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61 終わりと着信

途中で視点が変わります。

 兄さん達を見失った私達は、まだ立ち尽くしていた。

 見失うことがあるなんてね。


「お兄さん達、見失っちゃったね。 ごめんね、目を離しちゃって」


「私も同じだし、謝ることないよ。 それに言い出したのは私なのに、私が目を離しちゃったらいけないよね」


「今からでも探す? まだ近くにいると思うけど」


 歩くスピードを考えると、まだ近くにいるのはわかるが、そこまでして、磨北まきたくんに迷惑をかけたくはない。


「いや、大丈夫。 見た感じ良い雰囲気だったし、あとは帰ってから問い詰めるよ」


「じゃあ、どうしよっか? 特にすることもなくなっちゃったけど‥‥」


「もう少し、どこか見て回らない? ちょっとぶらっとしたい気分なんだ」


 ここで、帰らせてしまったら、磨北まきたくんを誘った意味がなくなってしまうではないか。

 第二の目的である、磨北まきたくんと仲良くなるためなのだから!

 まぁ、何処にいくとかは全然決まってないけど‥‥。


「じゃあ少し、本屋に寄っていいかな? ちょっと見たいものがあるから」


「うん、いいよ」


 あまり思い付かなかったので、提案はとてもありがたい!

 私も本好きだしね。




 ◇◆◇◆◇◆




 その後、私と磨北まきたくんは色んなところに行った。


 本屋に着いた後、自分の好きな本があったりすると、お互いに見せあったり。

 近くにあったボウリング場でボウリングをしたり、ゲームセンターで遊んだり、ウィンドウショッピングをしたりと、なんだかいつも以上に張り切って遊んでいた。


 ここまで遊ぶと、当初の目的だった尾行ってなんだったんだっていう気持ちになってくるね。



 これだけ遊んでいると時間の経つのも早いようで、もうすっかり暗くなっていた。


「暗くなってきたし、そろそろ、今日は解散しようか」


「そうだね。 今日はありがとう! 楽しかったよ」


「それじゃあ、また学校で」


 こうして、磨北まきたくんと別れたわけだけど、いい休日だったなぁ。


 う~ん、でもこれで仲良くなれたのかな?

 まだちょっと距離を感じるような気がする‥‥。




 ◆◆◆◆◆◆




 夕闇ゆうやみさんと別れたあと、僕は自分の家に向かって歩いていた。

 今歩きながら夕闇ゆうやみさんのことを考えていた。


 僕は夕闇ゆうやみ奈留なるという人物のことが、よくわかっていない。

 あの人は一体‥‥。


 考えていると、ポケットの中に入れている携帯が鳴り始めた。

 きさねぇかな?

 帰り遅いと心配するみたいだからなぁ。


 しかし、画面に表示いたのは、きさねぇの名前ではなく、非通知という文字だった。

 あれ? 非通知は受信拒否にしてなかったかな?


 僕は疑問に思ったが、一応電話に出てみることにした。


「‥‥もしもし、どちら様ですか?」







『こんばんは、磨北まきた────祈実きさねさん』

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