騎士団長への報告
ご感想やブックマーク、評価等をありがとうございます!
大変励みになります!
騎士団長である我が父、ラスター=セイクリッドを探して、王城の一室へと足を運ぶ。
「騎士団長。ご報告に参りました。」
「入りなさい。」
「失礼します。」
扉を開けて中へと入る。部屋の奥で、王都の地図を広げた父上が出迎えてくれた。
座るように促す父上を制止して、そのまま報告を続ける。
「北の大地の異変を確認。マニュアル通り、近辺の住民たちを王都に向けて避難させております。それから・・・。」
「先ほどの光の柱だな?」
言葉に詰まった私の代わりに、父が話を合わせる。
「はい、先ほどシルフィーナに向けて使者を送りました。神託通りの勇者であれば、王城に招集されることになるでしょう。」
これから起こるであろう、様々な事象を頭に思い描く。
魔王が生み出されたとなれば、理外の獣の被害は増えるであろう。
果たして、勇者とやらはそれを抑え込めるだけの力を持っているのだろうか。
父上も、長い金髪の髪を無造作に後ろに撫で上げながら思案する。
「どのような人物かは分からないが、招集された際には、私が直接剣の指導を行うことになるだろう。ゼータ、お前も同席するように。」
「はっ!」
件の勇者をお目にかかれるいい機会だ。
そう思い、父の言葉に勢いよく返事をした後、机の上の地図に目を向けた。
「王都へ移住する民が後を絶ちませんか?」
「ああ、理外の獣の目撃情報が多発している、北部からが多いな。今後ますます数が増えると予想される。今のうちに、都市計画を練らねばならんな。」
父が王都の地図を指でなぞった。
王都の周辺は、既に高い防壁で覆われているが、それを覆うように二重の防壁を作成している最中のようだ。
「現在も、王都を囲むように城壁の建設を進めている。それらの仕事は、移住してきた民達に率先してやってもらっている。なぜだかわかるか?」
「職にあぶれぬようにするため、でしょうか。仕事がなければ、食うに困ってしまいますから。」
「それもあるな。」
父上が意味深な言葉を発する。
私は、疑問の表情を浮かべるが、微笑んでいる父上は答えを教えてくれなかった。
結局、彼の言葉の真意は、私には分からなかった。




