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幕間 ギースの幼なじみ

見に来てていただきありがとうございます。


平成も終わりなんですね。

 ギース=アリアストにとっての幼馴染、アリスティール=ノクターヌは特別な存在だ。


 そう書くと幼いかわいい恋の物語を想像する人は多いだろう。それとはちょっと違う。


 親が子供をしかる時に「片付けないとおもちゃ捨てるよ」のごとく、アリアスト家で定番化していた脅し文句、『妖精の坑道に捨てるぞ』。それが、実行されない事に効き目が薄くなったため、本気で妖精の坑道に4歳の時放り込まれたことがある。いたずらが過ぎて、取り替えっ子疑惑が本格化したせいもある。


 段差もあるし、分岐も多く迷えば地上に出られず息絶えることもある、足元に突然現れる底の見えない深い崖もある。4歳の子を一人で放り込めは、普通は死ぬような場所である。だが、親はある意味ギースに絶大な信頼を寄せていた。


『この子は少々じゃ死なないし、こりない』


 もしかしたら、本当に妖精の取り替えっ子であれば、引き取って欲しいと思われたのかもしれない。代わりに普通の子が欲しいとは、よく嘆かれていたからだ。されたことの意味を理解したのは2年近く経ってからだが、実質ギースは親から一度捨てられたのだ。


 普通の子ならパニックを起こして泣くんだろう、親から離れて暗い坑道に放り出されたら。だが、その時は捨てられたなんて思いもしてなかったし、坑道は作業する妖精たちのために魔力の明かりが灯っていて、真の闇ではなかったので、かくれんぼをしている気分で上機嫌だったのを覚えている。


 一応、ギースの親も『絶対死んでしまえ』とう鬼ではないので、そこを管理する妖精にちょっと気をつけて見て、できれば大きな怪我をさせないで欲しいと頼んでいたらしい。


 安全でもない薄暗い坑道で、何をするかわからない小さな子供を見守れというのが無茶だったので、妖精たちは子供を捕まえることにした。檻の中に入れて見守るのも、見守ったという約束のうちに入る。


 子供の安全に配慮したその判断がギースにとっては楽しい鬼ごっこの始まりに、妖精たちには悪夢のような時間の始まりとなった。


 アリアスト子爵家の妖精の坑道は魔法を吸収し、貯めておける魔石になる特殊な鉱石がとれ、他にも希少なミスリルと呼ばれる銀に似た金属の原石や水晶がとれた。魔石の原石は決まった色や特徴が無く、ミスリル銀はほとんど見つからないため、人間の坑夫ではまず見つからない。


 何代か前のアリアスト子爵が、きまぐれで保護したドワーフたちが堀り当てた坑道である。それだけ貴重な坑道なので、その場所はドワーフの存在と共にアリアスト家では秘密の秘密。


 アリアスト家が領地経営に力を入れずとも、下手な伯爵より裕福な理由となっていた。


 そのような性質の石がある坑道は不思議な魔力で満ちていて、家に帰ることも含め、ギースのお気に入りの魔法でもいつも通りにはならなかった。だが、見える範囲ならなんとかなった。


 ギースにとっては楽しい時間だった。背丈が少し自分より高い、老け顔の友達が沢山遊んでくれたからだ。


 ギースがちょっと動くとあわてて追いかけてきて、二人でごっつんこしたり、地下湖にみんなでダイブして泳いだり、高いところから落ちた友達の甲高い声が響き渡るのも面白かった。


 皆すごく楽しんでくれているし、僕もすごい楽しい!


 ギースの能力や頭脳が平均よりいいせいもあるが、何よりこの自分が楽しければみんな楽しいと信じる性質が『取り替えっ子(チェンジリング)』疑いをかけられた由縁である。


 追いかけっこは二時間余り続いた。


 追いかけっこが終わった直後、子爵家の秘密の部屋で魔方陣が輝き、当主の部屋の鈴がドワーフの来訪を告げた。


 いつも来る長老ドワーフの後ろに、服はボロボロで水に濡れたドワーフ二人が、遊び疲れて眠っているギースを抱えている。


 ギースは服こそ生乾きなものの、傷一つない。


「わが一族の朋友、アリアスト子爵夫妻よ。この子は人間だ。というか、妖精はいたずら好きとよく言われるが、こんなにひどいのは絶対妖精にはいない!水だろうが火だろうが、風だろうが!」


老ドワーフの声は怒りに満ちている。


「だから、妖精ではないかと疑う必要はないから、安心するといい。いや妖精の名誉に関わるから断固否定する」


 疲れきった長老ドワーフが、ギース『取り替えっ子』疑惑を断固否定する。


 押し付けられたら困る、という気持ちがありありと伝わってきた。


「うちの子って絶対懲りてないよね・・・まさか、さらに悪化?」

「ドワーフに坑道で勝てるって、うちの子ってもしかして天才とかなんだろうか・・」


「妖精の坑道に捨てるぞ」という脅し文句が使えなくなって嘆くデライラ婦人と、一周回って突き抜けてギース天才説に逃げる子爵と。


「もう、絶対(ずぇっったい)連れて来ないでくれ」


 心底嫌そうなドワーフたちの思惑をよそに、転移魔方陣を抜ければ楽しい遊び場と、友達が待っていると知ってしまったギースが、度々妖精(ドワーフ)のところに遊びに行くことになる。


 様々な話を聞いたり、プレゼント(?)をもらってくるのはまた別の話。


 伝家の宝刀の叱り言葉「妖精の坑道に捨てるぞ」が、使えなくなったデライラ婦人は路線を変えた。こんな性格だと、王宮に仕官(みやづかえ)は、下手したら子爵家が潰れるくらいヤバい気がすると考えたからだ。


 だから、ギースの婚活を四歳から始めた。本人にも仲良くするように言い含めつつ、ギース自体も余所の女の子には幾分猫を被るようにも見えたからだ。


 ターゲットはいくつかの失敗を経て、同期生夫妻のノクターヌ伯爵家に定まった。アリスティール嬢は大人しいながらも、嫌な時は嫌とギースを拒否し、なお二人仲良くもあったからだ。


 ただ、その関係はある事件から変化する。


 アリスティール嬢が生死をさ迷った後、何故かギースの金魚のふんと化した。子分が出来たことで、ギースの調子のり加減は最高に高まったのだ。


 だが、それがさらに一転する。アリスティールが調子に乗ったギースの失敗を、フォローしたのだ。怒って押さえつけるのではなく、ギースが楽しく面白い形で。


 こういう奴になら、一緒にいてもいいかな、面白いし。


 ギースが自分以外の子供に、初めて認める瞬間が訪れ、何かというと気になるようになった。ギースにとっていないと寂しいような、アリスティールはちょっと特別な存在になった。


普通のスペースじゃ、段落入らないなと思ってたら、やっと段落入れ方わかりました(今頃かい?)

無線LAN使えない環境にいるので、速度制限が厳しいです。


GW仕事の皆様お疲れ様です。

お休みの皆様もお疲れ様です!

後半私は半分仕事です(^^


皆様良いGW後半を~♪



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