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直くんとももちゃん、初恋の行方。  作者: 獅月
第三章

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新入社員


(す、すごぉい…)


直くんのお兄さんが壇上に上がって挨拶をする。次に上がってきたのは直くんの叔父さんという人。


(な、直くんって御曹司さんだったんだ…)


なんだかすごい人と付き合っていたのでは、と不安になる。


…直くん、私をおいて遠い世界に行かないで。






✽✽✽


入社式が終わり、新入社員はそれぞれ少人数に別れて研修をする。

全部署を一週間づつ周り、その後配属部署に正式に移動する。


今日は営業部。私と直くんは同じグループだ!


(もしかしたら、お兄さんの計らいだったりして?…いやいや、あいうえお順だろうな。良かった、名字が近くて)



「部長の塚本です。宜しく。」


部長と言うにはかなり若い男性。


(なんか、チャラそう。)


「「宜しくお願いします。」」


新入社員が揃えて挨拶をし、自己紹介をする。


「…お!直くんじゃん!いきなり会っちゃった!おーい!みんなー。直くん来たぞー!」


(え?え?何事?)


机に座って仕事をしていた人達が一斉にバッとこちらを見てくる。


(こ、恐い…)


「CEOの弟!?」

「どれどれ?」

「おー!噂の御曹司!」

「やーん。かわいい顔してるじゃない!」


直くんに様々な言葉が浴びせられる。


(そっか。直くんは創業者一族の御曹司…)


なんか…寂しい。だけど!!さっきの最後の言葉を私は聞き逃してはいない!〝かわいい顔〟つまり直くんが狙われている。


直くん、大丈夫よ!心配しないで。私が直くんを守って見せるわ!!!





「あはは。ごめんな、直くん。いきなりびっくりするよなー。」


「…いえ。」


塚本部長が謝る。直くんはやはり驚いていたようだ。


「前にCEOと飲んだ時に〝弟が入社する〟って聞いてさー。楽しみにしてたんだよ!」


(CEO…お兄さんの事だろうな。)


「ごめん、ごめん。他の新入社員が固まってるわ!これ、エコヒイキじゃないからなー。じゃあ仕事の説明をしまーす。」


塚本部長は何事なかったように、仕事の説明を始めた。


(チャラいけど、悪い人じゃないんだろうな。)




昼休み、同じグループの新入社員で社食に行く。お昼ご飯だ!!


料理を受け取り、席につく。


(お腹空いたー。美味しそう!)


「…三井くんって、創業者一族なの?」


同じグループの男の子が尋ねる。


「…うん、まぁ。」


直くん答えにくそう…

直くんは特別扱いも嫌いだし、好奇の目に晒されるのはもっと嫌いだ。だけど、ここに入社したら否応なしにそうなる。何とかしてあげたいけど…


「あ、じゃあやっぱりコネ入社だ?」


…おい。直くんの優秀さを知っての言葉か!?


「…。」


直くんは返答に困って喋らなくなった。やっぱり嫌だよね。よし!


「すごぉい優秀なの。知らないの?」


渾身の笑みよ!更にブラックオーラもプラスしといた!ドヤ!


「…あ…そう、ですか。」


ヨッシャ!勝ったー!!流石です!百子選手!


見事、直くんをお守りしましたー!

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