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断章:14:24~??:??


{こちら■■■■、創たちが第三段階に移行しました。

 当初の予定よりも数時間遅れていますがいかがいたしましょう。}


「……まず、神堕 聖の状況と研究所の様子を。」


{神堕 聖が予定に反し、クトゥルフではなくニ(・)ャ(・)ル(・)ラ(・)ト(・)ホ(・)テ(・)プ(・)の力を手にしました。

理由として当てはまるのは恐らく、ニャルラトホテプの方が強いから、でしょうが。

それで、コテージ地下の研究所ですが、11:30頃、完全に観測不可能になり、

その際、研究所にいた例の助手が創たちと関わり始めました。}


「やはりロゼは我々の計画を阻害しようとしているらしいな。

 ■■■■、それで助手という人物の詳細は何か分かったか?」


{いえ、彼女のプロフィールは未だにつかめていないのですが、

 助手という人物はGWEで作られた人物でもなく、

 私たちのいる世界の住人でもないということが判明しました。}


「……GWEで作成されていない、か……

 おそらくロゼと同じ類の人物だろう、確実に邪魔になるだろうから

 ロゼと同様、観測でき次第重点的に監視をしておいてくれ。

 数時間程度なら予定が遅れても問題ない。

 最終的に二週間後の最終段階始動時に時刻を合わせればいいのだから。」

 

{了解、引き続き監視を続けます。}


「ああ、頼んだ。」



{……ところで、あともう一つ気になる点が。}

 


「? なんだい?」



{各地に生息するモンスター、魔物が慌ただしくなっています。}



「……ああ、なんだそんなことか。

 気にするな、彼らがまだ自分に慣れていないだけだから。」


{自分に慣れていない、とは?}


「……ま、計画のプロセスには気にするな。

 どうせモンスターだのはこちらの支配下になるんだからな。」


{……そうですか。}




ーーーーーーーーーーーーーー



「いやーにしても大変だね創、

 やるべき事を決めた数時間後、それをやらなくていいって言われてさ。」


……


「とはいえ良かったじゃないか。

 これからは自分達で好きに冒険できるんだろう?」


……



「あの……ネオさん?

 そろそろ私の杖の件についてなんですが……」


創は近未来的雰囲気がある取調室のような場所にいた。

彼女の目の前にはにやにやしながら話をしてくるネオがいる。

その間には机、近未来な照明と観葉植物があった。

なぜ彼女はこんなところにいるか、それは1時間半ぐらい前のこと。

状況を整理し、昼食を食べ終えた彼女の目の前に唐突にネオが現れ、

『コテージ地下を案内しよう。』

そう言って、ロゼ達と一緒に用具置き場の部屋にあった、

謎の階段を降り続けた先にある近未来な廊下にたどり着き、

そこからロゼとネオがこの取調室に入るよう誘導させされたからである。

それでさっきまでノンストップで記憶の確認をさせられていた。


確認する理由は『GWE所持者の記憶が改変されている』ためだとか。

他の世界のGWE所持者のほとんどの記憶が改変されていたということが

ノウンのテレパシーを経由して分かったのだが……


「そうだね、君の記憶も一応正常みたいだし。

 これでGWEを持っているこの世界の人たちの確認は済んだけど……

 ……ほんと妙なんだよなぁ、なぁんでロゼだけ記憶が変わってるんだ?」


「さっきも言ってましたよそれ…… とりあえず私の杖をですね。」


空菜や愁も同様に取調室のような場所に入り確認を行っているらしいのだが、

彼女は異様に自分だけ話が長いように感じ呆れていた。

しかし記憶の確認を始める前、

『確認が終わったら君に専用の魔法の杖をあげよう。』

そう言われひたすらに早く終わらそうとネオの質問の応答にひたすら答えていた。

聞かれた質問の内容はほとんど覚えていない。

彼女は、ほとんど杖のことしか考えていなかった。


「あぁそうそう、専用の杖って言っても愁の持ってる奴の色違いだけどね。」


そう言って足元から愁が持っていた杖の黒バージョンを取り出し机に置く。


「おぉ……ちょっとかっこいいですね……」


「愁の杖を作るときに作った、もう一つの『キャストラ』だ。

 ただの色違いだが、なかなかよかろう?」


愁の杖と、いまネオが出している杖、『キャストラ』は、

『近未来の人類が使う最新鋭の魔法の杖』をコンセプトにしており、

デザインは先端のメカメカしい造形と持ち手の水色のライン模様のみでスマート。

152cmで軽量、杖の素材のせいなのか異常に硬い。鈍器としても扱える模様。

魔力燃費もよく、杖の動きによって発動している魔法の動きを操れることも可能。

名前の由来は適当。ロゼがそれっぽいのを付けただけらしい。


「愁ちゃんのはロゼさんをイメージして、

 これはスディさんをイメージしてるんですか?」


「スディ? 誰だいそれ?」


「え? いや、ウェドさんと同じスタッフの人ですよ。

 あ、あとロゼさんが妹って言ってる人です。」


「え”、隠し子……!?」


創のその言葉でネオは目をかっぴらき、じっと彼女を見つめる。


「か、隠し子?」


「いいか? 現状ロゼが一番下でその上に私、私の上にカテラ、その上にタロウ。

 そしてもう一つ上に双子のフォウとフィーヴェで、

 私らを引き取ったゼロス母様(かあさま)で暮らしているんだが……

 妹。私の下にもう一人妹がっ……!? もう一人、妹が……!?」


ネオは机に肘をつき、手をでこにつけ静かに驚いている。


ロゼさんの姉の人とは聞いてはいたんですけど……結構大家族ですね……

別にスディさんの妹設定を組み込んだわけではないんですね。

てっきりロゼさんなら組み込んで変な設定にするとおもったんですけど……

にしても名前……タロウさんですか……

 

「ええっと、詳しいことはロゼさんに聞いてください。」


「ま、まぁそれは暇になったら聞くとしてだ、君の杖はこれでオーケー?」


「オーケーはオーケーなんですが、さっき作ったって言いませんでした?」


「今君が抱えている疑問はこの施設の案内で解決するだろう。

 さ、ロゼがコテージ案内するんでここからでましょかね。」


「は、はい……」


そう言って、創とネオは椅子から立ち上がり取調室から出た。


(さっき、ネオさんが案内するって言ってませんでしたっけ……?)



廊下に出ると、目の前に背伸びをしているロゼと、

静かにうきうきしている愁、そして、なぜか意気消沈し暗くなっている空菜がいた。


「ん、創さん、それは……」


「愁ちゃんの杖の色違いバージョンです。お揃いですね! 

 って、空菜さんどうしたんですか!?」


「創さん、そっとしておいてあげてください。

 からなさんのメンタルは今ズタボロになっているらしいので。」


「何があったんですか……」


「いや……? なにもないから……なにもないからね……?

 ただ、ちょぉっと落ち込んでるだけだから……へへ……っへへへは……」


不気味な笑い声ともに自分の尻尾を撫で始めた。


「……本当にそっとしておくんですか?」


「ええ、メンタルが回復傾向にあるので。

 先ほどののからなさんと比べたうえでの決断です。」


「今よりひどかったんですか……」


「ああ、ほんと酷かったよ?

 虚無どころの騒ぎじゃないよ、灰になってたよ? 物理的に。」


「え、それどういう事ですか……」


驚く創に対し、そっと愁が近づきある白い粉を見せてきた。


「そのまんまの意味です。

 少し前までからなさんは灰になってました。文字通り。」


「え、じゃぁこの灰は空菜さんの……」


「……私の一部を託したんだよ……いいお守りでしょ……?」


「大丈夫なんですか……?

 自分の一部が欠けて変になったりしませんよね……?」


「大丈夫……大丈夫だから、今はちょっと話しかけないでほしいな……」

 

そう言いながら尻尾をひたすらなで続ける。


「ま、大丈夫って言ってるんだからそっとしてやれ。」


ロゼがそう言いながら少し廊下を歩こうとすると、

目の前にネオが立ちはだかり人差し指でほっぺをむにゅっとさせられる。


「なにするんだいマイシスター、私のほっぺに何かついていたのかい?」


「創から聞いたよ~後でスディについていろいろ聞くからね★」


その後、すぐにロゼが進もうとした方向とは真逆の方へと歩き去っていった。


「わお。スディについて喋ったんかい創。」


「え、ダメだったんですか?」


「ダメってわけじゃないんだけど、ちょっとめんどくさくなるだけ。」


そう言い、ちょっと廊下を進み創たちの方を見る。


「うん、全員揃ったね。それじゃ改めまして……



 ようこそ、コテージ地下の秘密研究所(笑)、『異端世界秩序』へ。」



「「どういう名前なんですかそれ……」」



愁と創は声を揃え、そうツッコむ。


「この世界の秩序を守る機関だからそういう名前なんだよ。

 別に新世界秩序でもよかったけど『新』じゃ変だし『異端』になってるだーけ。」

 さ、案内するからついてきておくれ。」


そう言い、ロゼはゆっくりと廊下を歩く。

いかにも研究者っぽく、どこぞの厨二白衣のやつっぽくカッコつけながら。


「……んあ?」


ふと彼女が後ろを振り返ると、創たちは冷たい目でロゼを見ていた。


「おおっし、付いてこなかったら君らにこの施設は使わせなーい

 案内もしないしチート武器も渡さなーい私だけのものぉーアッハッハァ!!!」


笑いながら元の方向を向き再び歩き始めた。


「性格さえよければ、とても心強い味方なのですが……」


「え? 愁ちゃん、今味方っていいました?」


「ええ言いましたとも、行きますよ、このままじゃ何も進みません。」


「は、はぁ……」


そうして、とぼとぼ歩きながらロゼについていった。

付いて行こうとした時に空菜が動こうとしなかったので、

愁は空菜の手をつかみ、強引に引っ張っていった。


そして、ちょーっと時は流れ……

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