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護衛騎士の祈り

 聖女様の護衛を勤めていたある日の事。事件はおこった。おこってしまった。


 聖女様であり次期公爵夫人となるヒカナ様のお食事に毒が盛られたのだ。オレの目の前で倒れる護衛対象のヒカナ様。その姿にオレは頭の中が真っ白になる。


 悲鳴や慌てふためく食堂内。

 昔、誰かが言っていた。自分より慌てている人を見ると逆に落ち着くと……

 オレは深呼吸をして数秒間目をつぶり、頭を落ち着かせてから目を開け、周囲を見渡す。



 先ずは、聖女様の治療。

 それから料理人と給仕を拘束。特殊な毒が使われていたら……毒の特定が必要になる。絶対に犯人を逃すわけにはいかなかった。



 拘束されていく容疑者候補達。



 指示を出し終えたオレは聖女様に駆け寄り、状態を確認する。


 ……まずい!

 毒のまわりが早い。


『解毒が間に合わない……』とそんな最悪の事態が頭をよぎった正にその時、



「エリクシールです」



 と、メイド長が赤い小瓶を手に走り寄る。


 小瓶の封を開けて中の液体を聖女様の口に入れる。エリクシールを使い、ホッとひと息つくとメイド長は言う。



「これで命に別状ないはずです。ただかなり強力な毒のようですので定期的にエリクシールの摂取が必要かと思われますわ。

 ヒカナ様をお部屋へ……」



 メイド長はオレを見つめて聖女様の移動を指示する。

 オレは頷き、聖女様を抱き抱え、聖女様の寝室へと移動する。



 聖女様が意識を取り戻すその瞬間まで彼女を見つめ、無事を祈り続けた。


公開が予定からだいぶおくれました。すいません。

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