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トップとの話し合いを好きな人は居ない皆無だと思う件②

 私、新生活が始まったので落ち着くまで更新ペースが落ちるかもしれません。

「なんですか…?」


 固まった喉をフルに使ってギルドマスターに問いかける。


「まあ、落ち着いてリラックスして」


 いやいや落ち着いていられませんよ。トップとの話し合いって上の立場の人が思っている以上に下の人の緊張はやばいからね、ギルドマスター。


「その、本題なんだが…」


 心臓の鼓動がギルドマスターに聞こえる程強く、速くなる。


 なんだ?僕は心当たりが無いよ。エンリカがなんか斬っちゃダメなやつ斬っちゃったとか?それともカイルが魔法をどっかにぶつけちゃった?リリスがなんかやらかしたりランディが問題起こした?それだったら僕じゃないよね?


「陛下と謁見だ」


「ヘーカ?誰ですか?」


「こんな場でおふざけするとは悪魔の聖騎士(あいつら)に染まってきたな」


 ?????


 えっ、そうなの?心外なんだけど。

 

「冗談は置いといて陛下はこの国の王様だ」


 王?様?


 僕はまるで絶対零度の冷気を吹きかけられたように固まった。






 視界の限りに広がる平野と地平線。目の前に15m程の幅だろうか。川が流れている。


 鼻いっぱいに満たされる草原の匂い。心地いい川のせせらぎに心地良い風。


 ここはどこ?ギルドマスターと話していた筈だけど。


「おーい、おーい」


 ぼんやりと聞き慣れた老人の声が聞こえる。


 うーん、この声どっかで…。幼い時から刻まれた安心感。あれ?この声。


 声がした方を向くと師匠のじっちゃんが川の奥で手を振っている光景が見えた。


「じっちゃーん、何でここにいるの?寿命が来たの?」


 水際まで寄って叫ぶ。


「ほっほっほ、かわいい弟子のエドに2つ伝えたい事がある」


 僕の顔を見たじっちゃんは柔らかい笑顔のまま空間全部に響く澄んだ声で答えた。


「なにーーー?」


「1つ目は何故エドはここにじゃ。鍛え直さないとな」


「え?」


 やばい、このモードのじっちゃんはランディと同じ、いやそれ以上に恐ろしい。


 速やかに回れ右をして一目散に駆け出す。


「2つ目!儂の寿命はまだまだ先じゃ!」


「ぎゃー!!!!!」


 鬼の形相のじっちゃんは水面を走り、一瞬で僕の首根っこを掴んだ。


「ごめんなさい!ごめんなさ〜い!」






「ごめんなさいじっちゃん!許して!」


「おい、誰だよ、じっちゃんって」


 は!


「あれ、じっちゃんは?」


 さっきまでじっちゃんと話していた筈なのに…ここは探索者ギルド。あれは夢?


「俺が老耄とでも言いたいのか?」


 背筋が凍る声に身体が固まった。

 じっちゃんには及ばないが鬼の形相をしたギルドマスターに睨まれる。


「そんな事ないです。まだまだ現役行けますよ」


「お前な…、今回の件は水に流そう。エドワードも疲れてるだろ」


 た、助かった。


「謁見は1週間後。詳しい事はこの書類に書いてる。後は家でゆっくり読め」


「分かりました。失礼します」


 重圧から解放され、羽までは行かないが凄く軽い身体で家まで戻った。

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