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---21--- ヒュヒュク村 精霊使いとの遭遇

 本当に嬉しそうにエラルは案内してくれている。

 全員の先頭に立ち、尻尾を嬉しそうにブンブン回している。

 表情は分かり辛いが、こうして尻尾の動きを見るだけで今懐いている感情が手に取る様に分かって面白い。

 そしてシアキは少し揶揄いたくなるのだった。


「あ!そうだエラルちゃん、言い忘れた事があるだ」


「何ですか?」


 小首を傾げ後ろを振り向き一切止まることなくそのまま歩みを進める。

 前方不注意で転倒しては危ないと思いシアキは急いでエラルの横へと並ぶ。

 またラフェルとルルもそれに合わせシアキの横へと並ぶ。


「ジュダラくんが今開かれている会議の中で村の皆に向けて、エラルちゃんの事を、俺達の半分仲間だって言っているからな。

 ・・多分これで全員エラ・・ん?どうしたエラルちゃんその動き」


 内容を聞くなり尻尾をピーンっとさせ、顔を村長(むらおさ)宅を向け目を見開きながら手と足を同じに出して、まるでロボットの様な変な歩き方となる。

 その動きを確認したシアキは少し揶揄い過ぎたかと心の中で反省する。

 そして同じ光景を見ていたルルが思わず吹き出してしまう。


「っぷふぁはははははは、なになにその歩き方~。

 ホントにシアキと居ると面白い子がいっぱいだわ~ってエラルちゃんその変な歩き方やめてぇ~っぷふぁははははははははははははは...もうダメダメそれ面白すぎるよ~っぷふ、っぷふぁはははははははは、もう緊張したらエラルちゃんはそうなるんだぁはははははもうお腹が痛いよ~っぷふぁははははははははははははは...」


 その盛大な遠慮のない笑いに釣られたのだろう、必死に笑うのを耐えていたラフェルはついに吹き出してしまう。


「っぷふふふふぁはははは、もうダメ、私も我慢してたのに~っぷふふふふぁはははは、ゴメンねゴメンねエラルちゃん笑っちゃって、っぷふ。

 でもその歩き方は反則だよ~っぷふふふ、ダメその歩きはやっぱり可笑しすぎるよぉ~っぷふふふ、ダメダメ、っぷふふふ...」


 二人に笑われて(ようや)く自分が変な歩きになっていた事に気付き、元の歩き方に戻る。


「もうシアキお兄さんが変な事を言うから変な歩き方に成っちゃったじゃないですか~で、でも、何で?そんな事を言っちゃったんですか?」


 質問を変えしてやりたかったが、思いの他、雑談をしながらだったので、村最奥の村長(むらおさ)ヒュヒュク宅の前に到着してしまった。


「取敢えずヒュヒュクの家に着いたし、まぁ~その質問の返答は後にしよう」


 質問内容への返答は後回しにとされ少し残念そうに一時尻尾を垂れ下げる。

 だが、その意味をエラルは自分なりに内容を噛砕き思い返したのだろう。

 今まで見てきた中でも一番と思われる程に尻尾をブンブン回している。

 相当嬉しいようだとシアキ達は解釈する。


 村長(むらおさ)ヒュヒュクの家も作りは周辺の家屋と殆ど一緒ではあるが唯一一箇所違う点が高床部分が周辺の家屋よりも高く周囲を板が張られて壁が作られており気配感知等は使えなくても確実に部屋が作られていると確信が持てる構造と成っている。

 一応シアキは見れないと分かってはいるが壁越しに中に居るであろう相手のステータスを確認しようと試みるが、やはりステータスは開けなかった。

 そしてシアキは少なくともこの他者のステータスを開き見る行為は、相手を目視確認出来ないと効力を発揮しない物だと今までの経験則で今の所はそう結論付けるのだった。

 まだまだ色々試し習熟度を上げれば壁が有ろうと無かろうと相手のステータスを開けるのか何処までこの能力の習熟度はあるのかが少し気になるシアキであったが今は一旦忘れて、少しでも相手の素性を把握すべきと判断し気配と生体反応とやらを感知する事の出来るラフェルとルルに協力を仰ぐ。


「やっぱり俺の能力では相手を目視しないと使えないみたいでこれ程近づいても壁越しだと相手の正確な数値とかは一切確認出来ないみたいだ。

 ラフェル、ルル、さっきより相手がどんな奴か詳細が分かったりするか?」


「私は対象に近づいても正確な位置の特定は出来ても詳細までは流石に無理です。

 確かに生体反応がこの壁の向こう側に人では者が一体居ますし角と尻尾もありますし恐らく獣人種だと思います。

 私で分かるのはそれ位です。 どうですかルルちゃん?」


 一応ルルは種族等も正確に把握済みであるが、敢えて知らない(てい)を貫きラフェルの厳冬にそぐう形で返答を返す。


「私も~シアキみたいに正確なのは正直無理だけど~ある程度なら分かるよ~。

 そうだね~今まで他種族とかに~興味なかったから~種族的な特徴ってあまり覚えてないけど~。

 角も尻尾もあるし~ラフェルちゃんの言う通り~恐らく獣人って線は捨てきれないかな~でも何だろう~凄く交ざってるって感じがするんだよね~。

 まぁ~そんなに強くはないのは分かるからさ~直接見て確認した方が早いんじゃないかな~私でもこれ位しか分からないよ~ゴメンね~。

 そう思うと~やっぱりシアキの相手の正確な強さとかを~数値的に確認出来る能力は便利だよね~

 あ!一応この中だと私達は中に居る相手に襲われても~全然余裕だよ~。

 もし相手が見境なく暴れるのなら~危険に成るのは~エラルちゃんかな~」


 その発言を聞き一瞬でエラルの尻尾が緊張でピンっと立てた後、一気に残念そうな目となり尻尾はダラリと垂れ下げてしまう。

 悲しそうにしている姿を見たシアキはルルに向け無言で真剣な表情にて「一緒に連れて行くので守ってくれないか」と目だけで訴え掛ける。

 その無言の申し出をルルは笑顔一つで受諾し頷く。


「やっぱり私は室内には一緒に行けませんね。

 少し会うのを楽しみにしていたのですが、残念ですね。

 では、村長(むらおさ)から聞いた地下への隠し扉の位置をお教えしたら、私は家の外で待ってますね」


「大丈夫、大丈夫、ちゃぁぁ~んと私が守ってあげるから~エラルちゃんも一緒に入って会おうよ~」


「え!良いんですか」


「もぉ~シアキがエラルちゃんはもう半分仲間だ~って言ってたでしょ~。

 それにシアキの案内役が外で待ってるとかおかしいしと私は思うんだよね~。

 一緒に行くけど~今から会う相手が~どんな容姿や状態であれ~脅えたり~挑発したりする行為はしちゃダメだよ~。

 これは絶対守ってね~約束だよ~」


「え!はい、約束します。 絶対そんな事はしません。 大人しく後ろに着いていきます」


 そのルルとの約束をし尻尾を嬉しそうにブンブン回し喜んでいる。

 二人の姿を見ていると、心が癒され顔が綻んでいくのをラフェルと共に実感する。

 少し笑顔を向けルルに感謝する。

 不意に笑顔を向けられ赤らむのをラフェルは見逃さなかった。

 そして少し意地悪な返答をしてしまう。


「本当に良かったですね、エラルちゃん。

 ね~、ルルちゃんも良かったですね...」


「さっきはラフェルちゃんだって、私より良かったじゃない」


 その「良かったですね」に含まれる中の意味をルルとラフェルなりに理解し悟り、赤面し慌てだす。

 何故ルルとラフェルは赤面しているのかが理解出来ないシアキはここは触れないのが得策と判断し話しを進める。


「よしエラルちゃんの事は、ルルが守ってやってくれ。よし会いに行くぞ」


 先に室内に入り地下への入り口らしいものを見渡し探すが見つからない。

 遅れて最後に入ってきたエラルが村長(むらおさ)から聞いた隠し扉のある個所へと案内する。

 室内中央にタンスが一つ置かれている。それを動かし、絨毯を退けると入口らしき扉があった。

 鍵を差し込み解錠し扉を開けると、地下へ続く階段が現れる。

 地下を覗くが光を取り入れる小窓などが一切設けられていない為だろう、真っ暗だ。


「これは真っ暗だな。光がないと降りるのは危険だな」


「光源なら私が・・」


 光源について話そうとした矢先会話を邪魔するように、地下に居る精霊使いと思われる者が声を発する。


「何者じゃお主達は!ここには現村長(むらおさ)のヒュヒュクかガオラスしか入る事は許しておらぬのじゃぞ!もし一歩でも踏み入れば攻撃をするからのぉ」


 少し会話を邪魔された事にルルは苛立ちを覚えるが、即座に地下に居る者に向けエラルが来た経緯を話し始めたので成り行きを見守る事にする。


「私はガオラスの娘でエラルと申します。

 この方達を(おさ)ヒュヒュク様よりあなた様に会わせるようにと頼まれ連れてまいりました」


(われ)はだまれ騙されぬのじゃ、お主達は(われ)を捕まえに来たのじゃろ、そうに決まっておるのじゃ。

 ここに入れば容赦なく襲い掛かり攻撃をするから覚悟するのじゃ。

 怪我をしたく無ければ扉を閉めて立ち去るのじゃ」


 地下に居る者は、どうやら聞く耳を持っていないようだ。

 どうしたら良いかと言う目線をエラルに向けてられる。

 恐らくこのままでは、地下の者は入る事を拒み続け、この問答が続くであろう。

 それは正直面倒で時間の無駄なので、皆を待たせて地下へ入いる事にする。


「ちょっと皆、ここで待っててくれ。

 このままだと永遠とこの問答になるだろうしな。先に俺が入るわ。

 ルルの言う通りなら別に攻撃されても痛くも、かゆくもないはずだしな。

 すまんがルル、俺が光源をくれって言ったら地下に光源の方を頼むな。

 あと俺が襲われても絶対キレるなよ皆、特にラフェルは今回も笑顔だぞ、笑顔を忘れるなよ」


 そう言い残し真っ暗な地下へ入っていく。

 しかし前が確認出来ない程に暗い。

 感覚だけで階段を降りきった。 眼を凝らすが、入口から漏れ入る光量だけでは相手を目視する事は一切叶わなかった。

 だが前方の光の届かぬ闇の中に居るのは間違いない。 息遣いや何者かが室内をウロウロしている微かな足音で居ると言う気配だけは確りと感じ取れる。 恐らく相手は夜目が効くのだろう的確に動いているとシアキは思う。 そして夜目が利くとはどの様な形で映っているのだと興味が湧くが相手にそれを尋ねても恐らく答えず、かりに応えられても想像だけでは実感を持つ事は叶わない事だと聞くだけ無駄だと結論を瞬時に出す。

 今だ相手から攻撃を仕掛けてくる気配はないしてこないので質問を投げ掛ける。


「どうした?入ったら攻撃をするんじゃなかったのか?。

 先に言っておくが俺は人族で夜目とかは一切効かないし、全くもって君の姿は認識出来てないからもし攻撃するなら、いつでも攻撃を仕掛けてくれていいからな。

 あともし攻撃をする気がないなら、少しだけ俺達と話をしないか?。

 俺達は別にお前を捕まえに来た訳ではないからさ、どうだ?話をしないか?」


 そう伝えつつシアキは息遣いも足音も聞こえハッキリ相手がそこに居ると分かっているのに相手の姿を目視認識出来ないが為に相手のステータスを一切開く事が叶わない事にガッカリする。

 そして内容を伝え終えて一拍おいて闇から返答が返ってくる。

 その返答は室内を転々と移動しながら話しているので非常に聞き取りにくい。


(われ)は夜目が効き、お主の喉元を的確に掻き切る事が容易だと知っておくのじゃ。

 そしてお主が嘘を言った場合容赦はせぬからのぉ、良いな?。

 確認じゃが本当に(われ)を捕まえに来たのでないのじゃろうな?」


「そんなに室内をウロウロしなくてもいい。

 彼方此方動かれながら話されたら聞き取りにくいから止まってくれ。


 それに俺はさっきも言ったが夜目が効かないし襲ったりしないから兎に角落ち着いてくれ。

 あと質問に対する返答だが本当にキミを捕まえに来てた訳じゃなく、唯単に俺達はキミと少し話がしたいだけだ」


「本当じゃろうな?。

 よし話しとやらは聞いてやるで、その場所を動かずに話すと良いのじゃ。

 それと少しでも変な行動をしたらその喉元を掻き切ってやるからのぉ」


「分かった、この場から動かないから安心してくれ。

 でも此処だと暗すぎるからさ、仲間が待つ上に行かないか?」


「それは駄目じゃ」


「そっか駄目かそれは仕方ないな。

 一応落ち着いてお互い顔を見て話しをしたかったんだが、まぁ~いいや。

 ルルすまんが光源を作ってくれ、それと皆も降りて来ていいぞ」


「待て!光源は駄目じゃ」


 地下の精霊使いが拒否の発言した瞬間地下に光源となる光の玉が作られ地下内が明るくなる。

 そしてシアキの眼前に獣人とは違う者が照らし出される。


耳が尖り細長い。

耳裏から首筋にと頬の一部に赤黒い鱗がある。

こめかみ辺りにトナカイや鹿の角の様な形状の小さな角がある。

手と足は同じ赤黒い鱗に覆われ、爪が異常に伸びている堅そうだ。

あと肘に角みたいな鋭利な突起状のものがある。

足は爪が三本あり踵部分に鋭い爪が一つ。まるで鳥類の様な感じだ。

眼が三つ、内、額に一つある。

額の眼以外は爬虫類の様に縦に瞳孔が割れている。

瞳の色は全色異なる。右目淡い緋色、左目が黄色、あと額の眼は、黒目のみ白目が無い。

尻尾は赤黒い鱗に覆われたものが臀部から伸びている。

髪は黒髪でショートヘアー。

肌の色は褐色。

顔立ちは、どちらかと言うと幼さが残る女の子だ。

胸は、ささやかだがその存在感を双胸とも主張しているルルよりは断然ある。

服装は軽装で胸を隠す為の布と皮鎧のスカートを着ているだけ。

身長は恐らく百三十~百四十センチ前半と小柄。


 その姿は、まるで鱗トカゲと女の子を足したような感じだ。

 まだ相手のステータスを開いていないのでシアキは獣人なのか?と思いながら相手を眺めていると、ルル、ラフェル、エラルの三人が階段を順に降りてきた。

 そしてシアキの前に佇む者の姿を見るなりルルは今相手の種族を見知ったと言わんばかりに声を上げる。


「お!獣人じゃなかったね~珍しい~その子って空族の竜人族の竜人じゃない?。

 ははは、そっか、そっか~その額の眼、そっか~そっか~道理でぇ~それで変な感じがしたんだね~」


 次にラフェルがその者の額の眼を見て冷たい目線を送りながら降りてきた。

 そして降りてきたラフェルを確認するなり、この竜人と言われた者の全身が赤黒い鱗に覆われる。


「ま、魔族じゃと!、や、やはり(われ)を騙したのじゃな!」


 怒りの形相でシアキの首元目掛け攻撃を仕掛けようと態勢を作ったが、ギロリとルルに睨まれ何か身の危険を探知したのだろう、慌てて後ろへ素早く飛び退く。

 そして後ろの木の壁を破壊しようと拳を壁に叩きつける為の予備動作をする。

 竜人が壁を破壊しこの場から逃げ去ろうとしているのをルルは瞬時に見抜き、一瞬でその竜人の後方に移動するなり手首を掴み逃走を阻止する。

 あまりの速さに全員唖然としながら改めてルルが凄い者なのだと認識するのだった。

 そしてルルの目付きが少し鋭く怖い印象を懐かせ口調も変な間延びを入れず、真面目モードで竜人に向け声を掛けている。


「はぁ~ホント、面倒くさい。

 別にキミを襲いに来てないし、捕まえにも来てないの。

 私の仲間を見るなり何を勘違いしてるのかな、このトカゲっ子!。

 しかもいきなり武装形態引き上げて襲い掛かるしやっぱりトカゲって単能よね。

 まぁ~私に敵わないって感じ取って、戦わず襲わず退く事を選択しすぐ逃走を図ったのは偉いよ。

 でも何?ここってキミの家じゃなくて他人の家だよね?その他人の家の壁を壊して逃げようとかって、流石に駄目なんじゃないかな?あぁ~もうイライラする。


 いい、少し睨んだのはキミが私達のリーダーを襲おうとしたからで私はキミを襲う気は微塵もないからね。

 私達の目的はそこの私達のリーダーがさっきキミと話がしたいから来ただけたって言ったよね?

 本当にこんな簡単な事すらトカゲの頭だと理解出来ないのかな?・・」


 「ラ」の名を持つ神族にとって破壊はして当り前で、この様な家屋の壁如きの破壊を一々気にするのは可笑しな事ではないのかとエラルは少し思いながらも黙って成り行きを見守る。

 そしてラフェルは凄く満足そうな表情を浮かべルルを見ながら当然だと言わんばかりに頷いている。

 何故ルルが壁一枚の破壊行動にこれ程までに気を遣う発言をし怒りを懐いているのかだが、それは拠点家屋を散々力加減を間違え壊してしまい、その際ラフェルに「理由はどうであれ」と前置きされこっぴどく怒られ色々と一緒に生活する上での約束事をさせられているので、自分は故意等関係なく破壊を制限されているのに相手が故意に破壊しようとしている事がとても我慢ならなかったのだ。

 またシアキはその現場を何度も目撃しているので敢えて此処では何も言わずもう少ししてから止めに入ろうと思って状況を見ていた矢先、ルルが眉間に少し皺を寄せ痛がった。


「・・ん?え!・何?・痛い」


 拘束の為に掴んでいる手に痛みを覚えたルルは掴んでいる竜人の手を確認する。

 全員竜人に目を向ける。 元が褐色なので気付かなかったが、その手、いやよく見ると全身魔素焼けを起こして赤黒く変色しているのをラフェルとエラルは確認する。

 因みにルルは既に知っているが敢えて知らないフリをしているのでここで初めて知った(てい)を取っている。

 あとシアキはこの世界に来てまだ日が浅く魔素焼けと言う症状自体をまだ聞いた事も見た事もないので唯単に「褐色の肌でも日焼け後が所々残って濃くなっているんだな」程度にしか思っていない。

 

「って!何その魔素焼け?」


 掴まれている手を振り解き、竜人の子はルル達と距離をとる。


「分かったなら(われ)に近づくでないのじゃ。

 捕まえに来ておらぬのなら、そっとしておいてくれなのじゃ。

 それと(われ)をトカゲ扱いするとは無礼じゃぞ、お主は何なのじゃ」


 その魔素焼けと言う症状が村長(むらおさ)ヒュヒュクが語った病気の正体なのだろうとシアキは思い、聞いた事がない単語でどういった症状が出る病気なのかは不明だが素直にルルに治せるのかを尋ねる。


「ルルその魔素焼けってどんな病気なんだ?あと治せるものなのか?」


 その問いに答えながらルルは自身の手を治療する。


「魔素は魔法使用時に体に一時的に魔素を取り込み発動させるんだけどね。

 通常は自分の魔法習熟度に合った魔法を使うから焼き付けは起こさないのコレ前提で覚えておいてね~。


 魔素焼けって言うのはね~。

 自分の魔法習熟度以上の魔法を行使し続けた事で~体が術に絶えられず体に魔素が焼き付けを起す症状なの~。

 この魔素焼けを起こした者に触れられた者は~どんなに防御力が有ろうと~もれなく負傷や害を受けるの~。


 あぁ~本当に良かったよ~シアキがもしこの子に触れてたら~怪我する所だったよ~。

 もしシアキが怪我してたら~私この子を一瞬で消し飛ばしてたよ~」


 さっき捕まえた際の真面目な口調じゃなく、いつものゆるい口調なので最後のは冗談だと分かった。

 そしてルル自身が負った負傷を治せてい居るのを確認しシアキは治せるのだと確信が持てたが、念の為ルルの口から治せると言う言質が欲しいと思い再度尋ねる。


「っで!それは治せないのか?」


「ん?簡単に治せるよ~聖術使える神族の私ならね~こんなの余裕だよ~でも治しても~この子はもう駄目よ~。

 この子、魔族の魔眼族と死の取引をして~邪眼を手に入れて~どうせ自分は死ぬのだから~って考えて強大な力を使い続けて魔素焼けしたって所だろうしね~。

 それにもう恐らく魔眼族との契約は~回収時期で~急に命が惜しくなって~こうして場所が特定されない様にして~逃げているって所だと思うから~この子を治して助けても~すぐ死んじゃうから~助けるだけ損だよ~」


「軽く(われ)の質問を無視して話しおってからに、まぁ~良いわ神族じゃったのか無礼なのも納得じゃ。

 そうじゃぞ人族の者よ、その無礼な金髪神族の言う通りじゃ。


 (われ)は千年程前にあった戦争時に、この力を手に入れたのじゃが、それから幾年の月日が流れて、もう(われ)の邪眼付与約期間はとっくに過ぎて回収時期になっての、もう五十年程余りこうして無様に逃げ回っておるじゃ。

 この森は丁度隠れるのに適していおるし、この村の代々の(おさ)とは、我を匿ってもらう条件で村の為、密かに力を貸しているのじゃ。

 こうして動いて話すだけでも疲れるでの、(われ)を捕まえに来ておらぬのなら、もうそっとしておいてくれなのじゃ」


「それ治せるんだしさ、その邪眼っての返してしまえばいいんじゃないか?」


 そのシアキの発言を聞きラフェルとルルが口々に説明をしてくれる。


「シアキさん邪眼を返す事は、そこの子の完全なる死を意味します。

 魔眼族は、他種族の眼と魔素核を集めるのを生業にしているんですよ。

 魔素核とは魔法を行使する上で重要な器官で、それを抜かれる事は文字通り死を意味します。


 それにその子の魔素焼けを治して逃走を助ければ、こちらにも魔眼族に狙われて被害が出ますよ。

 なので、こちらが助けたと魔眼族に知れると厄介事になるので、ここは治さず放っておく方が得策です」


「そだね~ラフェルちゃんの言う通りよ~。

 そんな子を助けても~何も良い事は無いし~厄介な事にしかならないよ~。

 契約期間が終われば~自身の眼球と移植した眼球と魔素核を抜かれる~って死の契約をその子は自らの意思で交わしたんだしね~。

 その契約は結んだ相手が破棄するってなら話は別だけど~確か魔眼族は他種族の眼球を集める事に固執する種族だったはずだし~何より()()()が造ったから~契約破棄ってのは~絶対しないと思うよ~」


「ふ~ん魔眼族か~...助けると厄介事になるか~...いやどの道このままこの子がこの村に居続けたら、それは、それで、エラルちゃん達を危険な目に合わせる可能性を残す事になるだろから、そっちの方が厄介じゃないか?。

 うぅ~んどうせ魔族領とかに行く訳だし契約相手を探すの正直面倒そうだが...。

 よし!決めた、魔族領に行く序でにその魔眼族って奴を探して、その契約とやらを破棄させてしまおうぜ。

 そしてそれまではキミを俺達の仲間にする。

 その契約とやらを破棄したあとはキミの自由意思に任せるから何処へでもこの村でも好きな所に行ってくれたらいい。

 この決定に一切異論は受け付けないからな、もうキミは俺の仲間にする、そう決めたからな。

 でだ、水魔法とかをキミは使えるのか?。

 これはとても重要だからそれだけは今すぐ教えてくれ」


 竜人の子はシアキを「この人族と思わる男は何を言っているのだ」と言いたげな表情を浮かべ凝視する。


―― 何なのじゃコヤツは!。

 眼前の魔族と神族達が(われ)を助けると厄介事しか無いと説明しておるのに、魔族領に行き契約した魔眼族を探し出しこの死の契約を破棄させるじゃの、それまで自分の仲間にするじゃのだとか、その様な希望を抱かせるような文言を並べよってからに!…。

 あと最後の質問は何なのじゃ?水魔法が使えるかと変な質問は...全くこの人族と何を考えておるのじゃ?。

 それに人族一名、どの種族か分からぬ神族が一名、胸糞悪い魔族が一名、と(われ)の四名で この死の契約破棄等出来るはずがないではないか!。

 もし仮にその様な夢のような事が叶った場合、下手をすれば即戦争になる事案じゃぞ。

 あぁ~もうコヤツの変な言動のせいで全然考えが纏まらぬのじゃ。


 そのシアキの質問を聞きいたルルとラフェルは互い顔を見合わせ笑う。


「ははは、もうシアキは本当に面白い発想するよね~しかもそこブレないし~」


「ふふふ、シアキさんらしい発想ですね。 本当にお風呂に入りたいんですね」


 魔族と神族の二人が楽しそうに笑顔で笑っている。

 竜人の子は混乱する頭で眼前のその信じがたいやり取りは全て自分を油断させ捕まえる為の芝居であると思わせるには十分だった。

 竜人の子は眼前の魔族(ラフェル)は魔眼族が雇った回収屋で人族(シアキ)はこの回収屋(ラフェル)が自分を油断させる為に用意した唯の駒でその言動には全くの意味がなく。この神族は回収前に自分を治癒し回復させ、回復させた状態にした眼球と魔素核を抜く為に力を貸しているのだと勝手に思い込む。

 何とかしてこの場から逃走する策を考えなければと思い周囲を目線だけを動かし見渡しルルの後ろから移動を始めた獣人(エラル)の姿が目に留まる。


―― 獣人達の恩義を仇で返す事に成るが(われ)がこの場で死ぬと魔族の軍勢が押し寄せるやも知れぬし、この獣人の子には悪いが(われ)がこの家屋外に出て村から距離を取れる位置まで逃げるまで人質になってもらうしかないかの。

 あの金髪の神族に先程一瞬で間合いを詰められたからの十分引き寄せてないとじゃな


 竜人の子はルルに悟られないように目測でエラルとの間合い測る。

 数歩近づけば瞬時に腕を掴み引き寄せ人質に出来る距離までエラルは移動する。


「シアキお兄さん? 邪眼って私でも知ってますよ。 力を得る代わりに死の契約をするってやつですよ。 あとお姉ちゃん達の言う通りその方を助けたり仲間にしたりせず関わらない方がいいと思います。

 このままこの空間に潜んで見つからない様に過ごさせてあげた方がいいのではないですか?。

 それにシアキお兄さんの最後の質問は少し変ですよ?」


 その言動を聞き竜人の子は心の中で「そうだ!関わらないでおこう見捨てようと言うのが当たり前じゃ」と呟く。


「エラルちゃん。

 シアキさんのあの表情と言動は、もうその子を仲間にする気満々なんですよ」


「だね~あのシアキの表情を見たらそうだよね~。

 もうこの子が何を言おうと私達の仲間にするみたいよ~」


 魔族と神族の口から耳を疑う言動が飛び出た事に竜人の子は目を見開く。


「え~!うらやましいです」


「ははは、エラルちゃんはもう半分仲間だよ~。

 さっきシアキがそう言ってたでしょ~。

 で!シアキ~もういいんだよね~この子を治療しても~?」


 よっぽど自身が半分仲間だと言われた事が嬉しかったのだろう尻尾をぐるぐる回しながら、竜人の子の方へと歩みを進めてしまう。

 ここに居る全員油断しきった姿であると竜人の子は確認し手を伸ばせば獣人の腕を掴めて人質に取れる距離であると認識する。

 今が逃げだす最大の好機とみて竜人の子は行動を開始する。

 目にも留まらぬ速さで手を動かし獣人の腕を掴んだと思ったが、何故か掴んだのは神族の腕だった事に一瞬目を疑い固まってしまう。


―― 何故だ、この神族はかなり離れた位置に居たはずじゃ、(われ)は確かに獣人の子の腕を掴んだはずじゃぞ一体これはどう言う事なのじゃ?...。


 竜人の子が困惑の表情を浮かべている事をルルは確認し、悪戯っ子がする様なニターっとする微笑んでみせ、竜人の子を逃がさない目的で掴まれている手を掴む。


「魔素焼けしてる手で掴まれると~流石の私でも~少し痛いんだよ~。

 もうキミはまた~何か勘違いしてるんでしょ~。

 そんなに殺気交じりで行動しちゃ~何をする気なのか~バレバレだよ~。

 ふふふ、エラルちゃんを人質にして~此処から逃げる気だったでしょ~でも、ざんね~ん、今のキミの状態で~この子に指一本触れさせないよ~。

 さてさて~シアキ~本当にこの勘違い屋さんを~治しちゃうっていいのかな~」


「あぁ~その子が嫌だって駄々を捏ねても全快迄治療してやってくれ。

 折角この村を拠点にしたのにその魔眼族って奴にその子が隠れてるって情報を知られたら、村が襲われちまうからな。

 何を言おうとその子は絶対俺の仲間として連れてく」


「はいは~い、じゃ~全身の魔素焼け治しちゃうから~キミじっとしててね~」


 そう言い、新たな仲間の空族の竜人に向かい手をかざし力を行使する。

 紫色の淡い光が体を包む。 魔素焼けしていた箇所すべてから少し弱い熱を持つ感覚がし、次に熱が引いていく。 それと同時に癒えていくのを感じる。

 そして数秒で光は消え、本当に魔素焼け全てなくなった。


「はい終わり~。

 今から手を離すけど~暴れたり~逃げようとしたり~しないでね~。

 まだ私達の事を~信用してないようだけど~うちのリーダーがキミを仲間だってそう決めたからね~私はね~仲間を傷付けたくないの~だから大人しくしてね~

 手を離したら~私達のリーダーの話を~ちゃんと聞いてね~」


 そう言い手を離す。

 手が離されると同時に竜人の子は後ろへ飛び退き、素早く詠唱し炎で模られたトカゲ《火精霊》を呼び出し、いつでも攻撃出来る態勢を整える。

 その行為を見ていたラフェルは素早くエラルを庇うように前に立つ。

 そしてルルはシアキに動くなと言う仕草を見せられたので冷たい目線を向けながらその場で一歩も動かず唯々佇む。


「魔素焼けを治してもらった事には感謝するのじゃ。

 そして(われ)はお主達の仲間になる気はないから諦めてくれなのじゃ。

 それに今の状態ならお主達など一瞬で消し炭にし、ここから逃げ新たに隠れられる場所を見つける事も可能じゃぞ。

 じゃがの、(われ)は獣人達に匿ってもらい身を隠させてもらった恩義を受けておるでの、お願いじゃ、今後もここで身を隠させてくれぬかの?」


「それは無理だ。

 俺は決めたと言ったし異論は認めないとも言ったよな。

 キミは、いやお前はもう俺の仲間だ。 その訳の分からん死の契約とやらは必ず破棄させてやる。

 もし破棄がダメならその魔眼族とやらを脅してでも仲間にして仲間が仲間を襲わないようにしてやる。

 だから取敢えずその攻撃態勢を解除してくれないか?。

 お前を気絶させる事も容易だが俺は仲間に対しそう言った行為を余りしたくないんだ。

 あとお前の名前を教えてくれ、どう呼べばいいのか分からん。

 いや分かるんだが、それはしたくないんだ」


「神族や魔族と共に行動しておるから気が大きく成っておるのかも知れぬが、何故(われ)の名を人風情に態々教えねばならぬのじゃ」


 悪態を吐いているが名を明かして迷惑を掛けたくないと目は如実に語っている。


「俺達に迷惑を掛けたくないのは分かるが呼び名がないとこまるだろ。

 時間が勿体ないし今回は緊急事態って事でお前の情報少しだけ見せてもらうな」


 ポリポリと頭を掻いて困った仕方ないと言うう表情をする。

 そして能力を使い、眼前の空族の竜人の子のステータスを開き内容を確認する。


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 フェンラ・ランドルン

  [12歳(×100)][女性][空族_竜人族_竜人]「風属性」

-----------------[上書き][削除][書き換え][接続][切断]---

[主職] 精霊使い Lv5


[副職] 

-[副職予備選択]-----------------------------------------

 邪眼使い Lv1

 打撃魔導士 Lv1 射撃魔導士 Lv1 魔撃魔導士 Lv1

-[装備]----------------------------[▼開く][△閉じる]---

----[装備済み]

 布 皮鎧のスカート 邪眼(1)

-[保有アイテム]-----------------------------------------


-[能力]----------------------------[▼開く][△閉じる]

[総体力値] 145/145(+-)(0)

[総精神力値] 82/82(+-)(0)

[回避値] 24(+-)(0)

[技量値] 35(+-)(0)

[打撃力値] 52(+-)(0)

[射撃力値] 33(+-)(0)

[魔撃力値] 42(+-)(0)

[総攻撃力] [127]

[打撃防御値] 64(+-)(0)

[射撃防御値] 55(+-)(0)

[魔撃防御値] 57(+-)(0)

[総防御力] [176]

[能力値割振り] [57] 0(+-(107)

[時限付き(1日)能力値割振り] 0(+-)(57) 

-[取得能力]---------------------------------------------

 生活魔法 精霊契約 精霊魔法 低級癒しの風魔法

 邪眼解放 邪眼能力倍増 邪眼魔力倍増 邪眼回避力倍増

 邪眼石化光 天の吐息 真空斬撃 風玉 竜人武装形態

 風精霊契約 土精霊契約 水精霊契約 火精霊契約 

-[備考]-------------------------------------------------

 この国での名前の読み方規則「 個人名+家族名」

 [竜人武装形態2段階目武装状態]

 邪眼回収を恐れ逃げ回っている 少し勘違いしやすい 

 一度認めた相手には従順 知識欲旺盛 卑猥系全般耐性無し

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「名前はフェンラ・ランドルン、歳は千二百歳で、数値はまぁ~いいかこれは。

 俺は仲間を呼び捨てにすると決めてるからこれからお前の事を「フェンラ」って呼捨てにするからな。

 あと聞きたいんだが水精霊契約ってあるが、これは水の魔法、いや精霊ってのが使えて水が出せると考えていいのか?」


「何なんじゃ、いきなり、何故?真名をどうやって知ったのじゃ?。

 我が水精霊と契約している事をなぜ知っているのじゃ?」


「それは追々話すよ。

 あとさ~フェンラって邪眼を千年前に手に入れたとか言ってたよな?。

 その割には全然習得も習熟度一のままだぞ。

 仕方ない副職に「邪眼使い」ってのを入れといてやるから少しは鍛えろ。

 恐らく習熟度が低いからその魔素焼けを起こすんじゃないかと俺は思うぞ。

 あと序でに言っておくが今の所このパーティー内ではフェンラが一番最弱だからな早とちりして敵に突っ込むとかするんじゃないぞ」


「全くお主は(われ)の話を無視してどんどん話を進めおってからに。

 あと何じゃ何故(われ)がお主の様な脆弱な人風情より弱くなるのじゃ。

 そう言う戯言は寝てるときにでも言っておくのじゃな、余り度が過ぎた挑発をすると少しお主には痛い目をみてもらうのじゃぞ」


 そうシアキが明言したのだからラフェルとルルはそうなのだと受入、納得し両者はフェンラと呼ばれる竜人に向けて真実であると態度で示す為、無言で首を横に振って見せる。


「何じゃ首を横に振りおって!それではまるで(われ)が脆弱な人族より弱い存在と言っているみたいではないか!」


「フェンラ俺は普通の人族より強いんだよ、これは事実だから受入れてくれ。

 あと信じてないかも知れないが、俺は相手の強さを数値として認識出来て、職や数値を少し俺の意思一つで弄れるんだよ。

 因みに、俺の仲間である神族のルルと魔族のラフェルのは最近見てないが、俺が記憶している数値と照らし合わせてもフェンラ、お前の数値はラフェルより下で俺との数値は差はかなり空いて下なんだぞ」


「何をぬかすか、その様な能力がこの世に存在しているなど聞いた事はないし全くもってお主の言う事は信用出来ぬのじゃ。

 あぁ~もうモヤモヤするの~どうせ口から出任せを言っておるのじゃろが、その(われ)とお主の数値とやらを言ってみるのじゃ」


「いいぞ教えてやる。 でも教えたら、もうフェンラは俺の仲間決定だからな。

 聞きたくないって言っても言うからな。

 あとこの際だ、ラフェル、ルルお前らの今の数値もちょっとだけ見ていいか?」


「いいよ~今私どれ位迄上がったのか知りたいしね~」


「私も知りたいので、どうぞ見ちゃってください」


―― 何じゃ?魔族と神族が見てくれと言っているじゃと。

 本当に相手の強さを数値として見る能力があると言う事かの...そしてこの人族は(われ)の認識外の強さを保有する人族の亜種的存在なのやも知れぬ。

 仮に真実であった場合、この者達と行動を共にする事に成ってしまうのじゃ。

 その様な事に成ればこの者達に多大な迷惑を掛けてしまうのじゃ。

 何とかして仲間に成らぬ方向に話をもっていかねば...。


 真実を語っていると悟ったフェンラは目が泳ぎ始める


「待て待て仮にそれが本当だとして、聞いたら仲間とかそんな強引な・・・」


 慌てている姿を確認したラフェルは諦めさせるべく優しく諭す。


「シアキさんは言い出したら凄く頑固ですからもう諦めてください。

 私はフェンラさんを仲間として歓迎しますよ」


 そう言い終えるとルルに目線を向ける、目線を合わせられたルルも少しつまらなそうだが諦めるように諭す。


「ラフェルちゃんの言う通りだよ~シアキは結構頑固だから~その邪眼契約を解除されるまでは~仲間なんだから諦めて私達の仲間になりなさ~い。

 シアキが仲間だって言ったんだし~私も歓迎するけど~その前に~今すぐ戦闘態勢は解除しなさ~い。

 私シアキに害なす子は~仲間でも容赦なく死なない程度に~お仕置きするよ~」


 諦めて仲間に成れば良い、歓迎すると両名に言われフェンラの心は揺れ動く。

 そしてルルは冷ややかな目を向けながら手刀の形にした右手を上下に振って見せているので、このままではお仕置きと称し軽く脳天を割られると悟り、慌てて攻撃態勢を解除する。


「分かった、分かった、お主の攻撃など食らいとうないわ。

 もう何を言っても、我を仲間にすると言うのじゃろ...はぁ~何じゃろ~(われ)は今まで生きて来てこんな強引な奴等は初めてじゃぞ...。

 はぁ~(われ)の命もここまでじゃと言う事か、腹を括るしかないようじゃな......あぁ~もう考えるのは止めじゃ残りの命尽きるまでお主達と楽しんでやるのじゃ。

 さぁ~(われ)がお主より強いと知り後悔せい。


 そして(われ)がお主より強ければ、(われ)の事を姉様と呼んでもらからの~。

 もし仮に(われ)がお主よりその数値とやらが低いと言うのが真ならば、(われ)はお主の事をご主人様と呼んで従ってやるわい」


 その発言を聞きラフェルとルルは互いの顔を見て笑い出す。


「ははは、何も自分でそんな事を約束しなくてもいいのに~。

 それ確実に呼ぶこと決定だよ~。

 でもそう呼ぶのは~ちょっと腹立つから却下だけどね~」


「ふふふ、そうですね。

 フェンラさん駄目です、そんな呼び方は私も許しません。

 シアキさんをご主人様って呼ぶんなんて、そんなうらやましい事、あ!...・・」


 少しラフェルが女子トークになったのは軽く無視し三人の同意も得たのでシアキは各々のステータスを開き内容を確認していく。

--- 21話目のみの後書き----------------------------------------

21話目最後まで読んでくださりありがとうございます。

どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。


では、次22話目で、お会いしましょう。

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