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あれから半年ほどたった。
9級冒険者の二人は無事にランクアップをし、8級に上がることが出来た。
そのお陰で依頼内容も変化し、討伐依頼のモンスターの種類も増えてきた。
まだ見たことのないモンスターもいくつかあったが、アイテムボックスの肥やしになってたモンスターもあったので問題にならない程度に出していった。
半年の間に俺を含め誕生日を迎えた子がおり、その中の冒険者予定の子も無事に15歳となり冒険者になることが出来た。
8級二人に10級一人とはいえ冒険者が三人になったので冒険者ギルドからとあることを提案された。
「パーティーの名前?」
「あぁ、これからも同じ仲間で行動するならパーティー登録した方が良いんだって。」
おじいさんの所でお昼を食べながら冒険者ギルドでの話を聞いていた。
なんでも新人を抜けた冒険者はほとんどが複数人でパーティーを組むのが普通らしい。
パーティーを組むことによるメリットデメリットはあるがそれでも組む方が良いらしい。
どんなメリットデメリットがあるか聞いてみたらメリットはパーティーランクというものが発生し低ランク冒険者が上のランクの依頼を受けられるようになり、早くランクアップ出来るようになったり、複数人で行動することによりモンスターと戦う時に一人よりも安全に戦えるようになったりすることだという。
後はチームワークが良くなる事かな?
デメリットとしては、個人で受けた依頼の結果が良くも悪くもパーティーの評価に繋がることかな?
報酬の分割でも揉めるが、それはパーティーでも野良パーティー(依頼毎に組むパーティー)でもあることだから判断が難しい。
「名前の希望とかはあるの?」
「特にはないな。」
「どんなのがあるのかな?」
「聞いた感じだと火や炎、光なんかを入れたのや武器や防具の名前を使ったものが多いらしいぞ。」
「自分達の特徴や目標なんかをパーティー名にするのも指名依頼しやすくなるって聞いたな」
「なるほど…。」
「じゃあさ、カッコイイ名前にしようぜ!」
クルス君が言うとイリヤちゃんは
「可愛い方が良いわよ!」
「おにいちゃん!」
それはパーティーの名前かな?妹ちゃんよ。
その後も話し合いを続けたが全員が気に入るパーティー名は出ず、お昼を食べ終えた頃におじいさんが言った。
「決まらんのじゃったらもうお主らの孤児院の名前で良いんじゃないのか?どうせ孤児院の人間しかパーティーにいないんじゃろ?」
静まり返る部屋だったが
「そりゃいいな!」
「そうね、わかりやすいわね。」
「あい!」
「うん、良いんじゃない?」
皆が口々に賛成の声をあげ、三人のパーティー名が決まった。




