故郷のダチども
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「ジャックのおっさん、訓練中にふらっとどっかに行くじゃん?で、酒臭いにおいをさせながら帰ってくるわけよ。」
訓練が終了した後、なんともなしに勇者が私に声をかけてきた。
「あぁ、そうだな。指導していただいている身ではあるが、あの態度は少々いかがなものかと思う。」
「でも今日みたいに、日中訓練に付き合って、最後に素振りって場合は途中で抜けられないだろ?」
「勇者殿、何が言いたい?」
もったいぶったような勇者の言い方に、私は疑問符を浮かべる。
「素振りも終わったし、ジャックのおっさんが何してるか見に行かねぇ?」
「・・・。後を付けるなど、あまりいい趣味とは言えないな、勇者殿?」
「まあまあ、いいから、いいから!」
私の答えも聞かずに、背中を押して町へと繰り出す勇者。
目星でもついているのか、ずんずんと進んで行く。
見晴らしのいい丘に到着すると、ジャックと思われる人影が見えた。
「王都で仲良くなった奴らに、ジャックのおっさんがどこに行っているのか確認してもらったんだ。そしたら、毎回ここに来ているらしくてさ。なんか気になっちまって。」
言い訳がましい勇者にため息をついて、私はジャックに近づいた。
「おう、坊主ども。ちゃんと素振りはやってきたみたいだなぁ。」
こちらの気配に気が付いたのか、ジャックが声をかけてくる。
彼からは酒の匂いが漂っており、いつもよりも顔が赤らんで見える。
そんな彼の前には、なぜか小さな石がいくつか並べられていた。
不思議に思っていた私に、彼は答えを告げる。
「この小石か?これはな、故郷のダチどもよ。」




