これから
フォルとルミルの目の前には動かない赤蟻の死骸が横たわっている。
戦いが終わり、直ぐにでも横になりたいが、他のアリ達が赤蟻の死骸に気付いたら復讐しに他種族の所に攻め込んでくるかもしれない。だから赤蟻の死骸を土に埋めて隠す必要があった。
フォルは魔法で穴を掘ってそこに赤蟻を放り込む。
沢山の仲間を殺した赤蟻は死んだ。これから土の養分になるかどうかは知らないが、もう見ることはないだろう。フォルの復讐は終わったのだ。
「フォルはこれからどうするの?ホビットの村に帰る?」
赤蟻を埋め終わった後、ルミルがフォルにそう聞いてきた。
それもいいな、とフォルは思う。
だけどフォルは村に帰るつもりはない。外の世界を旅することで、世界の広さを知ってしまったからだ。
ドワーフ達との会話は楽しかったし、ホビットの村にいたままだったら一生見る事はないだろう景色も沢山あった。
村に戻っても太陽の光が当たらない地下暮らしが待っているだけだ。今となってはそんなのもう我慢できない。
「いや、俺は冒険者になるよ。色んなところを旅してみたい。」
「それいいね。私も一緒に行っていい?」
「別にいいけど危険だぞ?風呂とかも滅多に入れなくなるだろうし。」
「危険なのは充分わかってるつもり。それにドワーフはちょっと前まで殆ど風呂に入らなかったから、そんなのは気にならないよ。」
ルミルは笑いながらそう言った。
ドワーフの村には今でこそ温泉があるが、フォルが来るまでは数日に1回水浴びをする程度の事しかしない種族だった。
「そういえばそうだった。」
「フォルのおかげで皆、風呂好きになったからね。」
「最初のドワーフ達、失礼かもしれないけど臭かったからなぁ。」
「本当に失礼だね。否定はしないけど。」
フォルとルミルは互いに笑い合いながら立ち上がった。
「まずは何処にいくの?」
「そうだな、まずはホビットの村に赤蟻を倒した事を伝えに戻って、その後はエルフの村に行こうと思ってる。」
「エルフの村か、一回だけ行ったことがあるから案内は任せてよ。」
「おう、期待してる。」
フォルとルミルは荷物を纏めると歩き出した。
2人の旅はまだ始まったばかりだ。
中途半端かもしれませんがこれにておしまい。




