とうとつなげきせん?!
その切り替え速度よろしく。
《じゃあ、仕方ない!景気づけに、もういっちょいきますかい!》
「?!」
などと、景気づけと称して、また、敵部隊を召喚するつもりでいた。
嫌な予感がしてならない。
《?!な、何ですって?!うぅぅ……。》
援護に、マフィンが驚きの声を上げて。
どうも、そちらは空戦機動に、結構、体が応えだしている様子だ。
「……。」
静かに思うことは、やはりそろそろ無茶になりそうだなということで。
ちょっと止めようかな、そう思った。
「!」
が、その矢先に起こったことは、レーダーに見え隠れする何かの影が。
……反応的に、敵のようだ。だが、動きがどこか違う。
そう、何だかこちらの様子を伺っているかのような。今まで見たことのない動き。
難易度が高くなったからか?
ソードがまた、変な操作をしたのだろうか、疑問が沸き起こる。
「!!」
ロックオンの警告音が鳴る。
《アンノウン確認!!ブレイク!ブレイク!!!》
やがて、ソードが叫んだ。
叫んだ勢いより速く反応して、俺はもう素早く機体を翻して。
その俺の機体の横を、ミサイルがかすめていった。
「……。」
今までにない、奇妙な動きに、少しだけ慣れてきて。
動じなくなったというのに、また強張ってしまう。
一体、何だ?
俺は、首を傾げる。
《……戦う理由は……。》
《……見つかったか?》
《……あ、相棒……。》
「!!」
レーダーがはっきりと示すことには、新たに出現したのは、3機の戦闘機であり。
しかも、こちらと同型。
また、オートだの、NPCだのと思うには、あまりにも不釣り合いで。
人間らしい会話をしてくる。
加えてその声は、どこか聞き覚えのあるもので。
……やっぱり、ソードが難易度を上げたのか?
「ね、ねぇ。な、難易度上げた?」
堪らなく、つい聞いてみた。
《……。》
「?」
が、ソードは答えない。
どうしてだろうかと、首を傾げると。
《……いや、上げてない。というか、上げようにも、あの連中のは、ここらのNPCより強いわい!!!》
「?!ど、どういうこと?!」
言葉溜めていただけのようだが、その後に強く言ってきたのだが。
内容に俺はますます首を傾げてしまう。
《どーいうことだ?!!ガント!!!……それと、シールド、ウィッチ。》
「!」
続く言葉こそ、最大の解である。
ソードが、驚愕を隠せず放つ言葉に、気付くことには。
そう、ソードが所属する飛行隊の、他のメンバー。
合点がいく。
どうりで、聞き覚えがあるわけだ。
《貴様がなかなか殊勝な心掛けをしていたからな、その手助けをしようとしただけだ。何か文句があるか。空戦機動の復習は、貴様らしくないようだが。》
《ははは。それと、楽しませるために、お客さんを連れ込んでいたようだが、なかなか見込みある動きをする。慣れてきたところで、ここはひとまず、後続のためにも、腕を見せないといけないな。》
《わ、私も、練習をしてみたいので……。》
「……。」
どこで嗅ぎ付けたか知らないが。
三人とも、ソードが何かしているから参加したようだ、口々に色々言ってくる。
褒められた言葉もあってか、何だか照れ臭いような気もした。
《って!いいわけあるか!!そっち三人じゃん!俺ん所なんて、まともに戦えるの、俺だけじゃん!!ズルい!!!》
傍ら、ソードの方は、三人であることに対し。
その三人に対して、文句をつけている。
《貴様の所は四人だろ?だったら、俺たちのが少ない。ハンデだ。》
ガントさんは、厳しくソードの訴えを一蹴した。
《ぐ、ぐぬぬぬ……。》
「……。」
言われて、悔しそうにソードは歯ぎしりをした。
掛ける言葉は、見つからないでいる。
《さて、余興はこれまでだ。では、腕の見せ所だ。行くぞ!フリート0航空隊ソラネコ、ブレイクフォーメーション!》
別の言葉は掛けられて。シールドさんは、思考さえ遮るように言ったなら。
援軍の3機は、フォーメーションを崩し、散開する。
《?!ちょ、ちょっと!!!相手は現役のパイロットでしょ?!む、無茶苦茶じゃない!!!!や、いやぁあああああ!!!》
出現し、今こそ襲い掛からんとする彼ら3機に、マフィンは恐怖して。
悲鳴を上げる。
そうであっても、逃げようと機体を翻すが。
相手はしかし、容赦なく迫ってきては、機関砲を乱射する。
マフィンは負けじと、ビットを飛ばすものの。
かいくぐられて、反撃を貰い、爆散した。
《きゃぁあああああああ!!!!》
「!!ま、マフィン!!」
現実に攻撃され、爆散したかのような雰囲気でマフィンは叫び。
不安のあまり俺も俺で、つい声を掛けてしまった。
《だ、大丈夫……。げ、ゲームオーバーだっただけ……。はぁぁ……。》
「……そ、そっか。ゲームだったしな……。」
けれども、マフィンは大丈夫。
ただ単に、ゲームオーバーしただけだと、言い溜息をついた。
その溜息は、悔しさにどうすることもできないそれではない。
安堵にも似たもので。おかげで俺は、現実に戻されて、こちらも安堵した。
《ふむ。初心者らしいな、脇の甘さが、な。》
マフィンを墜とした戦闘機は、爆炎の中、優雅さを見せて翻り。
ついでに、言葉を残して飛び去る。
ガントさんだったようだ。
《こ、これで……。同じ数です……。》
遠くから、ウィッチさんが通信して。
言葉は震えているが、だが、彼女もまたパイロットだ。
そうであっても駆る機体は、怯えを見せてはいない。
こちらの様子を伺っている様子。
《ぬぬぬ……。電光石火な不意打ち……って!!それ、俺の専売特許!!》
「……。」
やられた飛行隊のリーダーこと、ソードは、自分の得意技を取られたと怒り。
いつものメンツによるやり取りには、口を挟めず。
静かに聞き入ることしかできない。
《ふん。貴様の技は俺でもできる。そも、それは俺が教えたんだ。》
《ぬぅ……。野郎……!》
「!」
反論に、ガントさんはそう言って。
が、どこか挑発をするかのような感じであり、何か引っかかるものを感じた。
そうとは知らず、言われた本人は、気に食わなくて、怒りを露にしそう。
まさかと思うことは。
こう、挑発して、相手の頭に血を上らせる作戦という気がして。
ならば相手の思う壺。
俺は、そのままだとまずいと思い、待ったを掛けようとした。
《がんばるぞー!!!えーい!》
「?!アビー?!」
こんな状況であっても、いや、そんなこと考えていない無鉄砲な奴が、一人。
アビーで。何を思ったか、それとも、何も考えず、敵が出現したと思ってか。
歓声を上げて、ガントさんの機体に突っ込んでいく。
俺は、まずいと思って、声を上げてしまった。
《?!ちょ、えぇ?!ガントに挑む?!》
その様子に、ソードは気付き、驚愕している様子。
頭に上りかけた血は、アビーが突撃する衝撃に、いずこへかといった具合。
流石のソードも、そこまで無鉄砲じゃないと言い張ってもいる様子だ。
《?!うぎゃぁああああ!!》
どうなるかは、予想通り撃墜されるものであったが。
しかし、やったのは向かおうとしていった、ガントさんじゃない。
ウィッチさんだ。
いつの間にか、ウィッチさんは上空の雲に隠れていて。
ガントさんにアビーが食らいついたその瞬間を狙い、機関砲を乱射した。
何発かの光弾は霧散したが、やがて直撃弾を喰らい。
アビーの機体はそのまま爆発、炎上。
撃墜されてしまった。
アビーからの通信が、遺言のように残響してしまう。
「!」
その様子に、心が痛くなった。胸を押さえる。
……そうであっても、まだ攻撃は続いている。
戦いは、まだ終わっていない。何せ、まだ俺とソードが残っているのだから。
《……。》
「……。」
とうとう、俺とソード二人になってしまたなら、同時に、唾を飲み込む。
《……よう相棒。》
「!」
俺がそんな様子を見せるから、加えてこの状況もだが。
何だかソードがより乗り気になり、言いだしてくる。
先ほども、二人になったら言ってきたが、またもや。
《……まだ生きているか?》
「撃墜されたら、表示から消えるだろ?」
続くのもそうで。
それと、撃墜されてゲームオーバーなら、ソードの表示から消えるよ、反応は。
そう、言ってみた。
《……幕引きが、かつての相棒とは、皮肉なもんだ。だがな、こちとら、これでもエースなんだ。やるっきゃない。それがこの作戦なら。》
「……ああ。って、何だか俺の話聞いていない?もしかして。」
そうであっても、まだ話を続けている。
どうも、俺の話は耳にしてない様子。俺の言葉への返しじゃないようだ。
悦に浸っている気もしてくる。
どうやら、これは、ソードの好きな、……何かからの引用のようで。
この時とばかりに、口にしている。
俺は、つい返事をしたが、どうもしっくりこないのは、それか。
《それはこちらのセリフだ、そうだろう?ならば、俺はこう言おうか?撃てよ臆病者!》
「!」
そんな悦に浸るソードに、ガントさんは煽るように言葉を掛けてきた。
嫌な予感がする。
俺は、気を張るなら、ビットたちが応じて。
また、飛来する他のビット。
それは、アビーから展開した物。
どうやら、操作権が俺にあるために、元の持ち主が撃墜されたところで。
消滅することはなく。
こちらに追従する。
《何おぉお!!》
臆病者と呼ばれてか。
逆上したソードは、やがて翻してガントさんに突撃していく。
「!!」
まずいと思った俺は、ビットをソードに飛ばす。
その予想通りに攻撃は来たが。
またしても攻撃してきたのは、ウィッチさんの方で。
なお、その光弾は、ビットを展開したついでに、広げた光の膜に阻まれて。
《?!うそっ?!》
《うぉ?!マジで?!あれ、そういつ使い方できるんだ……。》
ビットを展開した時に、広げていた甲斐があったものだが。
ソードとウィッチさん二人とも、驚きの声を上げていて。
どうもこれは、意外な使い方らしい。
《なるほど。ウィザードと呼ぶに相応しい。度々思っていたが、私がこうして元気に空を飛べる内に、これほどの人材に出会うとは思っていなかったよ。》
遠くから見ていたシールドさんは、感心していた。
様子から、何だか喜んでもいる様子。
《ほほう。初心者ながらやる。的にはなるだろうと思っていたが、思った以上に楽しめそうだな。》
「!」
ガントさんも見ていた。こちらは、単に伺っているだけではなく。
むしろ、見た後、燃え上がって来たといった感じだ。
殺気さえ、感じ、俺は身をすくませる。
《!!やっべぇ!相棒!逃げろ!!ガントに本気出させちまった!!》
「?!うぇ?!」
殺気を感じていたのは、ソードもで。
状況は悪くなりそうだと思ってか、俺に逃げろと指示を出す。
多少戸惑ったが、言われたからにはどうにかして逃げないとと、翻す。




