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直くんとももちゃん、初恋の行方。  作者: 獅月
第一章終了後〜第二章の間の単発番外編

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直くん、オーバーアクションしよう!



「愛ちゃん!今日もかわいいね!」


愛梨の彼氏の山内くんが言う。


「愛ちゃん!愛してるよ!」


「愛ちゃん…!!」


いいなぁ。愛梨。





直くんはあまり感情を出さない。


そして口数も少ない。


私はそんな直くんが好きなんだけど、…だけど!!






「直くん、オーバーアクションしよう。どうぞ。」


分かりやすく、端的に、的確に、伝える。


これで直くんに伝わったはずだ。


「…。」


あれ?伝わってない?直くんは黙ったままだ。


「…例えば?」


ようやく口を開いたかと思えば、そんな事をおっしゃる。


例えで私が言ったら意味ないじゃない!


「愛を全力で表現して。」


そう、お願いします。


「愛?何の?」


えっ!そこ疑問に感じるの!?


ガーン…私への愛がないの…?


「愛情が薄い…」


直くんとは両思いになってる。私にとってはそれだけで嬉しい事で、満足してたはずなのに…


愛梨と山内くんを見て、いいなぁと思った。羨ましいと思った。


山内くんに見るからに愛されてる愛梨が羨ましい。


「俺、またなんかした?」


落ち込んでいると直くんから声をかけられる。こう聞かれるの何回目だろう。


私が落ち込んでいると、直くんは自分が傷つけたと勘違いする。


「違うよ。直くんにオーバーアクションして欲しかっただけ。」


山内くんみたいに。


「オーバーアクションって?」


まだ伝わらない…


「愛されているという自信が欲しかったの…」


「…。」


直くんが困ってる。…私が困らせてる。


困らせたいわけじゃ無かったのに…


直くんが今も私とこうして一緒にいてくれるのは、人とあまり関わらない直くんにとって大きな愛情表現なのに…。


人と比べて、直くんを困らせて…私、バカみたい。


「どうしたらいい?」


「え?」


「どうしたら自信、持てる?」


直くんが私に聞く。


きゅーん。直くんに、きゅーん。


胸がときめく。


こんなにも考えてくれてる。聞いてくれる。


あの、直くんが。


私は愛されてる。大丈夫。良かった。


「ありがとう、直くん。分かってるから。」


感情を出さない所も、私を思って聞いてくれる所も…大好き!


「だけど、せっかくだからギューッと抱きしめて、愛してるよ!って言って?」


「!!」


あらら、顔真っ赤にして焦ってらっしゃる。


―直くんの表情の変化に気づくのは、きっと私だけだ。


うふふ。直くん、だーい好き!!

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