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「ふむ、なかなか美味いのぅ」
「暑い日や特訓の後にはいいかもな」
「あったかいほうがおいしいよ……?」
俺は作ったばかりの冷蔵庫をさっそく使い飲み物を冷やしてみた。その味見としておじいさん達に飲んでもらった。おじいさんにはミルクではなく葡萄酒を飲んでもらった。ミルク以外でも色々試してみたいからね。
「これは他の酒も試してみるのも楽しみじゃ!」
日本でも大抵のお酒は冷やしていたのでやってみて正解だったようだ。しかし、この世界にはあまりお酒の種類は無いので冷やせる物は少ないので狙い目はエール辺りか?
本題のミルクだがこれは賛否両論、というか好き嫌いがでた。まぁ冷たい飲み物に慣れていないのもあるとは思うのだが妹ちゃん筆頭に孤児院の子供達はホットミルクがお気に入りなのが原因かもしれない。その後も冷たいミルクを飲ませていたがお腹を壊す子が何人か出たのでミルクを冷やすのは保存する時だけになってしまった。
「この魔道具は売らんのか?」
冷蔵庫がうまく機能したのでいくつか形を変えて作っているとおじいさんから質問された。
「う~ん、正直あんまり売れないかと……。孤児院でも使い道が限定されてるし……」
「里の者からの評判はいいんじゃがのう……」
シャルちゃんにも試してもらったのだがやはりミルクやお肉を冷やす位しか冷蔵庫は使われなかった。特に冷やすものが無いのが原因だと思うのだが……。
逆に冷えたお酒に喜んだおじいさんはいくつかの冷蔵庫をお酒と一緒に他の龍に渡したそうだ。そのなかでも冷えたエールや葡萄酒は評判だとか。ついでに蒸留酒に氷を入れて飲んでみるよう助言したら、それも気に入ってもらえたようだ。ちなみに氷は自分達の魔法で出してもらっている。
というのも作った冷蔵庫は冷凍機能が無いので氷は作れないのだ。冷蔵庫は簡素な箱に氷を作る魔道具と風を出す魔道具を合わせただけの簡単な物だ。つまり電気冷蔵庫が出る前の冷蔵庫だ。この単純な冷蔵庫にしたのは冷気を出す魔道具よりも簡単に作れるからだ。龍達に氷を出させたのは氷を出す魔道具を使うより自分達で作った方が早いし楽なためだ。
「美味しい~」
「冷たいね!」
「あ、頭が痛い……」
冷蔵庫があまり評判が良くなかったので氷の魔道具を作ったついでにかき氷を作ってみた。シロップが無いので果汁やハチミツをかけて食べたのだが思ったよりも評判は良かったようだ。ただクルス君をはじめ男の子数名は早食いをして頭を痛めていたようだが……。
それと子供達向けにアイスクリームに挑戦してみた。ミルクに卵に砂糖……は無いからハチミツで代用。ハチミツを入れると固まらないかもしれないので上からかけるようにしてみよう。
もちろん作るのはシャルちゃん達にお任せだ。知識としては知っているが作ったことなどないからね。きっとシャルちゃん達ならアイスクリームだけでなく、何か新しい物を作ってくれるかもしれないと期待している。
「なあ、氷の魔道具って高いのか?」
魔道具作りをしていると冒険者組から質問された。
「ん~、どうだろう?作りとしては火や水が氷に変わっただけだから安いとは思うけど……」
「なら俺達にも作ってくれるか?」
どうやら冒険者組は氷の魔道具を森で使いたいらしい。使い道は夏場肉を冷やすためらしい。確かに夏場は肉が傷むのが早いため帰りに狩った肉しか持ち帰っていなかった。
「シュウがいる時はいいけど、いない時は肉を持って帰れなくてもったいないって思ってたんだよ。魔法の鞄もあんまり使うわけにもいかなかったし」
確かにもっともだ。今は肉の需要が増えているからなぁ。まぁ、氷の魔道具の希少性はわからんがいざとなったら壊せばいいので冒険者組に氷の魔道具を作ることになった。
「孤児院テイマー」
HJノベルス様より発売します。
発売日は2019年5月24日金曜日です。
というか、もう今週発売です!
アニメイト様、とらのあな様、メロンブックス様、ゲーマーズ様では特典も付きます!
宜しくお願いします!




