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31 不思議の国のアリスですか?いいえ、となりのトトロかもしれません?

前書き



 彼の無双ターンは、まだまだ続く。

「この後、王宮に用があるから」

 王都で偶然出会ったヤクモは、そう言った。

「王宮?王様にでもヤクモは会いに行くの?」

「王様に用はなんだけどね」

 コウの問いに、ヤクモはそう答える。


 王宮に行って王様に用がないというのも奇妙な話だ。

 しかし、問題はそこでなく、

「でも、一般人が王様に会うなんて無理だろう。俺もヤクモも、この世界じゃただの民間人だし」

「そうだね。でも、俺はいろいろコネを作ったから、それで今日は王宮に行けるようになったんだ」

「コネ?」

 最近忙しくしている従兄弟だが、一体何をしているのかと、ますます不思議に思うコウ。


「ごめん。時間がないから、帰ったらまた話そう」

 ヤクモはヤヌーシャを伴って、その場からいなくなってしまった。



「バイバイ。お父さん、ハニー」

 去っていく2人を、クルトが手を振りながら見送った。


 ヤクモのこともかなり気になるが……

「クルト、ハニーって……」

「もちろん、僕の最愛のヤヌーシャちゃんのこと」

 満面の笑顔で言い切った。



 ――僕、あの子がものすごく怖いんだけど。どうしてそんなに好きになれるの……?

 ヤヌーシャとの間の因縁が最悪すぎるコウにとって、クルトの考え方は別世界の出来事のようにしか思えない。

 いや、今いる世界は確かに地球とは別の世界だけどね……




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「ところで、コウは王都に何しに来たの?」

 ヤクモと別れた後、クルトに尋ねられたコウ。


 クルトとシーラは依頼で「ちょこっと遠出」して、その帰りに王都に立ち寄ったのだという。

 この見た目が少年にしか見えない人の「ちょっと」が、そのままの意味とはどうしても思えない。

 傍にいるシーラも、「ええ、少しですね」としか言わない。


 だが、コウはそのことは深く考えないことにした。

 まともにこの2人の「ちょっと」に付き合っていては、「ちょっと」で済まないことになる気がする。



「武器を新調しようと思ってきたんだ。ディールより王都の方が武器屋が多いし」

「なるほど、武器を。コウは剣を使ってるけど、王都にある武器屋って、ガラクタしか売ってないでしょう」

「さすがにガラクタは言いすぎかな。でも、これっていうのがないんだよね」

 昨日半日ほど店をまわって、今使っている剣よりもいいと思えるものに出くわさなかった。


「だったら、ボクがいい店知ってるから、案内してあげるね」

 そう言って、クルトはコウの腕をとって歩き始めた。

 逆らう理由もないので、コウはクルトについていくことにした。




 ただ、クルトの言ういい店に行くまでの道のりが、いろいろおかしい。

 まず街にある酒場の中に入り、

「邪魔するね~」

 と断りを入れて、店の奥につかつかと歩いていく。

 そのまま店の裏口を開けると、人通りの全くない路地裏に出た。


 そして路地にある地下へ向かう階段を進む。

 太陽の光が届かない地下に差し掛かり、周囲は暗くなる。

 シーラがライトの呪文を使って周囲を明るく照らしたが、なぜか石で敷き詰められた地面以外は、暗い闇だけがどこまでも続いている。



 途中クルトは立ち止まり、近くに落ちていた木の枝を拾いあげた。

「えーと、どっちだったかな?」

 案内するとか言っておいて、完全に迷子になった人の言葉だ。

 木の枝を地面に立てて手を放す。枝が倒れた方向へ向けて、クルトは歩き出した。


「大丈夫、なのかな……?」

「大丈夫。ボクの勘って結構当たるんだ~」

 全く大丈夫でない台詞を吐き出すクルト。

 コウは不安になってシーラの方を見たが、シーラは「ふふ」と笑うだけだ。


 迷子確定としか思えない2人に連れられていくコウ。

 やがて暗い道の先に明かりが見えてきた。

 長いトンネルを通り抜けた気分にさせられる。

 闇に覆われた地下から出る。

 頭上から差し込む光に思わず目がくらんで、コウは目を閉じた。ゆっくりと目を光に馴らしてから周囲を見ると、なぜか木々が生い茂った森の中にいた。

 木にはびっしりと緑色のコケが繁茂していて、木々は天高くそびえたっている。

 若い森でない。何千年、何万年と言う時をかけて生まれた、自然の森だった。


 ――神話の世界の森?

 と言うよりは、日本の有名な映画アニメ、『となりのトトロ』の森にでも来てしまったのか?



「こっちこっち」

 そんな風にコウが思う中、手を引っ張ってクルトが先導する。


 木に絡まった蔓が、下に向かって伸びている場所があった。

 蔓は何十本もあって壁のようになっている。まるで外部からの侵入者を防いでいるような蔓をかき分け、クルトはさらに森の奥へ進んでいく。


「ここって王都……ではないよね?」

 コウは尋ねる。

 王都の中に、こんな深い森林など存在しない。

「コウ、小さなことを気にしてたら大きくなれないよ~」

「コウさんは先生よりも、大きいですよ」

 的確極まりない言葉を返すのはシーラ。身長の話だけしているなら、全く持ってその通りだ。

「あ、そうだった」

 指摘されたクルトは、テヘッと笑って見せた。


 ――いや、問題はそういうことじゃなくて……


 だが、マイペースを極めている2人に対して、何を言っても無駄だとコウは諦めた。


 やがて、森の中でもひときわ巨大な木の根元へ辿り着いた。




 根元には建付けの悪い扉があり、隙間からランプの光が漏れている。

 扉を開けると、その先には木の中をくり抜いてできた部屋があった。

「到着ー」

 と、宣言するクルト。


 部屋の中は、コウの身長だと天井が低すぎて、腰を曲げないと頭をぶつけてしまう。

 クルトに手を引かれるまま、コウは中腰になって部屋の中に入った。



 ところでコウが捜していたのは武器屋なのだが、部屋の中は武器屋と言う感じでない。

 古びた壺や、金属や陶器でできた置物、見たことのない6本足の動物を(かたど)った木製の彫刻などなど。

 骨董品というか、ガラクタすれすれの物品がそこら中に置かれている。


 中には鉄でできた鎧もあったが、それはコウの背丈ではあまりにも小さい。というか、クルトの背丈ですら着れそうになく、もう一回りは体が小さくないと装備できないだろう。



「ミッチー。おーい、ミッチー」

 そんな部屋(店らしいので、一応店と呼ぶべきか)の中で、クルトは辺りを見回しながら叫ぶ。

「ミッチー……もしかして死んじゃった?」

「生きておるわ!」

 クルトが不吉なことを口にした瞬間、声がした。


 声がした先には、黄色の服を着た二本足で立つアライグマがいた。

「えっ、アライグマ?」

「失敬な。ワシはれっきとした獣人じゃ!」

 人間の住んでいる町では見かけないが、この世界には獣人が存在しているとは聞いていたコウ。

 ならば、このアライグマは自分が名乗ったように、獣人と言うことになる。


「す、すみません。獣人を見るのは初めてだったので」

「一応礼儀はあるようじゃの」

 謝るコウに、アライグマは言った。


「ヤッホー、ミッチー。久しぶりだね、元気してたー?」

 そんなアライグマ獣人に馴れ馴れしく話しかけるクルト。

「クルトよ、お主相は変わらずちっとも成長しとらんの」

「だよねー。いまだに背が伸びないから、困っちゃうよー」

「ワシは体でなく、中身のことを言っておる」

「テヘッ」

 馬鹿にされた、あるいは呆れられたのに、なぜか可愛く笑うクルト。


「バーク先生お久しぶりです」

 そんな中、シーラも店の中に入ってきて、アライグマ獣人に挨拶をした。



 さて、このアライグマ獣人。

 名前を、ミッチェル・バークと言う。

 御年80歳になる老アライグマ獣人で、クルトとは昔からの友達だという。


「昔からの友達?」

「ワシが子供の時から、こやつはこうじゃった」

 クルトを見ながら言う老アライグマ獣人改め、ミッチェル。

 ちなみにミッチーとは、クルトが勝手につけた愛称だ。


 しかし80歳になるミッチェルの子供時代からの付き合いだとすると、

「僕やシーラより年上って聞いてたけど、クルトって本当に何歳なの?」

 という疑問が自然と出てくる。


「僕は妖精さんだから、年を取らないんだ~」

「お前さんみたいな毒気のある妖精がおったら、本物の妖精に怒られるワイ!」

「ええーっ、僕ってこんなに愛らしくて、可愛いよー」

 自分で自分の見た目を褒めるクルト。美少年と言うよりは、性別不詳のやや不可思議な色気がある顔だちをしている。


「やめいやめい、第一お前さんは牙がついておろう!」

 呆れるミッチェル。

「牙?」

 首をかしげるコウ。


 その前で、クルトは口を大きく開けて見せた。

「これだよー」


 前から三本目にある犬歯が、鋭くとがって伸びていた。



「もしかして、クルトって吸血鬼?」

「違うよ、ただの長命種(メトセラ)だよ~」


 メトセラという種族は、異様に長い寿命を持ち、老化が起こらない種族だという。ただ、そのような特性を持っているため、物凄く珍しい種族だという。


 おまけに普段は髪に隠れていて見えないのだが、耳は小さく尖った形をしている。

 そういう外見で、おまけに老けることがないとなると、むしろ吸血鬼に近い気すらしまう。

 もっともメトセラは、吸血鬼みたいに人間の血を飲む必要は全くないそうだ。



 その後歳をとったミッチェルと、クルトの間ではなんだかんだと話題が盛り上がった。

 2人とも見た目はともかくとして、ご老体である。

 コウにはまったくついていけない話を2人の間で喧々諤々と交わす。仲がいいようだが、傍から見ていると半分は喧嘩をしているという感じだ。

 置いてけぼりのコウと共に、シーラもそんな2人の様子を黙って見ている。


「すみませんね。お二人の会話はいつも長いんですよ」

「はあっ」

 コウは諦めることにした。

 クルトとシーラのいる次元は、たぶん普通の――シリウスであった頃の記憶も含めて――人間のものと違っている。

 ついていこうとするだけ無駄だ。




「ところで、お前さんが人間を連れてやってきたということは、単に昔話をするために来たわけでもあるまい?」

 やがて2人の間で交わされていた会話がひと段落した。

 ミッチェルは、この店に初めてやってきたコウを、値踏みするような視線で見る。


「ふむ、昔は聖剣使いだったか」

「どうしてわかったんです」


 元聖剣使い。つまり前世のシリウスのことだ。

 ただ見ただけで、コウの前世をミッチェルは言い当ててしまった。


「なあ、お若いの。ワシはこやつの友じゃぞ」

「こやつでーす」

 こやつ扱いされたのはクルト。なぜか当人は不貞腐れることなく、元気な声を出している。


「類は友を呼ぶっていうでしょう。だから、分かっちゃうんだよね~」

 クルトと同じ(たぐい)にされてしまうミッチェル。

「……言っておくが類と言っても、頭の中身は違うからのぅ」

 ミッチェルはどうやら、クルトと同じように見られたくないみたいだ。


「ハアッ……」

 そんな分かるような、分からないような説明だが、コウには納得するしかなかった。



「コウに1本剣を用意して欲しいんだけど、何かいいのあるかなミッチー」

「……少し待っておれ、倉庫を漁ってくる」

 そう言うと、店の奥へと消えていったミッチェル。

 やがて店の天井――つまり2階から――ゴトゴトガタゴトという音が響いてくる。



「ミッチーは片付けが下手だから、時間がかかりそうだね。ボクも見てくる~」

 そう言って、クルトも店の奥へと消えていった。


 ――手伝うべきなのだろうか?

 コウもそう考えたが、店の奥へ行くための通路が、コウの体では狭すぎる。


「とりあえず、お茶でも飲んで待っていましょう」

 いつの間にかシーラが、近くにあるテーブルにティーカップを並べていた。


 もう、この人たちのことでいちいち驚いても仕方がない。

「いただきます」

 コウは考えることを辞めて、薦められるままお茶の席に同伴した。




 しかし、お茶を飲んでいる間、2階から騒がしい声が聞こえてくる。

「ゴキブリだー」と、クルト。

「おのれ、カマキリ大魔王め!」と、ミッチェル。

「ヒエエッー、どうして呪われた暗黒大魔神像なんかあるの!こんな粗大ゴミ、早く捨てちゃいなよー」と、クルト。

「悪霊退散、悪霊退散」と、ミッチェル。

「鎮まれ、鎮まれ~~~。アワワワワッ~」

 最後は楽しげに叫んでいるクルト。


 たまにズシンと体の奥底に響く音がし、ミシミシと木に負荷がかかる音がする。



 ――き、気にしないでおこう。気にしたら負けだ。

 そんな時間を過ごしたのち、店の奥からクルトとミッチェルの2人が戻ってきた。


 しかし戻ってきた2人は、なぜか頭に蜘蛛の巣を張り付け、埃まみれ。

 そして顔が疲れている。

「ミッチー、倉庫整理ぐらいちゃんとしようよ。でないとボクたち、次は死ぬよ」

「……う、うむっ」


 ――本当にこの人たちは、何をしてきたんだ!



「お疲れ様です先生。お茶をどうぞ」

「ワーイ」

「ワシにも1杯くれ」

 気になるコウの傍で、シーラは何事もなく2人の老人にお茶を振る舞った。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 お茶を飲んで一休み。

「それでじゃ、お若いの」

 休憩が終わると、ミッチェルは改めてコウに向き直った。


 ミッチェルは店の奥から発掘してきたと思しきものを取り出す。布に包まれているが、それが剣だと一目でわかる。

「さすがに聖剣ほどのものは用意できんが、お主の実力に申し分ない逸品を持ってきたぞ」

 布をほどいていくミッチェル。

 中から鞘に納められた一振りの剣が現れた。


「試してもいいですか?」

「うむ。ただしここは狭いので外でな」


 一同は店の外へ出る。


「軽い」

 店の外で剣を鞘から抜いた後、コウは一通り剣を振るってその感触を確かめる。

 一目見ただけで普通の剣と違うことは分かった。驚くほどに軽く、手になじむ感覚。

 そして剣から流れ込んでくる力を、感じることができた。

 普段剣を振るうよりも、体が軽く、早く動かすことができる。クルトの身体強化(バフ)と同じだ。剣の中に宿る力が、コウの身体能力を強化している。


 その横でクルトが、呪文を詠唱した。

 ほどなく魔法の効果が発動し、コウが手にする剣が炎の赤い色に包まれた。


属性付加(エンチャント)ができるんですね」

 今、剣には炎の魔力が宿っている。

 コウは感心しながら剣を振るうと、赤い炎が弧を描く。

 とはいえここは森の中なので、近くの木で試し切りなどできない。そんなことをすれば、剣に宿っている炎のせいで火事になってしまう。


「こういうのはどうかな?」

 続いてクルトは剣に氷結の魔力を宿した。

 剣が近くの木に触れると、霜がついて、氷結していく。


「エンチェントなら、コウもできるよね?」

 クルトに尋ねられ、コウは詠唱をする。

 やがて呪文の完了と共に、剣には眩い光が宿って光り輝いた。

 対魔の力に優れた、聖属性のエンチャント。

 剣を振るうたびに、光が線を描いて空中に残る。



 その後一通り剣を試すと、コウは剣を鞘へ納めた。

「すごい剣です……ルーンレイヴにも負けないくらいに」

 感嘆するコウ。

 ルーンレイヴはかつてシリウスが握っていた聖剣の名だ。


「でも、こんな剣。とてもお金で買えるものじゃないですね」

 あまりに優れた剣だが、ここまでのものとなると、聖剣とすら遜色がなくなる。

 今のコウでは、とてもてないが手を出せる代物でない。


「いいのいいの。どうせタダだから」

 そんな中、クルトが言った。

「タダって。そんなわけにはいかないだろ!」

 コウは慌てて自分が持ってきた全財産を確かめようとする。


「お若いの金なんか要らんよ。第一こんな森の中で金貨なんかもらっても、食えるわけでもないしのう」

 ミッチェルもそう言って、コウを止める。

「あえて言うなら、ミッチェルの店の倉庫の中身をひとつ減らしてくれた。それでいいんだよ」

 と、クルトは言った。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 ミッチェルの店で、ただで剣をもらうことができたコウ。

 感謝してもしきれないほどの剣をもらえた。


 その後コウはクルトたちと共に王都へ戻った。

 ただ帰り道は行き以上に不可思議で、なぜか宇宙空間を飛んでいた。頭上には青と黄色の巨大な星が浮かんでいて、神秘的なのだが、もはやどこから突っ込んでいいのかすらわからない。

 そんな摩訶不思議空間を通過した後、いつの間にか恰幅のいいおばちゃんが料理をしている、飲食店の厨房にいた。

「お邪魔します~」

「あいよっ」

 クルトとおばちゃんの間で、ごく普通に挨拶。

 クルトは厨房に置かれていた煮込み料理に手を出そうとしたが、おばちゃんが鋭い目でギラリと睨んできた。

「ニャン」と鳴いて誤魔化すクルト。ただし煮込み料理に入っていた肉を、しっかり口の中に放り込んでいる。

 そのまま、何事もなかったかたように店の外に出ると、そこは王都の中だった。

 太陽が傾いてい、夕方になろうとしている。



「このお肉、まだ硬いー」

「つまみ食いばかりしていると、晩御飯が食べられなくなりますよ、先生」

 平然としている2人。

「……」

 コウは、全てのことを考えないことにした。

 思考停止しなければ、おかしくなってしまう。




 ――今日は宿屋に戻って、明日はディールの街に戻ろう。




 だが、王都に戻ってくると、街の中に魔物が出没したとのことで大騒ぎになっていた。

 城壁で囲まれ、軍隊がいる王都の中に魔物が侵入するのは、とてつもない珍事で、都市の中は騒然となっていた。

 ただ傍観しているわけにもいかないということで、コウ、クルト、シーラは、魔物の討伐に協力した。


 魔物が出没したと言っても、その数はわずかだった。

 コウたちは、城壁際に魔物を追い詰め、後は倒してしまえばお終い。

 そのはずだったのだが、魔物がちょこまかと動き回り、クルトの振るった短杖が魔物の体を外し、傍にあった城壁に直撃した。


 ――ドコンッ


「……テヘッ」

 さすがのクルトでも、少し間があった。



 短杖の一撃は見事に城壁の内部で爆発魔法を発動させ、厚さがが4、5メートルある石造りの城壁に、巨大な穴を作っていた。

 街の中から、城壁の向こう側の景色を見て取れるほどの、大穴だ。


 その後、魔物はちゃんと討伐した。

 ただし、城壁に巨大な穴を作ってしまったために、3人は王都の守備隊にしょっ引かれてしまった。

 その日は、守備隊にある牢屋の中で一夜を過ごす羽目になってしまった。




「いやー、それしてもよかった。穴が開いただけで」

 翌日、一行は牢屋から解放された。

 クルトは暢気に言うのだが、

「全然大丈夫じゃないだろ!それに弁償だからって、有り金全部持っていかれたし……」

 クルトの所持金もだが、コウも同罪扱いされて、所持金の全てを持っていかれてしまった。

 むろんシーラとて、すっからかんだ。


 しかし彼女は暢気に、

「今日のはいい方ですよ。以前は城壁に作った穴が原因で、城壁の一部まで崩れましたから」

 と言った。



 ――何も考えるな。


あとがき



 さあ、本編の読後感とか、いろんなものをぶち壊す時間を始めましょう(そう言うのが嫌な人は、あとがきを読まずにスルーすることを強く推奨します)。



 ハテ?この物語は一体どこに行くんでしょうね?

 書いてる人もさっぱりわかりません。



 それはそれとしまして、PS2、3のゲーム『アルトネリコ』のヒュムノスは名曲すぎます。


「あれを一度聞いてしまうと、もう普通の音楽が聴けないですな~」

 というのが作者の感想だったりして。



 ……え、本編と何の関係もない話じゃないかって?

 そうです、全く持ってその通りです。

 全く本編と関係ない話です(キリッ)

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