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村の救出作戦

炎上する村に向かって駆ける一行は、奇妙な光景だった。王女率いる正規軍50名と、盗賊団50名が肩を並べて疾走している。共通の敵・赤蛇団から村人を救うという目的が、対立していた二つの勢力を結束させていた。


「火の手が上がっている!」セレスティアが前方を指差した。「急がなければ」


「分かりました」レオナルドが答えた。「しかし、罠の可能性もあります。慎重に行きましょう」


ヴィットーリオが馬を並べて近づいてきた。「王女様、作戦を確認させてください」


「ああ」セレスティアが頷いた。「君たちの提案を聞かせてくれ」


「赤蛇団は約30名」ヴィットーリオが説明した。「村の中央広場を占拠し、人質を取っているはずです。正面から攻撃すると、人質が危険にさらされます」


レオナルドも作戦に参加した。「二手に分かれましょう。陽動部隊が正面から注意を引いている間に、救出部隊が背後から侵入します」


「陽動は危険な役割だ」セレスティアが言った。「私が担当しよう」


「だめです」レオナルドが即座に反対した。「殿下は救出部隊に回ってください」


「なぜだ?」


「敵の狙いは金品だけではありません」ヴィットーリオが深刻な表情になった。「もし王女の存在を知られたら、政治的な目的で利用される可能性があります」


セレスティアは納得できなかった。「だからといって、危険な役割を他の人に押し付けるわけにはいかない」


「殿下」レオナルドが真剣に言った。「リーダーとして、全体の安全を考えてください。殿下が捕らわれたら、すべての作戦が失敗します」


「そうですね」ヴィットーリオが同意した。「王女様には、救出部隊の指揮をお願いします。私たちが陽動を担当しましょう」


セレスティアは悔しかった。自分が最も危険な役割を担いたいのに、立場がそれを許さない。


「分かった」セレスティアがついに頷いた。「しかし、無茶はするな」


「承知しています」


村に近づくと、状況の深刻さが明らかになった。数軒の家が燃え上がり、村人たちの叫び声が聞こえる。広場では、黒い服を着た男たちが村人を縄で縛っている。


「あれが赤蛇団か」セレスティアが拳を握った。「許せない」


「冷静に、殿下」レオナルドが制した。「感情的になっては、救える人も救えません」


ヴィットーリオが部下に指示を出した。「15分後に陽動開始。その間に救出部隊は位置についてください」


セレスティアは20名の精鋭と共に、村の裏手に回った。フィレンツィアの志願者たちも、緊張しながらも決意に満ちた表情を見せている。


「皆、聞いてくれ」セレスティアが小声で言った。「今日、我々は身分の違いを超えて戦う。貴族も庶民も関係ない。無辜の民を救うという共通の目的のためだ」


「はい!」志願者たちが小声で答えた。


「ただし、無理はするな」セレスティアが続けた。「命より大切なものはない。危険だと感じたら、すぐに撤退してくれ」


元傭兵の一人が前に出た。「王女様、我々は覚悟を決めて参りました。最後まで戦わせてください」


「ありがとう」セレスティアが感謝した。


村の裏手から様子を窺うと、赤蛇団の見張りが2名立っていた。


「レオナルド、見張りを無力化できるか?」セレスティアが尋ねた。


「はい。音を立てずに処理します」


レオナルドと騎士2名が静かに接近した。訓練された動きで、見張りを気絶させる。


「成功です」レオナルドが手信号で報告した。


その時、村の正面から大きな声が響いた。


「赤蛇団の皆さん、お話があります」


ヴィットーリオの声だった。陽動作戦の開始だ。


「何だと?」広場から怒声が聞こえた。「黒狼団だと?」


「その通りです」ヴィットーリオが冷静に答えた。「私たちの名前を騙って村々を襲い、罪のない人々を苦しめている卑劣な連中...それが貴方たち赤蛇団でしょう」


赤蛇団の注意が正面に向いた。セレスティアたちにとって絶好の機会だった。


「今だ」セレスティアが小声で指示した。


救出部隊は静かに村に侵入した。人質は村の集会所に集められているようだ。


集会所に近づくと、中から子供の泣き声が聞こえる。セレスティアの胸が痛んだ。


「見張りが3名」元傭兵の一人が報告した。「扉の前に2名、窓際に1名」


「同時に無力化する必要がある」レオナルドが判断した。「一人でも逃げられたら、人質が危険にさらされます」


セレスティアが剣を抜いた。「私も参加する」


「承知いたしました」レオナルドが頷いた。「殿下の剣術なら、確実に制圧できるでしょう」


作戦は成功した。3名の見張りは音を立てることなく無力化された。セレスティアの剣術の腕前に、志願者たちは驚嘆していた。


「すごい...」「本当に王女様なのか?」


「後で感想は聞く」セレスティアが急いで集会所の扉を開けた。


中には20名ほどの村人が縛られていた。男性、女性、そして子供たち。恐怖で震えている。


「大丈夫だ」セレスティアが優しく声をかけた。「助けに来た」


「あ、あなたは...」年配の男性が驚いた。


「後で説明する。今は脱出が先だ」


縄を切って村人を自由にしている間、外では陽動作戦が続いていた。


「私たちの名を騙って、このような蛮行を働くとは」ヴィットーリオの冷静な声が響く。「恥を知りなさい」


「うるさい!文句があるなら正々堂々と戦え!」赤蛇団のリーダーらしき男の声。


「ホッホッホ、いいでしょう」ヴィットーリオが冷笑した。「理念もなく村を焼くだけの愚か者たちの真の姿を、村人の皆さんにも見ていただきましょう」


戦闘が始まった。剣と剣がぶつかる音、怒号、そして馬の嘶き。


「急がなければ」セレスティアが村人の脱出を急いだ。「ヴィットーリオたちが危険にさらされている」


すべての村人を解放した時、集会所の外で足音が聞こえた。


「誰かいるぞ!」


赤蛇団の一人が気づいたのだ。


「見つかった」レオナルドが剣を構えた。


「村人は先に逃がしてくれ」セレスティアが指示した。「私たちが後ろを守る」


扉が勢いよく開き、赤蛇団の男たちが飛び込んできた。


「何だ、お前らは!」


「村人を解放しに来た」セレスティアが堂々と答えた。


「女が何を偉そうに!」一人の男が剣を振り上げた。


しかし、次の瞬間、その男は床に倒れていた。セレスティアの剣技が、男の剣を弾き飛ばしたのだ。


「強い...」別の男が戸惑った。


「私は宮廷で最高の師範から剣術を学んだ」セレスティアが剣を構えた。「君たちでは相手にならない」


戦闘は短時間で決着した。セレスティアとレオナルドの連携により、赤蛇団の数名は戦闘不能になった。


「村人は安全な場所に避難させました」元傭兵の一人が報告した。


「よし。今度は我々がヴィットーリオたちを支援する番だ」セレスティアが決断した。


広場に向かうと、激しい戦闘が続いていた。黒狼団は善戦しているが、地形的に不利な状況だった。


「背後から攻撃しよう」レオナルドが提案した。


「待て」セレスティアが制した。「まず状況を把握する」


広場を見渡すと、ヴィットーリオが赤蛇団のリーダーと一対一で戦っていた。互角の勝負だが、周囲に赤蛇団の仲間が控えており、いつ加勢するか分からない状況だった。


「卑怯な真似はさせない」セレスティアが決断した。


「殿下、何をされるおつもりですか?」レオナルドが心配した。


「正々堂々とした決闘にする」セレスティアが答えた。


セレスティアは広場に堂々と歩き出た。


「そこまでだ!」


セレスティアの声が広場に響いた。戦闘が一時停止し、全員がセレスティアを見つめた。


「誰だ、お前は?」赤蛇団のリーダーが警戒した。


「私の名前はセレスティア・ルミナール」セレスティアが威厳を込めて名乗った。「ルミナール王国第三王女だ」


広場に衝撃が走った。赤蛇団の男たちが動揺している。


「お、王女だと?」


「嘘だろう?こんなところに王女が来るわけがない」


「嘘ではない」レオナルドが現れた。「私は王女殿下の護衛騎士、レオナルド・ベルナルディだ」


騎士たちも続々と現れ、セレスティアを守るように陣形を組んだ。


「本当に王女なのか...」赤蛇団のリーダーが困惑した。


「君たちの行いは、王国の法に背く重大な犯罪だ」セレスティアが厳かに言った。「しかし、武器を捨てて投降するなら、公正な裁判を受ける権利を保証しよう」


「投降だと?」リーダーが嘲笑った。「王女が一人で何ができる?」


「一人ではない」セレスティアが答えた。「正義を愛する人々が共に戦っている」


ヴィットーリオが前に出た。「王女様の言葉に従うことをお勧めします」


「黒狼団の頭目め...」リーダーが憎々しげに言った。


「私たちは違う」ヴィットーリオが否定した。「私たちは殺人を犯さず、必要最小限の力しか使わない。あなたたちのように村を焼き、無辜の民を苦しめたりはしない」


「綺麗事を...」


「綺麗事ではない」セレスティアが割って入った。「これが人として当然の道徳だ」


赤蛇団のリーダーは周囲を見回した。黒狼団、王国軍、そして志願者たち。圧倒的に不利な状況だった。


「くそ...」リーダーが歯を食いしばった。「覚えておけ」


「逃げるつもりか?」ヴィットーリオが問いかけた。


「今日のところは撤退する」リーダーが苦々しく答えた。「だが、これで終わりではない」


赤蛇団は負傷者を担いで撤退していった。完全な勝利ではないが、村人を救うという目的は達成された。


「やったぞ!」志願者の一人が喜んだ。


「村人は無事です!」別の男性が報告した。


広場に安堵の空気が流れた。しかし、セレスティアの表情は複雑だった。


「どうされました?」レオナルドが心配そうに尋ねた。


「根本的な解決にはなっていない」セレスティアが答えた。「赤蛇団は逃げただけだ。また別の場所で同じことを繰り返すだろう」


ヴィットーリオが近づいてきた。「今回は王女様の采配に従わせていただき、多くの人を救うことができました」


「あなたたちの協力があったからだ」セレスティアが答えた。「一人では何もできなかった」


「しかし、これで私たちの問題も明らかになりました」ヴィットーリオが深刻な表情になった。「赤蛇団は私たちの名前を騙り続けるでしょう。民衆は黒狼団と赤蛇団の区別がつかない」


「それが君たちの真の問題だな」セレスティアが理解した。


「ええ。私たちがいくら理念を持って行動しても、赤蛇団のような連中がいる限り、盗賊は盗賊として見られてしまう」


セレスティアは深く考え込んだ。確かに、一般の人々には黒狼団と赤蛇団の違いは分からないだろう。どちらも法に背く存在であることに変わりはない。


「ヴィットーリオ」セレスティアが呼びかけた。「君に提案がある」


「何でしょうか?」


「君たちの力を、合法的な形で活用できないだろうか?」セレスティアが提案した。「盗賊として法に背くのではなく、正式な組織として民を守る仕事をしないか?」


ヴィットーリオが驚いた。「正式な組織?」


「例えば、貧しい人々への支援や、不正な商人への監視など」セレスティアが説明した。「あなたたちの実力と正義感があれば、きっと立派に務まる」


「ホッホッホ、興味深い提案ですね」ヴィットーリオが皮肉めいて笑った。「貴族のお嬢様が、私たちのような者に合法的な道を示してくださるとは。しかし、私たちの理念は富める者から貧しき者への富の再分配です。それを合法的な手段で実現できるのでしょうか」


「それは私が何とかする」セレスティアが力強く答えた。「王女として、父に直談判してみよう」


レオナルドが驚いた。「殿下、それは...」


「何か問題があるか?」セレスティアがレオナルドを見つめた。


「いえ...殿下のお考えは理解いたします」レオナルドが答えた。「ただ、貴族院の反対も予想されます」


「それでも挑戦する価値はある」セレスティアが決意を示した。「今日、私は学んだ。善悪は単純に区別できるものではない。大切なのは、正義への意志だ」


「ホッホッホ、王女様...王族の方がそのようなことをおっしゃるとは」ヴィットーリオが意外そうに笑った。「まさか本気で私たちのために動いてくださるおつもりですか」


「まだ約束はできない」セレスティアが正直に言った。「しかし、最善を尽くそう」


村人たちが広場に戻ってきた。恐怖の表情は消え、感謝の気持ちでいっぱいだった。


「ありがとうございました!」


「命を救っていただいて...」


口々に感謝の言葉を述べる村人たち。セレスティアは深く頭を下げた。


「皆を守れて良かった」セレスティアが心から言った。「これが王女としての真の務めだ」


夕方、村では救出作戦の成功を祝う集まりが開かれた。黒狼団の団員たちと王国軍、そして村人たちが一つのテーブルを囲んでいる。


「今日は本当にありがとうございました」村長が挨拶した。「王女様をはじめ、皆様のおかげで村を救っていただきました」


「礼には及ばない」セレスティアが答えた。「民を守るのは王族の責務だ」


「しかし、考えてみれば奇妙な光景ですね」志願者の一人が笑った。「王女様と盗賊団が一緒に戦うなんて」


「確かに奇妙だな」セレスティアも笑った。「でも、今日学んだことがある。立場や身分より大切なものがあるということを」


ヴィットーリオが立ち上がった。「ホッホッホ、立場や身分より大切なもの、ですか」ヴィットーリオが皮肉めいて笑った。「王族の方からそのような言葉を聞くとは思いませんでした」


「君たちとの出会いが、私の価値観を大きく変えた」セレスティアが答えた。「今まで見えていなかった現実を教えてくれた」


「ホッホッホ、今日は興味深い一日でした」ヴィットーリオが皮肉めいて続けた。「王女様には、他の貴族とは違う...利用価値のある指導者だということが理解できました」


セレスティアは眉をひそめた。「利用価値、か」


「さて、先ほどの話ですが」ヴィットーリオが威厳を込めて言った。「私たちに合法的な組織として働けとおっしゃるのでしたら、条件次第では考えてやらないこともありません」


「本当か?」セレスティアが慎重に尋ねた。


「ホッホッホ、ただし、条件があります」


「何だ?」


「私たちの理念を一切曲げることはできません」ヴィットーリオが冷たく説明した。「富める者から貧しき者への富の再分配、これは私たちの核心的信念です。そして、貴族階級の特権は全て廃止していただく。王女様にも、庶民と同じ生活をしていただくことになりますが...ホッホッホ、それでも構いませんか?」


セレスティアは一瞬言葉に詰まった。「それは...極端すぎる条件だ」


「そんなことが許されるわけがないだろう」レオナルドが憤然として言った。「王女殿下に庶民と同じ生活をしろなど...」


「ホッホッホ」ヴィットーリオが冷笑した。「やはり王族の方々は、口では理想を語っても、自分の特権を手放すつもりはないということですね」


「そうではない」セレスティアが反駁した。「ただ、あまりにも現実離れした条件では...」


「ホッホッホ、やはりそうですか」ヴィットーリオが勝ち誇ったように笑った。「結局、王族の方も本気で変革をお考えではないということですね。口では美しいことをおっしゃいますが」


「そんなことはない」セレスティアが強く否定した。「確かに君の条件は極端すぎるが、段階的に社会を変えていくことは可能だ」


「段階的に、ですか?ホッホッホ」ヴィットーリオが懐疑的に笑った。「貴族の皆様が自分に不利な改革を受け入れるとは思えませんが」


その時、村の見張りから報告があった。


「王女様!大勢の騎士がこちらに向かってきます!」


レオナルドが立ち上がった。「おそらく、王宮からの追加の部隊でしょう」


「そうか...」セレスティアが複雑な表情を浮かべた。「ついに帰る時が来たのか」


「殿下、もうこれ以上王宮を離れるわけにはいきません」レオナルドが申し訳なさそうに言った。「国王陛下もご心配されています」


「分かっている」セレスティアが頷いた。


ヴィットーリオが前に出た。「王女様、我々はどうすれば良いでしょうか?」


「心配はいらない」セレスティアが答えた。「私が責任を持つ」


「しかし...」


「君たちは今日、村人を救った英雄だ」セレスティアが力強く言った。「それを忘れるな」


間もなく、100名を超える王国軍が村に到着した。先頭に立つのは、セレスティアが良く知る将軍だった。


「セレスティア殿下!」将軍が馬から降りて深く頭を下げた。「ご無事で何よりです」


「ご苦労だった」セレスティアが答えた。


「陛下のご命令により、殿下をお迎えに参りました」将軍が説明した。「すぐにご帰還いただきたく」


「分かった。ただし、一つお願いがある」


「何でしょうか?」


「ここにいる黒狼団の人々を、犯罪者として扱わないでもらいたい」セレスティアが要求した。「彼らは今日、村人を救うために戦った英雄だ」


将軍が困惑した。「しかし、殿下...彼らは盗賊団では?」


「事情が複雑なのだ」セレスティアが説明した。「詳細は王宮で父上に報告する。今は、彼らの身の安全を保証してもらいたい」


「...承知いたしました」将軍が頷いた。


ヴィットーリオが近づいてきた。「王女様、今回は興味深い取引でした」


「こちらこそ」セレスティアが答えた。「あなたたちとの出会いは、私にとって貴重な財産だ」


「ホッホッホ、私たちのような者との約束を、王女様が本当に守られるかどうか...見させていただきましょう」ヴィットーリオが皮肉めいて言った。


「約束する」セレスティアが力強く答えた。「時間はかかるかもしれないが、必ず道を開く」


別れの時が来た。セレスティアは愛馬フィオーラにまたがり、王都に向けて出発した。


振り返ると、ヴィットーリオたちが見送っている。村人たちも感謝の気持ちを込めて手を振ってくれていた。


「また必ず会おう」セレスティアが心の中で誓った。


王都への帰路で、レオナルドが話しかけた。


「殿下、本当にあの盗賊団を助けるおつもりですか?」


「ああ」セレスティアが即答した。「彼らには正義への信念がある。それを潰してはいけない」


「しかし、現実的には困難でしょう」


「困難だからこそ、挑戦する価値がある」セレスティアが答えた。「今日、私は真の王女とは何かを学んだ。民の苦しみを理解し、正義のために戦うことだ」


「殿下...」レオナルドが感動した。


「レオナルド、君にもお願いがある」


「何でしょうか?」


「これからも、私を支えてくれるか?」セレスティアが真剣に尋ねた。「王女として、真の指導者として成長するために」


「もちろんです」レオナルドが即答した。「命に代えても、殿下をお支えいたします」


夕日が二人を照らしていた。長い冒険の旅は終わりに近づいているが、セレスティアの真の成長は、これから始まるのだった。


方向音痴の王女は、迷子になりながらも、確実に真の指導者への道を歩み始めていた。残りの旅路で、彼女はどのような決断を下すのだろうか。


王宮での新たな戦いが、間もなく始まろうとしていた。

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