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原型:みんなが心躍る世界を■■したいですが(多少)手こずっています。  作者: アイティ
一章:ぐだぐだな(未熟者による)国造り。
14/271

あいえーにんじゃぁにんじゃなんでぇ

不思議な響きです……あいえー……

 銀 行


『預金の受入れ、資金の貸出し、為替取引などを行う。

また、銀行券の発行を行うこともある。

実際に行える業務内容・「銀行」の範囲は国により異なる。』



「…うん!さっぱりわかんない!」



銀行のシステムを理解しようとしているが全く分からない模様。



「頑張れー中学生ーしっかりと理解するんだー」



ロゼは今、銀行の外見だけを造っている。

その外見は、アメリカのホワイトハウスっぽいなにかの上に

螺旋状の水色の塔が乗っている…というもの。

しかもその塔は空へなにか打つための発射台のようだった。

カイングは創とロゼの間の草原の木の木陰で寝ている。

寝ている……?



彼女らは城の北東、国を動かす役割を果たす内政地区をつくっている。

ここで警察省だの環境省のような場所を作る。

その地区の建設の第一歩が銀行であった。

しかし、創がまだざっくりとした銀行の仕組みを理解していなかった。

もとい内政の『な』の字も知らなかった。

そのためロゼは創に銀行について調べておくよう指示している。

その理由としてロゼはこう述べていた。

後に創が想像で銀行員を作ったとして、

その人物が銀行のシステムを理解してなかったら

いったい誰がその人物を指導するのか、と言う話。

別にロゼでもいいのに。何故私が。

創はそう思っていた。




「為替……へ?江戸時代からそんなものが……?

 ふぅーん……まったく分からん……」



銀行のシステム理解に悪戦苦闘中の創。

正直彼女はロゼに銀行全般任せていいかな?

と思っていた。

が、そんなことは数時間前にも思っており、

その思いをロゼに言うと、



「いいかい創。一つの国を造ると言う事は、一つの社会を作ると言う事だ。

 社会を知らなければ国も造る事は難しくなるだろう。

 だがその仕組みを少しでも知っておけばちょっと楽になるからね。

 まぁ異世界から来た人に『銀行ってなにするところ?』て聞かれても

 答えられる程度でいいんだけどさ。私が銀行を管理することになるんだし。

 そうしたらこの世界の経済引っ掻き回し放題になるからねへっへっへっ」



と、ロゼに任せたらとんでもない事になりそうなので、

創はしぶしぶ銀行のシステムを理解しようとしている。

が、やはり飽きてきており、創のやる気は低下傾向にあった。

その様子を遠目で見ていたロゼはにやにやしていた。



(ふっふっふ……これで私に人を作らせる許可が下りるはずだ…

 彼女がそんなめんどくさいことをしたがらないのは分かっている。

 だからこそ、創は私に助け舟を出すだろう…)



彼女は別に銀行うんぬんではなく内政全般任されてもよかった。

ていうかロゼはてっきりカイングに内政を頼むと思っていた。国王ですし。

だがカイングではなく私を頼りにしている、うれしい。

そう思いながらずっと建築しながら見守っているのだ。



一方そのころウェドは

創のGWE、プロトタイプ版のGWEに関しての資料を

ひったすらに集めようとしていた。

が。インターネットやら聞き込みやらでいろいろ調べているが

そんな1000年前の資料なんてそう見つかるはずもなく。

そして途方に暮れ、彼女らの世界を覗き、

草原で寝ているカイングの姿を見ていた。



(かわいい。)



ずっと見ていた。現在14分経過。

ウェドが彼女らの世界に置いたカメラの数は10台だが、

わざわざカイング用のカメラを3台増やしている。

24時間彼女を見ることが可能となっている。

寝てようが着替え中だろうがお風呂に入ってようが、

彼はカイングを見ることができるのだ。

本来であれば彼女らがお風呂入っている時や着替えている時は

カメラが自動でそれを認識し、メンテナンスモードへと移行し終わるのを待つ。

が、カイングのカメラに至っては1年以上の稼働が可能。

メンテナンスは数年1時間で終わる。


…へ?なんでカメラごとに違いがあるのかって?

全部カイングと同じのにすればいいじゃないか、だって?

それは…彼が頭が悪いからだ……

気にしないであげてほしい……

最近彼も疲れているんだ……



そんな彼はカイングを見ているとあることに気づく。

それはずっと見ていたからわかる事だった。


(……起きてない…?カイングちゃん…)



創は寝転がっていた。銀行のシステムを理解しようとするのに飽きて。

もう、完全に創は銀行のシステムを作ろうとする気はなかった。

ではそれを誰が作るのか?


……誰だろう?


(ていうか、ロゼじゃなくても、

 カイングちゃんとかウェドさんがいるじゃないか。

 ウェドさんは大人ですし銀行のことを知ってそうだし…

 カイングちゃんも国王ですしどのみち銀行を理解しないといけないし…)



そんなことを思っていると創の前に

水色のウィンドウが浮かび上がる。

ーーーーーーーーーーーーーー

誰に銀行のシステムを作らせる?

  

>天才、最強の手助け役ロゼさんに任せる◀

>もはやロリコンであるウェドさんに任せる

>まじめで超かわいい国王様であるカイングちゃんに任せる。


ーーーーーーーーーーーーーー



「……なんだこれ」



創は謎のウィンドウをじっと見ている。



「天才、最強…?ロ、ロリコン…これ、な、なに…?」



創はふところにあるGWEを起動してこのメッセージを確認しようとするが、

ある違和感に気づく。



「うん?これGWEのウィンドウ…え?違う?」



選択肢が書かれたウィンドウは、

GWEのウィンドウと雰囲気が違っていた。

何と言うか…破片の様なものが飛び散っていた。

そしてGWEのメッセージ一覧に『これ』はなかった。



「これ…本当に何……?」



そんな事を呟き、創は立ち上がる。



「これは…直接聞かないとダメかな…」



そう言うと創は叫ぶ。



「ロゼさぁーーーん!ちょっと来てほしんだけどーーー!」



「はい、何でございましょう。」



ロゼは創の背後3cmにいた。



「うわっ!」



そしてそれに驚いて創は転んでしまう。



「びっくりした…いつのまに後ろにいたのさロゼさん!」



ロゼはドヤ顔でこう言う。



「スキル!『背後接近EX』だ!」



(あっ…またなんかスキルを作ったのね…)



「『背後接近』そのものはこんなものじゃないんだけどね。

 6段階、E,D,C,B,A,EXと分けられている。

 EXはユニークスキル的な感じで特別な人しか使えないように…

 …ああ、内容としては今のような感じだ。

 ただただ後ろに行くだけのスキルなのさ。

 ちなみに段階ごとに相手に接近できるまでの範囲、

 素早さ、接近した相手との距離が違う。

 よくある異世界もののスキルだろう?」



そう言った後彼女は言ってすがすがしい顔をした。

創はただ茫然とその様子を見ていた。



「あ、でなにさ創。銀行のシステム理解ができたのかい?」



「うぇぇ…いやそうじゃなくて。これってロゼさんが作ったやつ?」



そう言うと創はロゼに、謎の画面を見せる。



「はっはーん。私が天才最強の手助け役と……

 私も痛い奴になったもんだ…って

 作るわけないでしょう!?こんな変なやつ!?」



彼女は目をパチパチして創を見る。



「え。じゃぁこれは……法か何か……?」



ロゼは確認のため『絶対王政』の特別設定1をみる。



(うーん。なんかいつのまに増えてるんですけど…)



ロゼはその法を確認し始める。


{『見てるよ』:王を10分以上見続けた者は王に絶対服従される。

 常時(睡眠時含む)/強制度89%}



(……!?)



彼女は顔をしかめカイングの方をみる。



「どうしたんですかロゼさん……ん? え?」



創はロゼの画面を見て恐怖した。



「み、見てるよ……?な、何を……?まさか私たちを……?」



彼女は震えながら怯え、同様カイングの方を見る。

あの国王は寝ている。ようにみえる。



「な、なぁ創。『法決キラキラ』って最近いつ見た…?」



『絶対王政』製作者であるロゼは、

法ができた時のキラキラを『法決キラキラ』と呼んでいた。

「最後に見たのは昨日のあのギャグの時だけです……

 なんでいつの間にそんな法が……ああ……」



ロゼはそれを聞き創同様震え始めた。



「は、ははっ……夜中におやりになったか王よ……」


そんな事しらない彼は今だカイングを見ている。

なお彼女らもウェドが彼女を見ていることを知らない。


そして彼女らもウェドとカイング以外の誰かに見られている事を知らない。

そしてその誰かはカイングに感づかれていることを知らない。

しかもその誰かは既に……


ウェド、絶対服従開始まで、残り9分。



「あはははは…まぁ国王様は見られるのが嫌だったみたいだね…

 こんな法を作るぐらいだ……恥ずかしがりやだなぁまったく……ははは……」



ロゼは声が震えていた。



「ていうか、絶対服従ってなんなのさ…

 ほぼほぼカイングさんが作った法で服従されてるようなもんなのに……」



創も同様声を震わせながら言う。



「……それで法じゃなかったらこれは何なのさ…ロゼさん。」



創は急に冷静になりロゼに聞き出す。



「急に話を戻してきたな…まぁその切り替えの早さは褒めてあげるよ…」



「ど、どうも…」



改めて2人はその画面について考え始める。



「これから銀行のシステムを作ろうって時にこれが出てきた理由。

 それはなーんだ!」



ロゼは冷静になり、なぞなぞ風に現状の問題を述べた。

まず創が言い始める。



「……私は最初ロゼさんがこれを作った理由として、

 この選択肢の中から選ばせて最終的に

 カイングちゃんかロゼさんに銀行のシステムを任せるっていう

 ロゼさんの策略だと思ったんだけど…」



「君ナチュラルにウェドを省いたね。

 しかも3分の2。最終的な判断で1人除外したね。」 


(うん。まぁ銀行のシステムを私に任せられるのが目的だったんだけどね…)



ロゼはこの選択肢に疑問を持つ。



「何故この選択肢に創がいない?

 普通、全員がこの選択肢に入っているはずだ。

 なぜ創だけ省かれている…?」



創はその理由を考える。



「……私が、銀行のシステムを作るのを諦めたから…?」



「ふむ……それを言うって事は事は何か心当たりでも?」



ロゼは彼女を尋問する。



「はぁ…私が銀行のシステムもういいかな~って考えた時に、

 ほかの誰かに任せようと思ったの。そしてその思った後にでたから…」



「つまりその誰かに任せようと思った迷いが具現化して、

 謎の選択肢になって形になってた。と……」



「うんうん。大体そんな感じ。」



そう創は首を頷きながら言う。



「あれだろうか…無意識に想像でこれを構築してしまったのだろうか…」



「え?じゃぁこれ自分で作ったもの……?ああでもそうか…」



創はロゼの理由に納得がいった。

自分でさっき言っておいてなぜ納得しなかったのか。



「ふっふーん?私を天才、だって?ありがとう創。」



そうして彼女はウィンドウの方を指さしながら創にこう言った。


「んで、この中だったら結局どっちを指名しますか?」



「カイングちゃん」


「………むぅ」



ウェド、絶対服従まで、残り2分。



<>



一方そのころカイング。

彼女はいつしか起きており、ただただ寝たふりをしていた。

その理由として、起きたら起きたで創やロゼが

こっちに来てしまい作業の邪魔になってしまうかもしれないから。

そしてカイングの付近にある木、

そこから謎の視線を感じるためであるからだ。

かれこれ寝始めて2時間36分。

カイングはそろそろ起き始めようとしていた。

するとその木の上から『くない』数本が飛んできた。

それは起き上がろうとしているカイングに当たることなく、

カイングの周りにだけ刺さった。

そしてその木の上から声が聞こえてくる。


「貴様はそこで待っているといい。」


声が聞こえたと思ったら木から謎の黒い影が飛ぶ。

飛んだ方向の先には創とロゼがいる。

その様子を見たカイングはある言葉を言う。



「みてたひと……せいざ」



そうするとその謎の黒い何かは急に地面に着地し正座をし始める。



「クッ、体が……動かない……!?」



忍者はもごもごしている。

そうしてカイングはその事を大声で伝えようとしたが、

大きな声を出そうとするのが恥ずかしかった。

その時、茶色い無地のフードポンチョを着た

謎の人物がホログラム状となって彼女の前に現れる。



「大丈夫かカイング!今助けるから、じっとしていて!」



そうしてカイングの周りに刺さったくないを抜き始めた。

謎の人物はフードをかぶっており、顔はフードの影で見えなかった。

しかしフードの頭の部分から黄色いメッシュをした赤い髪が飛び出ていた。



彼女は黒い何かの方へと首を向ける。

カイングを助けた謎の人物がその方向へと顔を向けると、



「ええ……なんであ(・)い(・)つ(・)も正座に…」



そこにいたのは正座している黒い忍者。

だが動こうとしても動けない様子。

それを確認すると謎の人物は大声で創とロゼを呼ぶ。



「はじめぇ!ろぜぇ!にんじゃがそこにいるぞぉ!」



ロゼは大声で叫ぶ。



「ア”イ”エ”エ”エ”エ”! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」



創はそれに一瞬困惑する。



「なにいってるんですかロゼさん!?

 ていうか今の誰!?ウェドさんじゃないよね!?

 ま、まさか、大声だしたカイングちゃんってあんな声…なの!?

 いやまず忍者って!?なんで!?この世界に!?」



……2人の言っている事はほぼ同じであった

聞こえた声は多少テンションが高いが声が低い女性の声だった。

するとロゼは謎の忍者を発見する。



「よし創。先行ってくるわ。」



そう言うとロゼは瞬時に創の目の前から消える。



「え?ロゼさん?うん?あ…」



ロゼを探そうと辺りを見わす。

そうして創が見た探し当てた光景は

正座をしている忍者に対してぐるぐるとゆっくり歩きながら

盆踊りをやっているロゼの姿であった。



(な、何やっているのロゼさん……)



その光景を見た後、(忍者とロゼに)警戒しながら

現場に向かう。



くないをすべて抜き終わった謎の女性はカイングに対し手を差し伸べる。



「大丈夫?ケガはない?」



「う、うん……」



彼女は恥ずかしながら返事をし、謎の女性の手を取る。

そうしてカイングは取った手を支えにして立ち上がった。



「あ、あなたは……」



「私の名前は『アトナオート姫路』。呼び名は『姫路』でいいからね。

 さてカイングちゃ…

 ん”ん”カイング。あの建物にいったん避難しよう。」



姫路があの建物と称して指を差したのは、

ロゼが作りかけてる銀行であった。



「はじめとろぜに……はなれすぎないでね…」



「了解しました国王さん。では、すこし体を持ちますよ~!」



そう言うと姫路はカイングをわきに抱え銀行の方へ飛んでいく。

飛んでいる最中、姫路は創とロゼの方を見た。



(うーん、相変わらず訳の分からないことしてんねぇ)


 

「べしーの、べしーの、あせしぃーの~」



「お、踊りながら…謎の呪文唱えてる…」


創は虚ろな目をしてその様子を見ている。

顔も見えない全身黒の謎の忍者は正座をしたまま微動だにしない。

しかも喋りもしない。ただ黙っているだけである。


「べしーの、べしーの、べんしーど~」



「……何を唱えているのさ、ロゼさん…」



そう言うとロゼは進行方向を変え、創の方へと進む。

盆踊りと謎の言葉を添えて。


「もめんと、もめんと、えぼるしお~ん」


「な、なに?ロゼさん……?忍者になんかされちゃったの…?」



ロゼはだんだんと近づいてくる。


「ぱさーと、ふとぅーろ、ぷれせんて~」


「ちょロゼさん……?ほんとに大丈夫ですか…?」



ロゼは創の2歩手前で止まった。



「ろ、ロゼさん…?」


創は警戒しウル〇ラマンのような戦闘態勢をとる。



「あの忍者ろくに動きもしねぇ。なんで?

 なんで正座してんのアレ。服装だけか服装だけなのかあの忍者は。」


ロゼは急に不機嫌になり愚痴を言い始めた。


「は、はぁ……無事ならいいんですけど…

 さっき何唱えてたんですか?呪いの呪文とかじゃないですよね…」


創は急なロゼの切り替えで少し驚いたが冷静に対応した。


「いいか創。呪文事態呪いの『呪』の字が入っている時点で」



「何を唱えてたんですか……?」


創は謎の説明を吹っ飛ばすために重要な部分だけ聞き出そうとした。

真顔で。


「……なぁに。別に召喚しようとか生贄にしようとかじゃない。

 ただただ様子を確認するために適当に言葉をいっただけだ。」


「呪文じゃないんですね?」



「呪文じゃない。ただただリズムよさそうな言葉を選んでいっただけ。

 だからそんな真顔で見ないでくれ。君の真顔はすこし恐怖を感じる。」



創はその事を確認するとにっこり笑う。



「はぁ~あ。ロゼさん驚かせないでくださいよ~

 まーたなんかやらかすと思ったじゃないですか~

 それで忍者の様子はどうなんですか?」



ロゼはその笑顔にすこしばかりの恐怖を感じながらも、

謎の忍者の状況を創に述べた。



「この忍者の様子から伺うに、動こうにも動けないんだよね。何故か。

 さっきまで正座しながらうごうごしてたけど、

 諦めたのか呼吸しかしなくなった。

 煽りの口上を言おうが微動だにしないし

 盆踊りと呪文っぽい言葉を言おうが無反応。

 今なら手持ちを漁ってもいいっぽい。」



「なんで漁ることになるんですか…

 まぁ不審者ですし、いいんですけど…」



創がそう言うとロゼは忍者の体をべたべた触り始めた。



「躊躇ないですねロゼさん…

 なにか変な事されても知りませんよ…」



そう言って彼女は忍者を警戒し一歩ずつ後ろに下がっていく。


「はいはーい。変な事されようものならこの忍者の服燃やすから~」


そう創に返事をした。




「さーて君の持ち物だが、なーんでGWEだけなんだ?」



ロゼが忍者の持ち物から発見したのはGWEのみであった。



「普通クナイとか手裏剣とかだろうに。

 忍者要素は服だけか?お?なんか言わないのか?」



ロゼは忍者の肩を叩き、やさしく語り掛ける。



「そこじゃないよな。問題はなんでこの世界にいるかだ。

 ちょいと確認するから待っていたまえ。

 ああ、正座したまんまだと足しびれるから気を付けなよ?

 と言っても動けないみたいだけどw」



彼女は忍者をあざ笑う。



「ウェドォ?この忍者に心当たりありますぅ?」



彼女はウェドにこの忍者について聞こうとし大声で叫ぶ。

その声は創にも聞こえていた。



が、彼から応答は聞こえない。



「うん?なんで?え?まさか?」



ロゼは一瞬困惑したが、まさかと思い忍者の顔を見ようと

忍者の顔を覆う布を引っ張った。

その顔は中年の男性の顔であった。



「……ウェドはいったい何をしてんだ?」



<>



一方そのころウェド。



「……何をしてるか?


 ……正座して君たちを見ている。」


現在、彼は正座しながらカメラの映像を見ていた。



「姫路はカイングをちゃんと避難させたのだろうか…」



数分前



「か、カイングちゃん!」



ウェドはカイングの周りにクナイが刺さる様子を見ていた。



「今助けに行くから!」



と言ってGWEを使って創たちの世界へ行こうとした。

が、その時。



「うごっ!?」



彼は急に正座をし始めた。



「な、なんで急に正座をし始めたんだ……!?」



彼は動揺した。



(ぐっ…!体が動かない…!とにかくカイングちゃんを…!)



ウェドは自分の心配よりカイングの方を心配していた。

そうしてウェドは助けを求め叫ぶ。



「だれか近くにいませんかぁ!緊急事態でぇーす!」



そう言った直後誰かが返事をする。



「姫路がここにいますよぉ……ってなんで正座しているんですか…」



ウェドの真後ろにいたのは『アトナオート姫路』だった。



「あぁ姫路か!詳しいことはいい!カイングを頼む!」



そうウェドが首をテレビの方へ振り、映像を見させようとする。

映像を見た姫路は、



「了解!人命救助ですかぁ!では行ってきます!」



と言って彼女自身が持っていたGWEを使い、

ホログラム状となって創たちの世界へと向かった。



「頼むぞ……!姫路……!」




そしてその様子をじっくり見ていた彼であったが、

あの忍者の姿に既視感を覚える。



「あの忍者どっかで……」



ロゼは正座状態の忍者の脇をもって振り回していた。



「なぁ”ぁ”ぁ”ん”かい”え”や”ぁ”ぁ”ぁ”!」



振り回しているうちにロゼは目が回っていた。

その様子を離れてみていた創は笑っていた。



(ほんと、ロゼさんって変なことしかしませんね…)



忍者にかかっている遠心力はハンマー投げと同じぐらい。

忍者は今にも酔った顔をしているが、

頑張って耐えている模様。



「きみ”がぁ”!しゃ”べる”ま”でぇ!まわすの”を”!やめな”い”!」



ロゼもそろそろ限界が近い。

彼女の顔も少し気持ちが悪そうだ。

そんな状況を見ていた創のGWEに着信が来る。

それに気づいた彼女はGWEを見ると、

『姫路』と言う人物から電話がかかってきているようだった。



「ひ、ひめじ?誰ですかね……」



そう言うと創は電話を取った。



「もしもーし?こちら姫路。

 カイングちゃんは銀行に避難させたよ~」



創はこの声に聞き覚えがあった。



(さっき忍者がいるって言った声の人だ。)



「ええっと、ひめじさん?あなたは……」



「ああ。こうして接するのは初めてだね。

 私は『アトナオート姫路』。ウェドさんの仲間さ!」



元気のいい声が聞こえてきた。



「ウェドさんの仲間ですか……なら確認ですけど

 いまウェドさんって何やってるんです?」



創は姫路に問いかけた。



「ん?彼をお呼び?残念ながら今彼は正座中なのさ。」



「せ、正座?なんで?」



彼女は困惑する。なんで彼も正座してるんだと。



「ええっとなんで正座を……」



「さぁ?私が知るわけないだろう?

 しぃーて言うならそうだなぁー彼はカイングを見ていたことかなぁ~

 ずっと。」



「あっ……」



彼女は察した。



「あの……ちなみにウェドさんがどれくらい見てたか

 覚えてます?」



そういうと姫路は声をかすらせながら言う。


「彼は、ざっと11分ぐらい。カイングを見てたよぉ?」


(ああやっぱり……)


彼女はため息をつきながら、

姫路にカイングが作った法について話した。



「はぁーはっはぁ!なるほどぉ!つまり彼はもう

 カイングの操り人形となったわけだねぇ!

 これはひどい!あはははは!」



姫路は腹を抱えて爆笑していた。


「えっと……たぶんカイングちゃんが正座かなんかを命じて、

 あの忍者とかを座らせたんだと思うんですけど…」



創の声がGWE越しに聞こえる。



「なるほどねぇ。服従されたものだけに対して命令したから

 ウェドもあの忍者も正座していたわけだ。とはいえ、

 あのウェドがねぇ……ぶふっ。」



姫路は涙を流すくらいに笑いをこらえていた。



「あ、あの……楽しいのは分かりますが

 カイングちゃんに確認してもらいたいことがあるんですけど……」



創の声は少しばかり怯えているように聞こえた。



「ああ、国王さんがそれを命令したかだろう?

 ちょーっとまってて。いま確認するから。」



と言うと、姫路の3m先で寝ころんでいるカイングに確認しに行った。



「ええっと?国王さーん起きてますかー?」



そう言うとカイングは頭を起こし姫路を見る。



「ん……なに……?」



「あの忍者に何か命令したかい?したのであれば

 その内容を教えてほしんだけど…」



姫路はカイングに対しやさしく接す。



「せいざするように……言った。」



彼女はすこしもじもじしながらも内容を伝えた。



「ありがとうカイング。ちょっとまっててね。」


そう言うと3m程離れ創に報告する。



「うーん命令してたね!これで確実にウェドさんは

 完全に服従されてるって事が分かったねぇ…!」



姫路再び笑い始める。その様子をカイングは口を開けてみていた。



「あー……はい。やっぱりですか……

 では、とりあえず忍者だけ正座させておいて

 ウェドさんだけ普通にできたらしてください…」



創は味気ない声で姫路に指示をする。



「りょ、りょーかい!普通にできたら普通にしまーす!」


そう笑いをこらえながらカイングの元へ戻る。


「え、えっとね国王さん。とりあえず創さんたちの援助として、

 ウェドさんだけを普通にさせたいんだけど…」



「……うぇド……そうなの…?」



彼女はすこし落ち込んだ表情を見せた。



「ウェドだけ……自由でいいよ……」



「うわぁぁおぉい!」



ウェドの正座状態が解除される。



「体が自由に動く!よし!」



そうして彼は自分の体の動作確認をし、

カイングカメラの映像を見る。



「よし!無事だね!」



/otuge.on



「よくやった姫路!あとでボーナスだすから楽しみにしててくれ!

 あとカイングちゃんの保護を頼む!」



彼は高揚した声で言う。

「はぁーい、ウェドさーん。」



/otuge.off



「よぉし、じゃあ…あんの黒忍者に、

 カイングちゃんに手を出したことを後悔させてやるぅ…」



カイングの様子を一瞬見て、

彼は自分のGWEを使って創の元へ向かった。



ロゼは回り疲れてばてていた。

忍者は酔いすぎて嘔吐している模様。

その様子を遠くで見ていた創はしかめっ面で

いつまでやるんだろうと思っていた。



ほんと、いつまでやるんだろう……

次回。

忍者とたわむれる。


なんで忍者がいるんでしょうね……

ファンタジー世界に忍者ってまったく。

とりあえず私としては早く国を造ってほしんですけど……

ろくに遊べやしない……

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