永遠
俺はカメラがなくなった騒動から少し落ち着いた。
「久しぶりにマリアの所いかない?」
「そうだな。一週間外に出てなかったからな。」
カメラが無くなって、俺の心も無くなっていた。
マリアの所に行く。
「久しぶりね。何してたのよ!」
「色々バタバタしてて中々こっち来れなかったの。あとこれ新しいぬいぐるみ作ったから。」
彼女はぬいぐるみを受け取る。
「遅くなったけど、この前行った旅行のお土産渡しそびれてた。」
「ありがとう。このポーチとか可愛いわ。」
ラウラは携帯で俺達の写真を見せる。
「二人ともラブラブね。」
「10年後にまた同じ場所で写真撮るつもりなの。」
「10年後何してるか楽しみね。それよりジョーのやつあんまり話さないけど何かあった?」
「撮影してたカメラとデータが無くなって落ち込んでいたの。」
「確かにジョーは誰よりもドキュメンタリー映画の撮影に熱狂的だったわね。私も完成した所を見たかったわ。またいつか撮るつもりはあるの?」
「しばらくはないと思う。」
「そうだな。あの日に撮ったことが意義があるからな。人の感情はいつ変わるかなんて分からないから。」
マリアの所を出て。街を散策した。車がすごい勢いで走っていた。
「うるさいな。飛ばし過ぎなんだよ。」
「今日、何かイベントでもあるのかしら。」
激しく飛ばす車が何台もやって来る。俺達も車に乗り家に帰ろうとした。ラウラは俺に質問する。
「ねえ、マリアと全然話してなかったけど、せっかく撮ったドキュメンタリーデータ消えたの気にしてるの。マリアに申し訳ないと思ってるの?」
「そうじゃないけど、久しぶりなものだから話す言葉があまり無かっただけだ。あまり気にすんな。」
そう言っても心配そうにこっちを見る。
「何だあの車は!逆走するな。止まれ止まれ!」
逆走してぶつかる。車はへこんだ。
あの事故で死んでしまった。
「ジョー!!私を置いて行かないで!こんな死に方しないで。私だけ生き残るなんて、これからどうすれば良いの。」
彼女はひたすら葬式で泣いた。彼女は誰よりも泣いていた。
デヴィッドが言う。
「この前話したばかりなのに何でだよ。また俺とのコンビで旅行する約束だっただろ。」
ジョンも葬式に来ていた。マリアまでいた。
「お兄ちゃん、また会いたかったよ。もう戻ってこないんだね。もうジョーの思う泣き虫は克服したから。」
ダニエルは冷静を保ちつつも、感情をこらえていた。両親が彼を抱きしめる。
それぞれ死んだ俺に言葉をぶつけ、涙を流したりこらえたりしていた。
悲劇的な事故から、ラウラは5歳の男の子を養子にした。それからさらに3年が経ち男の子は8歳になった。彼の名前はレオンだ。マックスは老犬になっていて、動きが前より遅くなっていた。まだ人類や他の動物も骨のままだった。
「お母さん、何作ってるの?」
「これは私が売るぬいぐるみよ。」
「今度ダニエルの誕生日だから何か作ってあげてよ。」
「ダニエルはもう12歳だから他のものが良いと思うわ。」
ダニエルとレオンはすっかり仲良しで、遠くまで冒険してはラウラに怒られていた。
彼女はある音声を聞きながら人形を見つめる。
「その人形何?」
「大切な人の人形よ。その人そのものなの。」
「誰?」
「ジョーって言う人よ。今はここにはいない大切な人なの。これは私の宝物だから、絶対に触らないで。」
彼女もレオンも人形を見つめる。
「僕、いつかその人形のロボットを作る。」
「良いね。レオン、その時まで待ってるよ。」
書斎に行き、カメラで撮影してひたすら人形に話しかけた。
「あなたは今、何をしてますか?今のあなたを教えてください。」
ラウラは新しく映画を作ることにした。




