その2
「被告は事件のあった翌日には警察の事情聴取を受けています。被告は事件現場に免許証を落としてしまったからです。警察は難なく被告にたどり着き、あなたの証言で被告を逮捕した。警察としては苦も無く殺人事件を解決した。
そして、あなたは目撃者として、顔を隠し、音声を変えてニュースでたびたび出た!」
「はい」
「その時、あなたは左手を盛んに掻いていたのを覚えているのですが・・・。覚えていますか」
「はい」
「間違いありませんね?」
「はい。まちがいありません」
「何かにかぶれた?」
「はい、何にかぶれたのか分からないのですがかぶれてひどく痒かったのです。皮膚科では何か植物性のかぶれだろうと言われました。
でも、どこで、何時、何にかぶれたのか今でも見当がつきません」
「四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所にはハゼノキが生育しています。
福島出身のあなたは知らないと思いますが、ハゼノキは漆科の樹木で漆ほどではありませんがかぶれます。
昨日の日曜、私は暇だったし、今日のために事件現場を見てきました。
そして、私は被害者が倒れていた思われる場所の近くにハゼノキを見つけました。
・・・。
あなたは事件のあった翌日には植物性のかぶれに悩んでいた。
どこで、あなたは何にかぶれたのか分からない。ハゼノキはこの地方でもやたらとある木ではありません。
あなたは林の中には入っていない。つまり、現場のハゼノキには近づいてはいない。だから、現場のハゼノキでかぶれることはないはず!
何度も同じ事を言いますが、ハゼノキはやたらとある木ではありません。
では、あなたは現場のハゼノキ以外、何処でかぶれを引き起こす木に触れたのか?
説明してもらえませんか?」
「・・・」
「あなたは先ほどの証言の中で五度、“あの男”と言いました。私はその言い方に敵意、それも激しい憎しみを感じました。だから私は最初の質問で、あなたに“あの男”と知りあいなのか尋ねたのです。
・・・。
事情は分かりませんが、あなたは被害者を知っていた。それも、被害者に激しい憎しみを抱くような事情があると私は思うのですが・・・」
「・・・」
「・・・」
法廷に重い沈黙が流れた。
裁判官はこれからとんでもないことが起きることを確信し、検事は悪い事が起きることを確信し、弁護人は興奮した。一発逆転だ!
「そうよ、あの私が!」沈黙の後、証人がついに口を開いた。
愚かなミスでその1とその2、同じものを投稿していました。すみません!
貴重な読者の感想で、それも感想をもらって数日して、ようやく気が付きました。
愚かでした。
今後は十分気を付けますので、今後ともよろしくお願いします。




