緊急辞令
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「あらあら、大漁だったわね。こんなに頂いちゃって良いのかしら?」
勇者の実家に戻り、ルビーナに浜辺で採れた海産物を手渡した。
美味しそうな海の幸を目の前に、彼女は目を輝かせている。
彼女は、手慣れたように貝の砂抜きを行いながら、勇者に対して言葉を投げかける。
「聞き込みの方、どうだった?」
「うーん、ぼちぼちってところ。結局は直接見てみないとなんとも言えない感じ。」
勇者も、手慣れた手つきで魚の鱗をはがして内臓を取り、下処理をしている。
剣の素人にしては刃物の扱いが慣れていた勇者は、こういう経験が生きていたのかもしれない。
そんなことを思っていたところ、突然勇者がピクリと動きを止めた。
さらに、全身に女神様の加護を纏って耳につけたイヤーカフを触る。
次の瞬間、耳元からルーシーの声が聞こえてきた。
「勇者殿、ゼータ殿、突然済まない。緊急事態だ。騎士団長からの言葉をそのまま伝える。東の町、ユークリードで大量の理外の獣が目撃された。至急、勇者とともに帰還し、ユークリードへ向かう準備をせよ。」
私は、勇者に目くばせをして頷く。
「ゼータ小隊、了解した。今すぐ勇者とともに王都へ帰還する。」
勇者は手に持っていた包丁をルビーナに手渡す。
「そんなわけで、悪い母ちゃん。俺、行かなきゃ。」
「行ってきなさい。あんたにしかできないことなんでしょう?」
ルビーナに見送られながら、私たちは海の町、シルフィーナを後にした。




