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スライム草を喰らわせてやろう!

「やっと帰ってきました」

 目を潤ませるモノグラム。

「帰って来たって言うより確保されたよね?」

 柱と手首を繋ぐ手錠を見て呟いた。

 クリス達を振り切って夕日を背に町に戻ってきたら、隊長に猫のように首根っこ捕まれモノグラムの元に連れていかれた。そこでさも当然の様に手錠を付けられ軟禁されてます。

 クリス? たぶんまだ森にいるんじゃないかな~。わざと森の奥に行って迂回して戻ってきたし。

 それにしても、モノグラムの背後にある純白のドレスは……。

 結婚式を挙げるカップルから頼まれた物だろう。リア充めが!

 ギリギリと歯ぎしりをしていと、

「これで結婚できますね」

「えっ? 誰が? 」

「誰って、決まってるじゃないですか……」

 熱い視線が注がれる。

 右に避けます。かわせません。

 左に避けます。ついてきます。

 マトリックス風に避けます。股間にロックオン。

 ヤベー! 逃げらんねえ!

「待て、男と男が結婚できるわけないだろ!」

「愛は全てを越える」

 勝手に越えんな! 俺を巻き込むな!

 これは最終手段しかない。

「モノグラム君。森をさまよっていた時に良いもの手に入れたんだ(棒)」

「どんなの? ……これ、スライム草の葉っぱじゃないの?」

「そうだな。でも、これは性格が変わっちまうくらい旨い物なんだ。……たぶん」

「最後が小声で聞こえないけど? それに晩御飯食べたばっかりだし」

「それでも、食って欲しいんだけど」

「でも、ダイエットもしてるし」

「いいから、食えや!」

「モガッ」

 突っ込んでやったよ! 口の中に。

 イラッっとしてやったけど、世間は許してくれる。(キリッ)

 白眼向いてひっくり返っているモノグラム。……そこまで不味かったのか?

「おい、モノグラム。大丈夫か?」

 足先でつついてみる。ピクピク動いた。

「モノグラム~」

 耳元で鼓膜が破れるくらい叫ぶ。

「……ふ」

 おっ、反応した。

「おきrー」

「フオォォォッ!!」

 起き上がった。しかも奇声付きで!

「フオッ! フオッ! フオォォォッ!」

 何か高速で腰振ってる。まるでレイザーなんちゃらみたいに腰振ってる。

「フオォォォッ!」

 腰を振りながら天に吠えている。

「フオォォォッ!」

 男と言うより雄だな。このまま野生に帰るんじゃないか?

「フオォォォッ!」

 それじゃ俺は宿に戻るんで。


ーーガチャ。


 手錠を忘れてた。鍵はモノグラムが……。

「フオッ?」

 何かこっちを見てる。あれ? これヤバくね?

 手錠に繋がれた俺と俺と結婚しようとしている雄の衝動に目覚めたアイツ。

「フオォォォッ!!」

 腰をカクカクしながら近づいて来た!

 その動きヤバすぎんだろぉぉぉっ!

「フオッ!」

 飛んだ! 俺の上空に飛んだ。

「イヤァァァ!!」

 俺の口から女のような悲鳴が出た。


ーーガシャン。


 ……へ? モノグラム君が俺を飛び越えて窓を割って出ていった。

 離れていく奇声がいまだ聞こえている。

 その後、モノグラム君の姿を見たものはいなかった。……完。(になればいいな)



 朝になり、どうにか一晩かけて外した手錠を片手にドアを開けると、どこかのボクサーのように真っ白になったモノグラムとどこか身なりの良い初老の男がやって来た。

「あ、アポ・ロン君」

 モノグラム君が何か満ち足りた表情をしている。でも心なしかヨレヨレになってる?

「僕、男の子だった。男になったんだ」

 いや、わかんねーし。言うだけ言って気を失ったし。そこの人、説明をお願いします。

「私はこの町の娼館の1つを預かる者です」

 娼館? そんなのあったっけ?

「場所は、町の男なら知らない人はいないでしょう。中に入れるかどうかは別として」

 ある意味色々と敷居が高そうな所みたいだ。

「そこにモノグラムさんが現れて、女達とお楽しみいただいた訳ですが……」

 モノグラム君が朝まで頑張ったようだ。あれそんなに効くの?

「凄かったですよ。女の子をちぎっては投げちぎっては投げしてましたから」

 いや、その表現どうなの?

「それで、その時のモノグラムさんの様子……気になりましてね」

 目がキラーンと光る。この人……。

「金の臭いがするんですよ!金の臭いが!」

 クンカクンカ。

 四つん這いで臭いを嗅ぎだしただと?

 さっきまでの紳士然とした男が犬のように地面を嗅ぐ。

「こっちかな? それともこっちか? クンカクンカーーゲフッ!」

 不気味なんで蹴っときました。 何あれ、怖い。

「失礼しました。お見苦しい所をお見せして」

 ふ、復活しただと? 今さっきまでの行動が無かった様にキリッっとした顔で俺に頭を下げる。こやつ……できる。

「しかし、ここに金になる物があると私の鼻が言っているのです! 教えてください!」

 胸の前で手を組み、キラキラした眼で俺を見る。乙女か!! キャラぶれしすぎだろ! このじいさん。

 でも、やっかいなスライム草を押し付けるチャンスが来たと思い、スライム草とそのエサについて説明する。

 キラーン! 老紳士のキャラが戻ってきた。

 そして、スライム草の代わりに家一軒買えるだけの金を置いていった。こんなに貰っていいんだろうか?

 モノグラム君を家の中に押し込み鍵をかける。 さて、ギルドで暇潰しするかな。



「行ってくるよ!」

 夕方、女装したモノグラム君が娼館に行った。男の娘止めんのかい!


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