理外の獣とは
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「小隊長、ちょっといいですかぃ?何やら研究班からお呼びがかかってますぜ。」
ビットが言伝をもってやってきた。
「分かった、すぐに向かう。ビットは追加の訓練でもしておくか?」
「おお、いけねぇ。この後用事があったのを忘れてやした!小隊長殿、それでは失礼いたします!」
私の言葉に慌てたビットが、駆け足で目の前から消えていった。
私は、気を取り直して理外の獣を研究している施設へ足を運ぶ。
「呼ばれたようだが、何かわかったのか?」
「ゼータ殿、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
白衣を着た男性が、研究室の奥まで案内する。
目の前には、解体された理外の獣が横たわっていた。
「結論から申し上げますと、こちらに運ばれた理外の獣は、いたって普通の動物になります。」
「・・・なんだと?」
私は、研究者の言葉にいぶかしんだ。
「まず初めに、我々は理外の獣の解剖を行おうと思っておりました。そして、そのためには、勇者殿の力が必要と推察しておりました。しかし、ふたを開けてみると、通常のナイフで切開することができたのです。」
「理外の獣は、女神の加護を賜った勇者以外、何物にも傷つけることが出来ないはず・・・。」
「その通りです。しかし、我々でも解剖ができてしまった。その時点で嫌な予感はしていたのですが・・・。」
研究者が、言いづらそうに言葉を区切る。
「解剖の結果、通常の狼と遜色ない臓器しか、確認が取れませんでした。ここにあるのは、もはや理外の獣ではありません。」
その言葉に、私は吐き気を覚えた。
「・・・。理外の獣とは、いったい何なのだ・・・?」
人類が抱えてきた疑問が、再び頭を持ち上げたような気分だった。




