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直くんとももちゃん、初恋の行方。  作者: 獅月
第三章

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新入社員のお仕事


ランチタイムを終え、少しづつ仕事をもらう…のだが!!


「直くん、これコピー取ってー。」

「直くん、この書類見て。」


直くんが思った通り、ここでは皆さん直くんのことを〝三井くん〟では無く〝直くん〟と呼ぶ。


学生時代にはなかった光景だ。

…仕方ない。同じ名字のお兄さんもいるんだし。お兄さんも〝直くん〟って呼んでるし…。


なんか…なんか寂しいけど。これが社会なんだと割り切るしかない………やっぱり、なんか嫌だけど。


「本田さんはこの資料をホッチキス止めてもらっていい?」


話しかけられてハッとする。いけないいけない。仕事とプライベートは分ける。直くんもさっき言ってたじゃない。


「はい!」


他の新入社員と共にホッチキスを止めていく。


(あ~、なんかさっきから足が痛い。靴擦れしたな。ヒールで結構歩いたし。)


どうしよう…。あと5時間近く…。まだ歩くことあるかな?

今日に限って絆創膏持ってない。昨日ちゃんとパパに忘れ物ないかって言われたのに…


けどあと5時間くらい座ってるだけなら…



「新入社員〜!今日仕事終わったら歓迎会しようと思ってるんだけど、どう?いきなりだから予定がある場合は無理しないで。」


塚本部長に声をかけられる。


これは…いかないわけにはいかないでしょう…






✽✽✽


終業時間を迎えて、社会人一日目が終わった。


これから歓迎会だ。まだ一日目は終わっていない。


(足痛い…)


絆創膏を持って来るのを忘れ途方に暮れる。これからまた歩かないといけないのに…。


「本田さん。」


愛しい直くんから久しぶりに名字で呼ばれる。

プライベートと分けて…寂しい。


だけど、ビジネスモードな直くんは宇宙一かっこいい。


「はい。」


直くんに何やら渡される…絆創膏…。


「あ、ありがとう。」


直くん気づいてたのかな?


「痛そうにしてたから。」


…直くんも私も今日は初出勤で、更に直くんは皆に囲まれて、慣れない環境で、緊張したはずだし、疲れてるはずだ。


それなのに…気づいてくれた。気遣ってくれた。


「わざわざ買いに行ってくれたの?」


直くんは普段から絆創膏を持ち歩いている訳じゃない。


「…うん。」


この緊張感でいっぱいの中、抜け出して買いに行ってくれたんだ。


私の為に…


「ありがとう直くん。嬉しい。助けてくれてありがとう。」


「うん…」


私がピンチの時に駆けつけてくれる。直くんは私のヒーロー。

ここが会社じゃなかったら抱きつきたいのに!


「おーい!新入社員!置いて行くぞー!」


…今はビジネス。



その後ササッと更衣室で絆創膏を貼れました。


(直くんマン、ありがとう。)

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