表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/314

208

「すげぇ良い匂いだな」

「クゥ~ン」

「「「ハッハッハッ!」」」


クルスくん、クイーン、子狼達が尻尾を振りながらロッククラブに近付いていく。


「いいにおいなの!」

「お腹すいたにゃ」

「にゃぁ~」


声のする方を見ると猫三姉妹が匂いに釣られてフラフラと歩いていた。

確かにこの匂いは強烈に空腹を誘う。


「なあ、これ食べれるのか?」


我慢できなくなったクルスくんが誰に言うでもなく質問してきた。毒が無いのはわかっているが食べられるかは別問題。俺はこの中で一番詳しそうなおじいさんの方を向くが


「ふ~む、儂も知らんのう」


とのこと。こういうときは冒険者ギルドで聞くのが早いのだが、近くに知っていそうな人がいるのでまずはそっちに行ってみよう。



「それはお前達が倒したのか?」


カニの事を聞こうと漁師さんの所へ行くとすぐに声をかけられた。それというのはクルスくんと猫三姉妹が担いでいるカニの事だろう。


「はい、そうです。それで、聞きたいことがあるんですけど……」

「ああ、その前にそれはロッククラブだな? お前達岩場にいったのか? 見たところ怪我してる奴はいないみたいだが、あそこはロッククラブが隠れているから危険だ! 近づかない方がいい」


どうやら心配してくれたみたいだ。まぁ、子供ばかりでモンスターと戦ったのだ。当然だろう。


「やっぱりあそこ、危険なんですか? クイーン……うちの従魔のおかげで気付いたんで大丈夫でしたけど危ない場所ですね」

「ああ、強さ自体は大したことないんだが、見つけ辛くてな。お前達に教えておけばよかった、すまんな」

「いえいえ、怪我も無かったんで気にしないでください。それで、このロッククラブ? って食べられるんですか?」

「こいつか? もちろん食えるぞ。茹でても焼いても美味いな!」


「ほんとか!?」

「わ~い」

「にゃ!」

「にゃあ!」


漁師さんの言葉にクルスくん猫三姉妹は大喜びだ。

今食べてもいいのだが、俺達だけで食べると商人組、冒険者組が可哀想だ。それにカニは食べたい。狩るしかないだろう。


「あの、ロッククラブの狩り方とかありますか?」


そう言って漁師さんにカニの狩り方を聞いてみた。このカニが危険なのは見つけられないことなので、見つけられればハサミに注意するだけでわりと簡単らしかった。



「じゃあ魔力の所に攻撃するよ!」


俺は岩場で近くにある反応から魔法で石をぶつけていった。火や雷でも良いのだが加減を間違えると焼きガニになってしまうのでしょうがない。

石を何度かぶつけると怒るのかロッククラブはハサミを持ち上げるのでそれを目安に行動する。



「おりゃ!」


クルスくんが振り下ろしたハンマーがロッククラブの頭? 辺りにめり込み倒すことが出来た。

これが倒し方の一つ。ただ、これをやると茹でガニがし辛いと思う。


お次は少しばかり面倒だが、丸々ロッククラブを手に入れることが出来る。ただ、ちょっと危ないのでクルスくんとクイーンに頑張ってもらう。

手順としてはクイーンが背中から押さえつけ、クルスくんがハサミを紐で結ぶだけ。

近づかなくてはいけないので危険度は上がるが慣れればやり易いらしい。


ロッククラブがその場からほとんど動かないのを良いことに時間の許す限り俺達は狩り続けた。そのおかげで大量のカニを手に入れる事が出来たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 何処のお話でも( ノД`)…蟹は不遇じゃの~( ノД`)… 食われるばかりじゃ(-.-)y-~旨いけど
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ