騎士の戦い方
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「理外の獣ってのは、女神様の加護がなければ一切攻撃が効かないんだろ?騎士たちはどうやって戦ってるんだ?」
訓練の最中、勇者からなんともなしに質問を受けた。
「騎士が行うのは、時間稼ぎだ。騎士が理外の獣を相手にしている間に、民を逃がす。」
「時間稼ぎ?」
「そのためのライザン式王国剣術だ。理外の獣の爪をさばき、牙を躱し、相手の隙を見極めて突きを入れる。攻撃は効かないが、渾身の突きで理外の獣を吹き飛ばし、強制的に相手との距離を取らせるんだ。」
「なるほどな。理外の獣の攻撃をさばいて時間を稼ぐってことか。それで、そのあとは?」
「相手があきらめるまで、粘る。」
「は?」
勇者が間抜けな声を上げた。
「理の外にいるといっても、相手は獣だ。己の腹を満たそうとして、こちらに襲い掛かってくる。割に合わないと判断されたら、そのまま森へ帰っていく症例も確認されている。」
「理外の獣があきらめなかったら・・・?」
「・・・そのまま食われて終わりだ。」
勇者の質問に、私はそのまま事実を伝えた。
私の答えに、勇者がぶるると身震いをする。
「理外の獣に出会ってしまったら、半々の確率で食われると覚えておくと良い。」
本当はもっと生き残る確率が低いのは、私の胸にしまっておいた。
私の話を聞き終わると、勇者がはぁとため息をつく。
「俺、理外の獣の被害が少ないシルフィーナ出身だから、理外の獣のことを何も理解してなかったけど、騎士様達が体を張って平和を守ってくれていたんだなぁ・・・。」
「そうだ、人類が未だ滅びていないのは、偉大な先達の騎士たちのおかげということだな。だが、これからは違う。」
私は勇者に目線を送る。
「勇者殿であれば、理外の獣を討ち取ることができるはずだ。今まで人類が切望し、誰一人成しえなかったことだ。ライザン王国の民だけでなく、我々騎士一同も勇者殿に期待している。」
「・・・了解。」
勇者は、複雑な表情を浮かべながら返答した。




