一息ついて
ご感想やブックマーク、評価等をありがとうございます!
大変励みになります!
「そんでさ、黒い煙の正体について確認するためにシルフィーナに来たんだけど、父ちゃんそういうの見てない?」
食事が終了し、寛いでいる最中に勇者がサーファに対して質問を投げかけた。
サーファは少し考えるようなそぶりを見せたが、その後すぐに首を振る。
「悪いが、俺はそういうのは見てねぇな。黒い煙ってのは、嵐の雲とはちげぇんだろう?」
「うん、理外の獣が発している黒いもやがあるんだけど、シルフィーナで目撃情報が出たかもしれなくて。」
勇者の言葉を聞いて、サーファはポリポリと頭をかく。
「実際に理外の獣が現れたなら、もっと町が騒然とするんじゃないか?少なくとも、家の周りは今まで通り平和に暮らしてる。」
「やっぱりそうだよね・・・。そう簡単には情報は集まらないか・・・。」
勇者ががっくりとうなだれる。
どうやら漁を行っている父親を、情報源の当てにしていたらしい。
次をどうしようかと考えている勇者を尻目に、私はラビーにも考えを聞いてみることにした。
「ラビー、情報収集をするとしたら、どのあたりが望ましい?」
ぐでーっとしていたラビーが、人差し指をあごに当てて考え始める。
「うーん。一番は領主館じゃないかな?不測の事態が起こった場合は、必ずそこに情報が集まるだろうし。その次はやっぱり漁師かな?船で広い範囲を移動しているから、その分目撃している可能性も高いんじゃない?」
「確かに、理にかなっているな。聞き込みはその順で行おう。さぁ、一息ついたんだ。声を伝える道具の実験も控えている。これから仕事の時間だ。行くぞ!」
お腹がいっぱいになってウトウトしていたビットをたたき起こして、全員に声をかける。
トレモロはきびきびと荷物をまとめて、既に準備完了している。
ビットは慌てながら身支度を整えて、私たちに続いて家を出た。
私は、玄関で振り返り、見送りに来てくれたルビーナとサーファに向き合う。
「ルビーナ殿、サーファ殿、お世話になりました。これより騎士団の仕事に戻ります。」
「はい、またいつでも来てくださいね。」
「・・・ああ、歓迎する。」
サーファ殿と硬い握手をして、領主館に向けて歩き出した。




