表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/133

歓迎会①


「まずは入社一日目お疲れ様!営業部にようこそ!カンパーイ!」


塚本部長の音頭で歓迎会が始まった。新入社員が上座に座らせてもらって、テーブルを挟んで前に塚本部長を始め、先輩社員が並んでいる。(もちろん私は直くんの隣をキープ!)


「本田さん、お酒飲めないの?」


高田さんという男性社員から声をかけられる。


「あ、はい。すみません。乾杯からウーロン茶で。」


直くんと二人のとき以外はお酒、飲みません。(直くんからお願いされたし。ふふ。直くんからお願いされるなんて!)


「営業に来たいならお酒は飲めた方がいいけどな。」


「あ。そうですよね。気をつけます。」


なんか、高圧的な言い方。確かにそうなんだろうけど…


「CEOもお酒強いよなー。家でもCEOよく飲むの?」


塚本部長が直くんに話しかける。皆お兄さんのプライベートを聞きたいのか、直くんとの共通の話題だからかやたらとお兄さんの話が飛び交う。


「…そうなんですか?家で飲んでいるのを見たことはないので。」


直くんすごくびっくりしてる。確かにお兄さんがお酒飲むのイメージ湧かないな。…強いんだ。意外!


「そうなの!?意外!!」


塚本部長には飲まない方が意外だったみたい。直くん寂しいだろうな。


「直くんはどうせ経営企画部行きだろうから無理してお酒覚えなくてもいいんじゃない?」


高田さんは鼻で笑うような突っかかる様な言い方をする。

なんなのよー!!


「…。」


あ、直くん困ってる。こんなあからさまなこと初めてだし、私もどうしたらいいか分からない…


助けてあげたいのに…



料理が運ばれて来て、この嫌な空気がなんとか終わった。

直くんが料理を取り分けてくれる。(私がしないとー!)


「直くん気が利くなー。流石CEOの弟!俺もCEOと飲みに行ったらいつも取り分けてくれるんだよ。だから俺たまにCEOのことお母さんって言ってイジる。」


部長クラスになるとお兄さんと飲みに行く機会があるんだ。いいな。私も直くんとお兄さんと飲みに行ってみたいな。また直くんの子供の時のかわいい話が聞きたいな。


(…ん?あれ?お母さん?)


「はは…」


あ、これ直くん本当に参ってる。さっきのを引きづってるのかな?乾いた愛想笑い、初めて見た。


嫌なのか、返答に困ってるかは分からないけど。


「顔も良くて、気が利いて、直くんがモテる理由がわかるわー。本田ちゃんも負けるなよ!」


おお!急に私に話が振られてきた。


「任せて下さい、塚本部長!私、本田百子、直くんを思う気持ちは誰にも負けません!!」


「ワハハ!もう本田ちゃん本当におもしれー!!ウーロン茶で酔ってんじゃん!」


面白い?私は至って真面目よ!


「私はウーロン茶には酔っていません!直くんに酔ってるんです!」


分かって!伝わって!!


「ワハハ!」


伝わらない…


「…本田さん。職場なので…」


はっ!直くんから注意を受けてしまった!


直くんほのかに赤い…酔った?


「あっはは!あ~もうこのコンビサイコー!大丈夫だよ。うち社内恋愛禁止じゃないから。CEO自ら言ってたし。」


お兄さんが?


「社内で告白しようと思って悩んでたヤツにCEOが言ったんだよ。」


ほー。優しい。さすが直くんのお兄さん!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ