wellcome episodo 007 誰も知らない未来へ (最終話)
春乃が「スシタス・オメホ」の夢から覚めた朝、空はどこかくすんで銀色だった。まるで何かが終わりを予告しているような・・・。
防災センター、引用された自分の投稿。ほんの一部でも、誰エかの判断を変えたかもしれないという実感。それは鮫代 和が生きた意味を繋いだようにも思えた。
でも、それは同時に一つの疑問が浮上。
(なぜ"スシタス・オメホ"未来を語る人間を選ぶのか?)
春乃は、手帳を開き、最後のページに綴った。
「2025年08月31日 正午 渋谷区一帯で雹を伴う突風被害 送電トラブル 交通機関停止 ガラス被害多発 死者ゼロ その奇跡は『誰かの予言』によって生まれる」
これが最後の投稿。
翌日 春乃の投稿は炎上。嘘つき・アクセス稼ぎ・・・・あらゆる言葉が春乃を責めた。しかし、一部の人々はその予告に、備えた。
そして2025年08月31日 正午、空が割れるような音が響き、突如として雹が降ってきたのだ。
風はビルの間を切り裂くように駆け抜け、木々をなぎ倒した。窓ガラスは軒並み砕け、電車は停止、死者はゼロ。
確かに「奇跡」だった。でも、テレビでは語られなかった。SNSでは偶然だったと笑う者もいた。
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春乃はその日、夢の中の"都市"を訪れた。青白い空間、スシタス・オメホ、足元には無数の石碑が並んでいた。
「語られなかった未来」
「消された災厄」
「誰も気づかなかった選択」
そして最後にひときわ大きな石碑に刻まれた名
「鮫代 和」
「君が伝えてくれてよかった」
夢の中で、彼が微笑んだ。
「未来は固定されたものじゃない、人が関心を持ち、恐れ、そして祈ることで、幾通りにも分岐する、僕たち"語り部"はその"分岐点"を照らすだけなんだ」
春乃はたずねる。
「それでも私たちは"ほら吹き"と呼ばれるかもしれないのに?」
鮫代は静かに笑った。
「いいよ、いいよ、ほら吹きで、その『ホラ』が誰かの手を、足を動かすのなら、それはもう『未来の灯』なんだよ」
スシタス・オメホ
この奇妙な都市の正体は"語られなかった未来"の記憶たちが人々の意識の下に沈み、反映された仮想の『記録都市』だった。
語られることで未来は分岐し、記録は存在しなくなる。
その痕跡は、スシタス・オメホに残る。
永遠に語られなかった可能性として。
「未来は一つじゃない、信じる者がいるとき、それは存在しなかった未来を創る」 by Sameshiro Haruno
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そして春乃は目を覚ました。
窓の外にはかすかに虹が現れていた。
最後まで拝読、ありがとうございます。
未来を語る者は時に疑いの目にさらされます。その声が誰かの心に届き、勇気に変わる一歩を踏み出すきっかけになれば、未来はより良い方向へ変わっていくものだと思います。
この物語が、想像や日常の小さな勇気を考える助けになれば幸いです。
♧♧♧ じゅラン 椿 ♧♧♧♧




