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22話

本日2話目です。

「父様、どうぞ。

母様は宜しいのですか?」

「今は眠っている。」


父様は部屋に入りながら、律儀に答えてくれました。

父様は椅子に座りましたので、私はベッドに腰掛けます。椅子が机に一脚あるのみなので、仕方がありません。ですが少し距離が遠いです。


セシルが来ていた時は、カーペットの上にクッションを置いてあるので、クッションの上に座っておしゃべりしてたのですが、貴族育ちの父様は床に座る事をしないので、この距離で諦めるしかありませんね。


「父様、何かありましたか?」

「…今日、ロイと喧嘩をしたそうだな。」

「…はい。喧嘩の内容はお聞きになられたのですか?」

「ミーナ、すまない。

お前にばかり辛い思いをさせて。」

「父様が悪い訳ではありません。

私だって分かっているんです。

ただロイ兄様は、私の心まで干渉されたので……。」

「そうか。

恋に落ちるのは仕方が無い事だ。父様と母様も、お互い恋に落ちて結婚したんだからな。」

「今でも、とっても仲が良いですものね。

私もいつか、父様と母様の様な結婚が出来るのでしょうか。」

「それは…」

「…父様、私はいつまで家の中に居続けなければいけないのですか?

もっと外の世界に行きたいです。」

「ミーナ…すまない。

今度の父様の休みは、森に行こう。

最後に行ってから、もう2ヶ月はたっていたな。

…今はそれで我慢して欲しい。」

「父様…、申し訳ありませんでした。

次のお休みを楽しみにしてますね。」

「あぁ。

それと明後日は、魔法士団の隊舎に向かうから、その積りで準備をしておいてくれ。」

「分かりました。」


父様は立ち上がり部屋を後にしようとしましたが、私の方に歩いてきて、頭を撫でてくれました。

少し微笑んだ後に、今度こそ部屋を後にされました。


我儘を言って、父様を困らせたい訳では無いのです。

ただ、考える時間が出来てしまったからこそ、ロイ兄様の言葉が切っ掛けで表まで溢れてきてしまったのです。


何時までも、ネガティブになっていてはいけませんね。

取り敢えず今は、頭を振って考えを霧散させましょう。

そして、何時もより熱いお風呂にゆったりと浸かって、一杯寝て心を落ち着かせるのがいいですね。



====================



ロイ兄様とはあれ以来口を利いていません。

話しかけられたのを無視とかはしていないですよ。ただ、ロイ兄様がはっきりと声を掛けてこないので話さないだけです。一日中家にいる私には、話題にする様な事がありませんので。



今日は魔法士団に向かいます。

流行病の所為で、中止になっていたので、本来は3カ月毎に行っていましたが、今回は約半年振りの訪問です。



朝食後に身支度を整えて玄関に行くと、何時もは父様が待っているのですが、今回はお祖父様がいらっしゃいました。

朝食の席で父様は何も言っていなかったのですが、どうしたのでしょうか?


「お祖父様、おはようございます。

あの、父様は?」

「おはよう、ミーナ。

ハンスは、緊急の呼び出しがあって先に王宮に向かったんじゃ。

さて、行くかな。」


お祖父様に手を引かれ、馬車に乗り込み王宮へ向かいます。

王宮に着けば、何時もの様に門番の騎士様に通行証を貰って、魔法士団の隊舎まで行き、個人訓練室に入ります。


「ミーナちゃん、おはよう。

あらっ、今日の服は新作?ベスト付きのワンピースね。裾に入っているラービとキルシュの刺繍が可愛さをプラスしてるわ。」

「おはようございます、ヘレンさん。

4日前に完成したばかりなんです。

普段はシンプルなワンピースが良いんですが、偶には刺繍入りも良いかなと思いまして、思いっきり裾に入れてみました。」

「相変わらず、いい腕してるのね。

私の服も作ってもらいたいわ。って言っても、着ていく場所も時間もないから肥やしになっちゃうんだけどね。」

「ヘレンさんは恋人はいないんですか?

デートすれば着ていく場所も時間も出来ますよ。」

「ミーナちゃん、8歳よね?何でそんなにおませなの。

恋人はいても、脳筋な上にお互い仕事優先だからデートする時間は無いわね。」

「ヘレンさん、恋人いるんですか!?ステキです。

どちらから告白されたんですかっ?」

「恋話は、後でやってもらえませんか?

ヴァグナーク隊長が来れなくなったから、急遽こちらに来ることになって仕事に支障が出てるんですから。」

「っ申し訳ありません。ネイルソン隊長。」

「ネイルソン隊長、お子さんと喧嘩されたからと言って、ミーナちゃんに当たるのは違うと思いますが。

ミーナちゃん、気にしないでね。ここの所ずっと機嫌が悪いんだけだから。」

「お前ら始めるぞ。ミーナも中央に行くんじゃ。」


何時も、ヘレンさんは色々話し掛けてくれます。

魔法士団に来るのは、毎回何の結果も無いので正直憂鬱ですが、ヘレンさんのお陰で少しは緩和されています。

ですが、父様が立ち会えない時は余計に憂鬱になります。

今の様にネイルソン隊長からの嫌味が必ず入りますからね。


ふー、気合を入れ直して【陣】の中央に移動します。

別に気合を入れる・入れないで結果が変わる事はないのですが、気持ちの問題ですね。


さて、今回はどうなることでしょうか。

お読み頂きありがとうございます。

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