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31話 大和、ある意味ご褒美か… の巻
はぁ、はぁ、はぁ……
「ほら、息が上がってるぞッ!
呼吸が乱れて魔力の制御自体もおかしくなってる。
早く呼吸を整えろッ!!」
まだ日の出も上がり切らない時間帯の湖のほとりで女性の怒声が響きわたる。
その女性の足元には腕立て伏せの態勢で大粒の汗を流しながら顔をしかめている少年がいた。
「……う、…うす、先生…
と、…ところで……こ、これはいつまで続けたらいいんですか……?」
「無駄口を叩く暇があるなら息を整えろと言っただろうがッ!
とにかく私がいいというまで続けるんだッ!!」
傍から見ると、女の人がうつ伏せになっている男の背中に立ちながら暴言を吐く姿と、それを受け止め続ける男の姿は一種の特殊なプレイを想像させる。
だが近づくとそこは地獄のようなトレーニングが行われているのであろう、ある種の異常な熱気に包まれていた。
そしてそれを行っている人物は先ほど偶然出会った貝原聡里と宍道大和の両名であり、このような状態になったのを説明するためには、時を少し前にさかのぼる必要があった。




