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24話

本日2話目です。

「っはぁ!?…失礼しました。

光栄な事とは存じますが、孫娘は準貴族で御座います。身分的にも釣り合わないので無理かと。」

「そんなのものは、伯爵家の養女にすれば問題ないでしょう。

第1騎士隊隊長だって、伯爵家の血筋で、奥方も没落したとはいっても男爵家の令嬢なんだから問題にならないと思うしね。」


イヤイヤイヤ、問題あると思います。

私は8歳児ーー今年9歳になりますがーーですよ、立派なロリコンです、犯罪です。4歳上という事は13歳、中1男子が小3女子に恋してるって事ですよね!?いや、恋してるのですか?

私が13歳になっていればまだいいかもしれませんが、現段階ではナシだと思います!!

と言うより、私はダンさんが好きですから、他の人と結婚なんて有り得ません。

お祖父様、頑張って断って下さいね。無理でしょうけど…。


「早速、父上にご報告しよう。

すぐに謁見して紹介したいけど、準備だ仕来りだで無理があるから後日になるね。

ミーナ、それまでは辛い思いをさせるけど、耐えていて下さいね。」

「いや、殿下落ち着いて下さい。

一体何がどうなってそうなるんですか?」

「それは、私達が愛し合っているからですよ。」


何、キラキラとした目線を寄越しているのですか。

お祖父様も私も了承していないでしょうが。大体、父様にも許可取ってないですよね。突っ走らずに、一旦落ち着いて話を聞きましょうよ。

それに、私は貴方の事を愛していません。どこから、私が愛していると思ったのでしょう。


「割り入ってしまい、申し訳ございません。発言しても宜しいでしょうか?」

「ミーナ、どうしたのです?私達は愛し合う婚約者同士になるのです。遠慮などは要りませんよ。」

「では、王太子殿下。

不敬に当たるかと思いますが言わせて頂きます。

まず、私は殿下の事を初めてお目に掛かります。何故、私が貴方様の事を愛していると思われるのですか?

次に、私の保護者はお祖父様ーーシュテルネン前伯爵では無く、父の準貴族のハンス・ヴァグナークです。

そちらに先ずは話を通されるのが筋かと思います。

最後に、一体何故私が一国の王太子殿下の婚約者と言うお話になるのですか?」


王太子殿下は、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をされています。しかし、すぐにニヤリと笑われました。

なんでしょう、背筋に冷たい物が流れるのは。


「うん、合格だね。父上には私から進言しておこう。

鳥籠の鳥は、自由に羽ばたかせても安心出来るとね。

但し、芯がしっかりしていても、武力行使されて対応出来るかが分からないとから、そちらの試験も受けて貰うよ。

そっちは、陛下以下大臣達の前で、騎士団長か副団長と、そこにいるネイルソン隊長と模擬戦をして貰う形になるけどね。」


えっと…何がどうなっているのですか?私の質問には答えて頂けていないのですが。

今度は私が、鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしていますね、きっと。


「くくっ、何が起こったのか分かってない顔だな。

ヴァグナーク隊長が陛下に物申したんだよ。‘娘を鳥籠から出したい、これ以上娘に我慢を強いるのは辛い’ってな。

態々、俺等が陛下の執務室にいる時間を狙って訪ねた来て言うんだもんな。

お前の存在を知らなかった俺等に教えて、動かすんだから策士だよお前の親父さんは。」

「父…さま、が……。」

「あぁ、いい父親だな。」

「…っはぃ。」


どうしましょう、涙が止まりません。父さまは一昨日の事を気に揉まれていたのですね。

ありがとうございます、父様。


「涙を拭いて下さい。

貴女の自由を得る為だとしても、8歳の女の子にいきなり王太子との婚約などと言って、申し訳ありません。

貴女がどんな子か手取り早く知る為に、騙させて頂きました。私の顔は、自分で言うのも何ですがかなり良いでしょう?そんな男に言い寄られて、簡単に婚約すると言う子だと他国からの調略で簡単に落とされかねないですからね。

それに、権力者に対してどこまで対応出来るのかも知りたかったのもありますし。

見事に貴女は、美貌に堕ちる事無く、権力者に対しても自分の意見を堂々と言える胆力をお持ちですから、問題無しとさせて頂きますね。

後は陛下達の前で、ご自身の武力を見せつけて自由を勝ち取って下さいね。」

「ハンスの奴め、儂に何の相談も無くカッコつけやがって。

それよりネイルソン、お前知っていたのか?」

「昨日、そこのバカ息子にミーナちゃんと模擬戦をしろと言われましてね。

昨日はそれで大喧嘩ですよ。

まったく、最近は可愛げが一切なく反抗的なのでほぼ毎日やりあってますよ。」

「それよりも殿下、ミーナちゃんの容姿と魔力の件はどうされるのですか?」

「ミーナ嬢が持っている特殊眼鏡が効果を発揮しているんだから、大丈夫じゃないかな。

特殊眼鏡の効果も確認済みなんだし、いつまでも閉じ込めておく方が、他国に何かを隠していると思われかねないしね。そろそろ潮時だと私は思っているよ。

それじゃあ、私達はこれで失礼するよ。模擬戦頑張ってね。」


殿下達は踵を返して、颯爽と出て行かれました。

模擬戦で陛下達を納得させられれば、自由が手に入るのですね。帰って早速訓練をしなくてはいけないですね。

暇な時間は暫くは訓練に当てましょう。やる事が有ると燃えますね。

お読み頂きありがとうございます。

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