば基本的に制限はしなかった。






ヒルダ妃からお馬鹿で傲慢に見えた息子、シグリートは寄ってくる令嬢や貴族に対しては、自分では『誠意』を持って対応しているつもりだった。相手の希望を叶えているのだから。


例えば貴族が「うちのパーティーにいらしてください。」と誘えば、「来て欲しいなら行ってやっても良い。」と返す。


「一緒にお庭でお花を観ましょう」と可愛い令嬢が誘えば、「それが希望なら一緒に行ってやっても良い。」といった感じだ。


素直に「いいよ~」と言えばすむことが、どこか恥ずかしかったのはある。だが、その対応で相手が喜んでくれて、話が進んで行くので、受け答えとして別に悪くないと思っていたのだ。


たまにそういうツンデレ風が好みだという、令嬢もいたかもしれないが。基本『有力な王子』とつながりを持ちたいという相手の希望が、忍耐と許容につながっていたに過ぎない。






「僕はアリスティール嬢が望むなら、婚約してやってもいい。」


シグリートとしては一大決心だったセリフ。


「権力や脅しで膝枕させたり引き留めたり、その上、上から目線で婚約してやってもいいって、貴方何様ですか?このままだと、シグリート殿下を嫌いになるので出来たら帰らせてください。」


栗色の髪に銀鼠色の瞳の少女は、いたくお冠でぶちギレてしまった。

(シグリートが記憶していたセリフです、彼にはわからない単語とかがあったので、その部分は記憶からカットされています。)


以前から、自分の発言に冷ややかな視線をよこし、踏み潰すような対応を、するアリスティール嬢だったので、もしかしたらずっと不快だったのかもしれない。自分は彼女相手に、脅したり命令したりしたいわけじゃないのだ。


今までは一緒に遊びたいと言えば、家をあげて喜んでくれる令嬢ばかりだった。さすがに、膝枕はなかったが手とかつなぐとかも、相手に拒否られたことはない。


アリスティール嬢にきまぐれで膝枕をしてもらったのが、妙に落ち着いて気にいってしまった。毎回自分としては『お願いしたつもり』だった。母のヒルダはかなり厳しい人で、王子としての教育が優先の人で、物心ついてから膝枕などしてもらった記憶はなかった。下手に甘えると叱責が来ていたからもある。だから、人の膝があんなに落ち着くと思わなかったのだ。一応男女はあまり接触しないものという常識はあったが、まだ子供同士だしいいかなと思ったのだ。


しかし、アリスティール嬢は怒ってしまった。


だが、自分が何を間違えたのかがよくわからない。間違い箇所がよくわからないので、人に何が間違ってたかを聞くにも難しい。あと、自分が間違えていたと、認めるのはプライド的にも無理だった。


とりあえず、ご飯を食べて元気になろう。自分が元気になれば、アリスティールはノクターヌ領に来てもいいと言ってくれた。その時本人と話せばわかるかもしれない。


もしかしたら、単に膝枕が嫌だったとか、照れていたというだけかもしれない。


とりあえず、最近シグリートはヒルダが色々と話すことが増えて、気持ちが楽になった面もある。さらに、ノクターヌ領に遊びに行くという目標を持ち、心や生活を建て直していった。

読んでいただきありがとうございました。


5月7日火曜日から毎日更新に戻せるようがんばります。よろしくお願いいたします。


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