第六章 ゴブリン脱出作戦後の猟兵隊祝勝会
昼間にゴブリンを乗せた巨大お椀で空を飛ぶのはアレなので、夜になるまで居住区で長老と斥候隊に面倒を見て貰うことになった。それまで私達は居住区の一角で行われた猟兵隊の酒盛りに参加した。
「皆の頑張りのお陰で全員無事に帰って来られた。ゴブリン達も救出した。本当にようやってくれた。猟兵隊の任務の性格上、表向きには出来んが、当代陛下には間違いなくそなたたちの働きを伝えておく」
乾杯前の挨拶はヘンリー様だ。
「ああ、ルイス隊長。この件に関わる報告書は、猟兵隊の活躍を少々大袈裟に書いておいても良いぞ。儂とエレノアが本当だ、と言ってやるからな」
盛大な拍手が上がる。
「その代わりに、儂らが少々活躍したと書いておいてくれんか。今後、儂らが遠出する度に、陛下に嫌な顔をされずに済むかもしれん」
山賊共が大笑いしている。
どっちにしろ、こっそり抜け出す癖に良くも言えたものだ。
王都に行った時に、酔っぱらった当代陛下に散々愚痴をこぼされたんだぞ。
「それから、マルセロ商会の面々にも世話になった。商会長には礼を言う」
マルセロさんがニコニコと頭を下げる。今回は救出隊の本隊として、無事にゴブリンの群れを救出した。いわば作戦の第一功労者だ。
「アドルフ町長も良くやってくれた。そなたが今まで素地を作ってくれておらなんだら、今回の作戦も、今後の展望も見込めんかった。心から礼を言う」
考えてみれば、ゴブリンと共に暮らしたいと言うロビンソンさんのいわば我儘を、群れの移住という形で実現させたのはアドルフさんだ。つまり、全てのきっかけを作ったと言える。しかも、王都へは事後報告だったらしい。
そのアドルフさんは、丁寧にお辞儀をすると私達の方を見た。何故か、ベアトリクスがガッツポーズをしている。
「では、ルイス。待ちに待った瞬間だ。頼んだぞ」
ルイスさんの音頭で、盛大な乾杯が行われた。




