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一番強くなるために必要な○○なこと  作者: ○○やろう
第三章 入学
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29話 大和、危機一髪!? の巻

「ただいまー」


「あら、おかえりなさい、今日は一花と二葉は一緒じゃないのね」


授業が終わり家に帰ると、色香溢れる美女の出迎えがあった。


「今日は1年だけ午前中授業だったんだよ、しじみ伯母さん」


宍道ししどう しじみ

宍道家の現当主。

富士山(旧姓宍道)十和子の姉であり、一花、二葉の母。

つまりは大和の伯母にあたる。

大地と十和子の無茶なお願いを受け入れる懐深い女傑である。

見た目は20代で通じる美貌の持ち主。実年齢は4〇歳…


蜆にそう説明し自分に割り当てられた部屋にひとまず入ろうとした瞬間、親指大に圧縮された水弾が大和の背中を襲った。


「がはっ…

な、何すんだよ、伯母さ……!?」


突然の衝撃に非難めいたクレームを入れかけたが、額に青筋を浮かべ般若の面持ちで無数の水弾を周りに展開している蜆を見て思わず後ずさった。


「……伯母さん!?

まさかとは思うけどそれは私のことかしら………!?」


返答次第ではこの水弾が全て自分に襲い掛かることになる。

一瞬でそう判断し、笑顔でとぼけることにした。


「や、やだなぁ、蜆さん。

聞き間違いだよ、聞き間違い。

僕が蜆さんのことそんな風に言うわけないじゃないか…」


「あら、そう?

いやだわぁ、私も歳かしらね~

最近耳が遠いのかしら…」


「何言ってんのさ、蜆さん。

蜆さんが歳を取ったなんて言ったら国中の女の人に怒られるよ。

端から見たら蜆さんに子供が二人もいるだなんて誰も想像できないくらいの見た目なんだから」


見た目が若いのは真実ではあるがこのタイミングで言うのは端から見るとあからさまなお世辞である。


しかし大和の言葉に気を良くしたのか、蜆は先ほどまでの険しい表情から一変頬を染め、にやけた表情を浮かべたのであった。


「も~口が上手いんだから~

そんなこと言っても何も出ないわよっ

でもそういえば頂いたお土産がまだ少しあったかしら。

大和、せっかくうるさい二人がいないんだしゆっくりお菓子でも食べて少し寛ぎなさいな」


展開していた水弾も消失させ、すっかり上機嫌になった蜆は大和をリビングへと誘う。


大和も自身の部屋に行くのは諦め、愛想笑いを浮かべながら蜆に言われるがままリビングへ足を運ぶのであった。


ーー

ーーー


「……ねぇ大和、学校はどうだった?」


大和が富士山家から追い出されこの宍戸家に来た理由を知っている蜆からすればこちらの学校での様子がやはり気になったのであろう。

若干の躊躇を含んだ感情を乗せながら質問する。


「……体術は問題なかったよ、むしろクラスでも上々だった。

ただやっぱり魔力が上手く扱えないっていうのは皆から笑われたよ。わかっちゃいたけどね…」


「大和……」


「ただ担任の貝原先生が授業で俺の魔力を叩き起こしてくれたんだ。

こんなに自分の魔力を感じることができたのが生まれて初めてでさ、まだまだ全然コントロールはできないけどこの先すごい楽しみなんだ!

俺さ、こっちにきてほんと良かったよ!!

だから蜆さん、富士山家から追い出されたこんな俺を受け入れてくれてありがとう、、本当に感謝してるよ」


本心だったのであろう、大和の柔らかな笑顔から発せられた感謝の言葉は蜆の心に突き刺さり、思わず大和を抱きしめる。


「し、蜆さん…?」


「良かったわね、大和。

ただ自分で自分を“こんな”とか言わないで。

魔力があろうがなかろうがあなたは私たちの“家族”だわ」


「…ありがとう、蜆さん。

そうだ、久しぶりに俺に稽古つけてくれないかな。

明日の授業のために今日習ったことの復習をしておきたいんだ」


「ふふ、相変わらず稽古の虫ね。

良いわよ~久しぶりに宍道家の当主の実力を見せちゃおうかしら。

そしたら準備ができたら武道場にいらっしゃいな」


「うん、よろしくお願いします、蜆さん」


大和の申し出に二つ返事で了承した蜆は立ち上がり、足早に武道場へと向かった。

大和もテーブルの上に出されていた残りのカステラを一口で頬張り、その後を追うのであった。


ーーー 

ーー


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