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さっさと世界を救ってこい ~勇者が魔王を倒すまで、人類防衛戦線~  作者: だごみすと


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暗雲

ご感想やブックマーク、評価等をありがとうございます!

大変励みになります!

 

 空席になった王位は、マーロウ王太子殿下が引き継ぐこととなった。

 まだ幼いマーロウ国王陛下の誕生に、城内の人心も揺らいでいた。

 口さがないものは、王国の求心力がなくなったとうそぶいている。

 王城ですらこうなのだ、国王陛下の崩御は、国民の不安を煽るという理由で秘匿されることとなった。


 しかし、人の口に戸は立てられぬと言うように、王都に滞在している貴族たちの中で、王都にいても危険だという噂が飛び交い、自分の領地へ引きこもろうという動きが見え始めていた。

 今までの状態が、理外の獣が現れてから最適化された形だった。

 大きな都市ではそれぞれで自衛を行い、防衛力のない小さな集落のみの領地を持つ貴族とその領民を、王都へ招集してその身を守る。

 そうすることで、数少ない騎士団でも何とか国民を守護することができていたのだ。


 ここへきて、その均衡が崩れようとしている。

 一度瓦解してしまえば、元に戻ることは容易ではないだろう。

 その隙間を理外の獣に食い荒らされれば、ライザン王国は衰退の一途をたどることになる。

 私は亡き父上に代わり、必死に貴族たちを説得するが、若輩者の言葉など誰も耳を貸したりはしなかった。


 問題はそれだけではない。

 国王陛下の崩御から、各地の理外の獣の被害報告が如実に増えてきている。

 それに伴う騎士の派遣や、避難民の受け入れなど、騎士団長が行っていた様々な業務を私が肩代わりしている状態だ。


 日々目の前に積み上げられる問題にもくもくと対応しているが、それでも処理しきれない情報量に視界が歪む。

 それでも、誰かがやらなければならない。

 私は、悲鳴を上げる心身を無視して働き続ける。

 ライザン王国の未来に、暗雲が立ち込めようとしていた。


無くならない仕事に眩暈を覚えること、ありますよね。

そうです。実体験です。皆さんはご自愛くださいね。

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