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「なぁ、俺達これからどうなるんだ?」
「やっぱり戦わなきゃいけないのかな?」
俺達は、いや、竜の森の市場は今領主軍に囲まれていた。領主軍といってもほとんどが私兵や町のチンピラなのだがこうなってくると領主、いや貴族との戦いを覚悟しなければいけないだろう。
使者が来てから数日後、領主が私兵を引き連れて市場へやって来た。目的はもちろん市場を支配し金を巻き上げる事だろう。市場の人達はフレイの町の住人やギルドの人達からの情報ですでに避難していた。避難と言っても竜の森に身を隠しているだけなのだが。竜の森の入口近くならあまりモンスターは出ないのだが一応冒険者に護衛してもらったりしている。
俺達も避難出来れば良かったのだが、避難した人達と違い孤児院含めて森近くに暮らしているので市場が支配された後、孤児院や牧場の方に気付くのも時間の問題かもしれないので子供達に被害が及ばないように市場で対処することになった。まだ孤児院や牧場は領主達にバレてないはずだからね。
対処といっても戦いになる可能性が大きいのでここにいるのは戦える子達だけだ。そのほとんどは冒険者組だが、年長の生産組も院長先生の護衛として来ていた。危険だと言ったのだが市場の代表だから、子供達だけを危険な目に会わせるわけにはいかないと院長先生も市場に残っている。
残っているのは孤児院組だけではない。商業ギルド、冒険者ギルドの人も何人か残っている。彼等は国に関係のない組織のため、領主に襲われたという証人になるために残ってくれたのだ。まぁ、証人になるためには生き残らなければならないんだけど、冒険者の護衛も何人かいるのでなんとかなるだろう。というかなんとかしてほしい。
領主達が武装して来るというのは色々なルートから情報が来ていたので市場の中、柵の内側に冒険者組と従魔達が陣取って待ち構えていた。弓を射られたら簡単にすり抜けちゃいそうだけど、そのときは魔法で土壁を作ったりすればいいだろう。
領主軍は市場から50メートルほど離れた位置に陣取った。戦争ならもっと離れた所に陣取るのだろうが市場を制圧するだけだし、そもそも人数も50人位しかいないのであまり離れる必要性がない。というか従魔を合わせたらこちらの方が人数が多くなるんだけど領主軍はなんとかなると思ってるのかな?
しかし、集まった領主軍、なんか統一感がないなぁ。剣や槍なんかは同じのを使ってるみたいだけど鎧なんかはバラバラだ。兵士や騎士の姿は無いみたいだけど領主として大丈夫なのか?
「最後通告だ! ここは我が領地、我が領の法に従うのだ!」
領主軍を見ているといつの間にか人が出てきて大声を出していた。領主ではないから大声が得意な人なのかな? こちらからはギルドの人が出て拒否の言葉を言っている。
「こんなもんさっさと壊しちまえばいいんだよ!」
お互いの代表が大声を出しあっていると領主軍の端の方で何か聞こえたと思ったら何人かが攻めてきた。端の方は私兵ではなくチンピラなのだろう、自前の武器を手に柵へ近づいていった。
「「「「「ガルルルルッ!」」」」」
チンピラが武器を振り上げた瞬間柵の中から狼達が飛び出し一瞬でチンピラを倒していた。
「な、なんだ!?」
「ちっ! グレイウルフか!?」
「お前らそんな狼なんざ殺しちまえ!」
チンピラが倒された事に怒った領主軍はこちらに向け攻撃をしようとした。
「ワォ~~~~~~~~~ン!」
その時クイーンが大声で吠えた。クイーンが吠えるとどこに隠れていたのか狼達が領主軍の横から現れて領主軍を半包囲してしまった。
「なっ! なんでこんなにたくさん狼がいるんだ!?」
「か、囲まれたのか?」
「ちきしょう! どうすんだよ!」
「狼なんざ、何匹いたって問題ないだろ!」
ただでさえ市場に同じくらいの数の狼が居たのに新たに現れた狼によって倍近くの人数差になった領主軍は慌てだし、焦った領主によってクイーン率いる狼達と全面戦争開始! と思った瞬間、突然腹の底に響く巨大な鳴き声が竜の森に響き渡ったのである。




