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【完結】眼鏡ギャルの近間さん 〜陰キャの俺がギャルと友達になれたのは、眼鏡女子が好きだったお陰です〜  作者: しょぼん(´・ω・`)
第四章:波乱の夜

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第五話:ハプニング

「だ、だって! 深夜とか明日に悪化しちゃう可能性もあるじゃん! だ、だからその、わざわざ友達との約束断ってでも、一緒にいて看病しようって、思ったわけだし……」


 真っ赤になったまま、必死に理由を俺に伝えてきた近間さんだったけど、途中からまたしおらしくなっていく。


 ……よくよく考えてみたら、今晩だけの看病なら明日の約束を断る必要もない。

 って事は、最初から泊まる予定だった?

 え? つまり?


「まさか、お母さんもOKしたの?」

「う、うん。一応、何かあったらって事で、近間君の家の住所は教えちゃったけど……」


 ……マジか……。

 い、いや。住所教えたとかは別に構わない。構わないけど……。


 またも言葉を失い、お互いちらちらと様子を伺う俺達。

 ……それでなくたって、彼女なりに一生懸命俺のことを考えた上でここまでしてくれてるんだし、追い返すってのは悪いよな。

 でも、泊まる……泊まるのか……。


 変な空気になった中での追い打ちに、俺は正直混乱していた。

 でも、このまま沈黙ってのは正直しんどい。


 も、もう決まっちゃった事は仕方ないんだし。お、俺が覚悟だけすればいいんだよな。別に、看病だけなんだし……。


「じゃ、じゃあさ。ま、まずはお風呂にでも入ってきなよ」

「あ、う、うん。そうだね。ちょっと行ってくる。遠見君は、大人しくベッドで待っるんだよ?」

「う、うん。わかった」


 俺の助け舟に、近間さんは顔を真っ赤にしたまま硬い笑みを浮かべると、そそくさとベッドから降り、こっちを振り返る事なくそのまま寝室から去っていく。

 それを見届けた俺は、一人になれたことでちょっとほっとした。

 とはいっても、恥ずかしさで火照った顔はそのままだし、頭だってまだ整理がついてない。


 ……今まで家に友達が泊まりに来たなんて経験は、両親と暮らしていた時ですらない。

 それがよりによって、一人暮らしの時に近間さんが泊まるのか……。

 そんな現実を考えた時、はたとある事に気づいた。


 ……何か以前、ラブコメ漫画か何かで見なかったか?

 主人公が両片思いの相手と一晩過ごすことになった時、さっきみたいな台詞を恥ずかしそうに口にしてたような……。


 脳内にそのシーンを思い返してみた瞬間、その彼女に近間さんが重なる。

 確か、漫画じゃあの後、一緒のベッドで寝る事になってたよな……って……いや、それは流石に……っていうか、近間さん、そういう勘違いをしてないよな?


 い、いや。流石にそれはないか。

 だ、だって俺達友達だし、まだ二人っきりで逢って二日目だし。

 だけど、近間さんのほうが友達とからそういう話を聞いてて、勝手にそっちを想像して心の準備をしてたりとか……いやいやいやいや。


 もう、正直頭が大混乱。

 恥ずかしすぎて顔を抑えたまま、ベッドで悶えるようにごろごろと左右に転がった俺は、暫くそんな煩悩に苦しめられたんだ。


      ◆   ◇   ◆


 あれから数十分後。

 少し心が落ち着いた俺は、やっとある現実に気づいた。

 俺、一緒に寝る必要ないじゃんって。


 なぜかといえば、寝室の押入れに来客用の布団類があるから。

 元々両親とかが泊まりに来る時用の物だけど、別に今使っちゃいけないって事はない。

 これを居間に引いて、彼女に寝てもらえばいいだけだよな。


 心の安心を手に入れた俺は、すぐさま行動を起こした。

 押入れから敷布団、掛け布団に毛布。そして枕を出し、一旦俺のベッドの上に置く。

 まだ体調はよくないものの、身体の気怠さもあまりないし、これくらい運んだりとかは大丈夫かな。


 そしてそのまま居間に向かうと、彼女の宿泊用の荷物がまとまっているであろう見慣れないボストンバッグと部屋の中央に置いたテーブルを部屋の隅に片付ける。

 後は寝室から布団を持ってきて順に引いてっと……。


「よし」


 これでお互い安心して寝れるな。

 俺は手際よくそこに寝床を作り終え綺麗に整えた後、ほっと一息()いた。


 さて。近間さんに怒られる前に、ベッドに戻っておくか。

 そう思いながら居間を出た俺は、ほぼ同時に洗面所のドアの影から姿を見せた近間さんと鉢合わせ──。


 ……え?

 彼女を見た瞬間。俺の思考は一瞬で吹き飛び、目を丸くし動かない彼女に倣うかのように固まった。


 頭にタオルを巻き、眼鏡をした近間さん。

 だけど……その、何故か身体はバスタオルを巻いただけ。大事な所は隠れてるけど、湯上がりの上気した肌を存分に晒している。


 隠しててもわかるスタイルの良さ。

 バスタオルからはみ出た胸の谷間や太腿も、妙な艶っぽさがある。

 衝撃的過ぎて、顔を真っ赤にしながらも目が離せなくなっていた俺を我に返したのは。


「キャァァァァァァッ!」


 そんな近間さんの悲鳴だった。


 って、何ガン見してるんだって!

 ハッとした俺は、慌てて彼女に背中を向けた。

 

「なななな、何で遠見君そこにいるの!? ま、まさか、あたしの下着を見ようとか──」

「してないしてない! 近間さんが泊まるっていうから、寝床の準備をしてただけだから!  それより近間さんこそ、なんでそんな格好で洗面所から出てきたの!?」

「え? あ、その、えっと……」


 俺を責めるような強気さから一転。

 俺の質問にしどろもどろになった彼女は、消え去りそうな声で、こう口にした。


「下着、持ってくるの、忘れちゃってて……」


 忘れた……って事は、あのボストンバッグに入ってたって事だよな?

 だから勘違いされたのか……って納得してる場合じゃない。

 流石に近間さんを、ずっとあんな格好のままにしておけないだろ。


「そ、そっか。じゃ、じゃあ俺、寝室に戻るから」

「う、うん」


 俺は彼女に背を向けたまま、壁伝いに居間から出ると、そのまま振り返らずに寝室に移動しドアを閉める。


 やっと一人に戻りほっとしたのもつかの間。

 近間さん、ほんとスタイル良かったな……なんて思い返してしまった俺の頭に過ぎったのは、夢の中の彼女の言葉。


  ──「じゃーさー。遠見君の初めて、貰っちゃおっかなー」


 ……おいおいおいおい!?

 何このタイミングであんな言葉を思い返してるんだよ!


 彼女のあられもない姿や、夢で見た誘うような妖艶な笑みが頭に過ぎってしまい、俺はぶんぶんと頭を振る。

 けど、恥ずかしさも煩悩も全然振り払えなくって。俺は勢いよくベッドに身を投げると、またもごろごろとベッドで落ち着きなく左右に転がり、またも煩悩を必死に振り払う羽目になったんだ。

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