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BLR15「ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました」  作者: 青佐厘音


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十三、アラン様からお茶会のお誘い


 

 招待状を受け取ってその場で開封する。

ニールさんが返事を待っているからだ。


  〜〜 ルカへ 〜〜


 昨日は楽しかった。ありがとう。

私とルカだけの、気楽なお茶会を開きたい。いつもの服装で構わない。

 都合の良い日を教えてくれ。


     〜〜 アラン•バレンシア 〜〜


 どうしよう! 嬉しすぎる!


「いつ頃、空いてますでしょうか?」

いけない。嬉しすぎて、ニールさんのことを忘れていた。

「あ、はい! 今度の、国民の休息日はお休みします。バレンシア公爵様の都合はいかがでしょうか?」


「あ、大丈夫ですよ。あの方は働きすぎなので、ルカ様に合わせて休んでもらいます。何なら一週間……いや、一年分位の有給の休みが溜まってます」

 そ、そんなに……? いくらなんでも働きすぎじゃ……。

「なので。ルカ様はバレンシア様と気兼ねなく、むしろバレンシア様を誘い出して頂きたいのです」


「……わかりました、ニールさん」

僕はニールさんに、しっかりと頷き返した。

「頼みましたよ」

 ニールさんもにっこりと笑って頷いた。


「では今度の国民の休息日の、朝10時頃お迎えに参りますね」

「はい」

それでは。と言って去って行った。

 ニールさんも貴族なのに、僕みたいな平民に話をして大丈夫なのかな? つい僕も普通に、()()付けしていたけど。気をつけなければ。


 とにかく次のお休みの日を楽しみに、頑張ろうと思った。


 午前中はお店の掃除をしたり、お客さんとお話したりしながら過ごしていた。

 

 カランカランとお店の扉が開いた。 

「ねえ、ルカ! 獣人の子供がよその国から来た男達に見つかって、噴水広場で騒ぎになっていたの知ってる?」

 近所のお肉屋さんの奥さまが、話しながらお店に入ってきた。あれだけ騒ぎになったから、噂も広がるだろうと思ったけれど早いな。

 

「よその国から来た男達が、ですか?」

 僕は驚いた。あの男達はよその国から来たのか……。

「そう! しかも獣人の子供が迷い込んだみたいよ」


 獣人の子供が迷い込んだのは合っている。

「その獣人の子供は、どうしたのですか?」

 僕は、噂がどんな風に広がっているか聞いてみた。

「それがねぇ……。いなくなっちゃったみたい。逃げたみたいよ? でも捕まるより良かったわ!」

 奥さまは、獣人の子供を心配したようだ。良かった。


「そうなのですね。男達はまだ、この街にいるのでしょうか……」

 それがねぇ! と言って奥さまは話を続けた。

「何でも、獣人を捕まえて売る悪人だったみたい。裏の、人が通らない道に倒れていたらしいわ。かなり殴られて、ですって! 倒れた男達を見つけた人が騎士団に通報して分かったらしいわよ?」


 奥さまは、僕が知りたかった情報を全部教えてくれたので助かった。お肉屋さんの奥さまだけど、街の情報屋としてやっていけるのではないかと思う。


「あ、そうそう! これ! ルカにあげようと思って来たの忘れてたわ」

 お肉屋さんの奥さまは、カウンターにドサリと美味しそうな自家製ベーコンの塊を置いた。


「一つ、注文がキャンセルされちゃったの。高級品だから売れないし、お惣菜にするのは高すぎるし、私達は売るほどあるし。ルカ、食べてくれる?」

 見ると、美味しそうだし高そうだった。

「良いのですか?」


「量は多いけれど、保存できるし。遠慮なく、食べてもらったほうが嬉しいわ」

 奥さまはニコッと笑って言った。

「ありがとう御座います! 遠慮なく、いただきます!」

 僕が言うと、奥さまは「良かった!」と言ってお店を出て帰って行った。

 こういう近所付き合いは嬉しい。


 でも。騒いだ男達は殴られて裏の道に倒れていたのと、男達を雇った身なりの良い男の人が気になる……。アラン様と僕は、あの日偶然見かけた。

 何かよくないことが起こらなければ、良いけれど。


「……このベーコン。美味しそうだけど、僕一人じゃ食べ切れないな」


 

 ■■■■


 

 毎日忙しくしているうちに、お休みの日がやって来た。

 お天気が良い朝。

僕のお店の前に、立派な馬車が停まった。

「ルカ、迎えにきた」

アラン様が直々僕の家へ迎えに来てくれた。


 僕はびっくりして、ポカンと口を開けたままお店のドアに掴まっていた。

 場違いな立派な馬車が停まっているので、商店街のご近所さんがお店から出て見ていた。


 立派な馬車から降りてきたのは、ラフなシャツに簡易なマントを着た英雄騎士様。

 商店街の皆さんは驚き、突然現れた国を救った英雄騎士様に喜んだ。


「ルカ、後で話を聞かせろよ!」

偶然通りかかった酒屋の親父さんが、ウインクしていい笑顔で通り過ぎて行った。

 商店の奥さまも手を振っている。

お肉屋さんの奥さまは、なぜか握りこぶしを高く上げていた。


「……迷惑、だっただろうか」

「い、いえ! そんなことはないです!」

あからさまに落ち込んだ顔をしたので、僕は慌てて否定した。

 ただ、商店街の皆さんは防犯意識が高いだけです。助け合いのご近所付き合いなのです。


「行けるか?」

「はい」

 僕はお店に鍵をかけて、分からないように家に結界の魔法を張った。普段の服で良いと言われて、いつものローブを羽織ってきたけど大丈夫かな……。


 アラン様は商店街の皆さんに、軽く手を振って呼びかけに応えていた。

 

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