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ー閑話 ~シャルロッテ・シュテルネンの怒り 前編 ~-

長くなったので2話に分けます。

2話目は本日8時に投稿致します。

王都が突然襲撃され、その事にはとても驚きましたし恐怖もありましたわ。

でも、プランツェ王国の騎士や魔法士はとても優秀ですもの。きっとすぐ解決して下さると思い、屋敷でカール様とお義母様と一緒に過ごしていましたわ。

ただ、既に外出をしているミーナの身が心配ですわ。騎士か魔法士に保護されているといいのですが、それもそれで心配を煽られてしまいますわね。あの脳筋な騎士団団長がミーナを引っ張りだしていなければいいのですが…。


そんな心配をしていると、私兵の内の何人かが重傷を負ったとの知らせが届きましたわ。

カール様がその方々の様子を見に行かれていると、周辺一帯が銀色の光に包まれましたの。とても驚き、お義母様と手を取り合っていましたが、お義母様が小さな声で‘まさかミーナ…?’とつぶやかれました。

この光の原因はミーナなのですか?

と言うよりお義母様は魔法の才が無い筈ですのに、何故お分かりになるのでしょうか?


「お義母様、この光はミーナの力なのですか?」

「勘ですがおそらく。ミーナの魔力は銀色だったとお義父様が言っていましたし…。」


お義母様、勘ですか。流石元野生児と言われていただけの事はありますね。お義母様の武勇伝は、お父様からいろいろ聞かされていましたわ。

そんな事を思っていると、カール様が慌てて部屋に入ってきました。


「今の光はなんだったか分かりますか?」

「私はミーナの力ではないかと思っているわ。」

「………」


カール様が突然難しい顔をされて、考え込んでしまいましたわ。どうされたのでしょう?


「カール、兵士の皆は大丈夫そうなの?」

「…その事ですが、今は大丈夫です。」

「その言い方ですと、この後は大丈夫では無い様な言い方ですね。」

「…先程の銀色の光が周辺一帯を包んだ時に、全ての傷が治り、意識を失っていた者も意識を取り戻して、通常の様に動けるようになっています。」


私とお義母様は絶句するしかありませんでしたわ。

だって、回復や治癒に関する魔法は今まで存在しなかったのですから。

もし本当にミーナの力だったとすれば、ミーナはこれからどうなってしまうのでしょうか?

不安な気持ちを抱えつつ、お義父様達が帰られるのを待ちましたわ。


お義父様が帰られて状況を説明されると、やはりあの銀色の光はミーナの力だったとの事ですわ。

そして、ミーナは無意識に力を使った事により、魔力枯渇を起こし命の危機に瀕しているとの事でしたわ。

どうして、成人前の女の子であるミーナが前線に出される事態になっていたのかは、私とお義母様が猛烈に怒り狂いましたわ。

だってそうではありません事?大切な妹を知らない間に前線に出すだなんて。

騎士団はそんなにも不甲斐ない事になっているだなんて。お腹の子の出産が終わったら、お義母様と騎士団に乗り込んで、のして差し上げましょう。


その後も、ミーナは意識を取り戻せずに、ずっと王宮にて保護されています。

一目顔だけでも見たいと思い、カール様とお義母様と一緒に王宮へ行っても門前払いされる始末です。

家族にも会わせられない状態とはどうゆう事なのでしょう。

私もそうですが、カール様とお義母様からも黒いオーラがでていたのでしょうね。門番が冷や汗を流していましたわ。


王都襲撃が起きて1週間が経ち、漸くミーナの状態が安定したとの事です。今度こそは会えるかと王宮に行ってもまた、門前払いをされました。

何なのでしょうか、この対応は!

さらに何日も過ぎ、襲撃から半月が経った頃にミーナの意識が回復したとの事です。良かったですわ。これで安心できますわ。

今度こそ会えますわね。


そう思っていると、お義父様から爆弾な内容の今後の事が知らされましたわ。

シュテルネン家の養女になるのはいいのですわ。正式な妹になるのはとても嬉しいですもの。

教会の司祭も100歩譲って仕方ないとも思いますわ。ミーナの力を教会が敵視しない為ですもの。それに毎日教会に祈りに行って、雑務を手伝っている信心深いミーナですからね。

ですがその後の事が問題ですわ。

何ですの?教会の司祭としてや王国の貴族として他国に回り力を使えですって!?

他国の者がこちらに来ればいいではありませんか。何故わざわざこちらから出向かなければなりませんの。どうせ、ミーナの力の恩恵に与かるのは特権階級の者たちなのでしょう。

力なき平民にするのであれば各国を回るのも納得も出来ますが。

そして、パトリック王太子殿下の婚約者ですって!?

今まで、ミーナの力が分からなかったから、閉じ込めたりもして不遇な状況にしていたのに突然何なのでしょう。私達シュテルネンに喧嘩を売っているのですわね。


私達から黒いオーラが漂っていますが、お義父様はどこ吹く風ですわ。なんとメンタルの強いお方ですわ。

そう思っていましたが、お義父様からも黒いオーラが漂っています。


「私達もこの内容には不服ですよ。当たり前ではないですか。

もし、今後のミーナを損在に扱う様であれば、父上やハンス、アルノー・シルバ・ロイとも話しましたが、この国を捨てようと思います。

領地替えで、今まで信頼関係を築いていた領民とも引き離されましたので、逆に心残りがありませんからね。

ただ、シャルロッテには実家の家族を捨ててもらう事になりますが、宜しいでしょうか?」

「問題ありませんわ。既に私はシュテルネン家の一員ですもの。」

「ありがとうございます。

ミーナにはこの事を黙っていてくださいね。あの子は優しい子ですから、私達がそんな事を考えていると知れば、無理をして相談などもしてくれなくなりますからね。」


私達は頷きます。確かにミーナに知れれば、あの子は無理をしてしまいますね。

ミーナを含めて、今後の話し合いをミーナが家に帰って来た日にすることになりましたわ。


その席に、お父様もいらっしゃったので驚きでしたわ。

ミーナの事を表立って守って下さらなかったのですから、多少きつく当たっても構いませんわよね。

それにしても、ミーナが学園に転校だなんて心配ですわ。まともな子はいいのですが、一部に世界の中心は自分だと勘違いされている方もいらっしゃいますからね。

そんな中に突然放り込まれるなんて心配ですわ。私が学園についていければいいのですが。

いくらシュテファンお兄様が監視されるとの事でも心配ですわ。あの変人に何が出来るのかしら。


お父様を含めた話し合いと言う名の、決定報告会が終わりましたわ。

お父様をお見送りしに玄関まで行きましたが、その道のりで例の事をお義父様がお父様に話されていましたの。

いいのですか!?


「仕方ない事だな。今の陛下は歴代の陛下達と比べてしまえば、凡庸だからな。臣下への配慮がいささか掛けている。

その時は、イヴォール家も共にこの王国から出ていくか。」

「宜しいのですか?

大臣の職も、貴族としての地位も何も無くなってしまいますが…。」

「シュテルネンを欠いたこの王国の騎士や魔法士たちを纏める方が面倒だ。」


お義父様とカール様は苦笑いをされていますわ。

私は、お父様の豪胆ぶりに肝を冷やしてしまいますわ。陛下に対する発言を知られれば不敬罪にあたりますのに。

そう言えば、イヴォール家の領地も領地替えをさせられたのでしたわね。その事も不服と思っておいでだからこその発言なのでしょうけど。

そんな事を思いながらお父様を見送り、サロンに戻り今後の話し合いの続きを致しますわ。

と言っても、商会の方の話し合いになるので、カール様の考えを皆様に伝える場なのですが。

そこで、カール様の考えに対して反対意見が出なければ、私やミーナと針子長を含めて細かい打ち合わせをして決定していく予定でしてよ。

ミーナはお義母様の昔の武勇伝を知らない様でしたわ。とても面白いので、もったいないですわ。

商会の今後に関して、反対意見が出ませんでしたので、家族が全員揃って夕食を美味しく頂きましたの。

これからは、ミーナと一緒に食べる事が出来ると思うと嬉しいですわ。

男兄弟の中で育ったので、妹がずっと欲しかったのですので、義理でも妹がいる生活はとても楽しいですわ。

明日は一緒に商会に行くことになるので、今からドキドキ致しますわ。

お読み頂きありがとうございます。

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